翔泳社『SEの現場2003』との共同企画
若手エンジニアへのお薦め書籍はこれだ


翔泳社『SEの現場2003』、アットマーク・アイティ
2003/5/3

 ここでは、今回の記事のアンケートに協力いただいた方のベスト5とコメントを掲載した。各自の参考にしてほしい。

馬場史郎:グローバル ナレッジ ネットワーク 副社長

プロフィール:1965年日本IBMに入社。SEおよびSEマネージャとして活躍。その後、萬有製薬情報システム部を経て、グローバルナレッジネットワーク入社。

  (1)コンピュータシステムの基礎(アイテック)
  (2)SEを極める50の鉄則(日経BP社)
  (3)SEの現場2003(翔泳社)
  (4)SEのための提案書 ノウハウ101 (日刊工業新聞)
  (5)ゆとりの法則(日経BP)

 SEはプログラマではないので重要なことはまず、コンピュータの仕組みや基本(ハード、ソフトシステム)が十分分かっていることです。製品の使い方の本は多くありますが、その手の数少ない本でお勧めなのが、『コンピュータシステムの基礎』。

 プロジェクト管理の手法や設計の手法、提案のやり方などについては基本は重要ですが、このたぐいのものはそれをいかに実務で生かすかがポイント。それには実務に即した本『ゆとりの法則』『SEを極める50の鉄則』『SEのための提案書 ノウハウ101』などを読んでみるといいでしょう。

 また、そもそも第一線のSEはどうあるべきか企業や顧客は何を期待しているかを十分理解すること、またSEとは何か、大学生などは職業選択時に理解しておくことが大切です。その人たちはぜひ『SEの現場』『SEを極める50の鉄則』を読んでください。

矢沢久雄:グレープシティ アドバイザリースタッフ

プロフィール:アプリケーションの開発、パッケージのマーケティングなどに従事するかたわら、執筆活動、セミナーやカンファレンスにおける講演活動も精力的にこなす自称「ソフトウェア芸人」。

  (1)SEを極める50の鉄則(日経BP社)
  (2)システム障害はなぜ起きたか (日経BP社)
  (3)ゆとりの法則(日経BP社)
  (4)イノベーションのジレンマ (翔泳社)
  (5)SEのための提案書 ノウハウ101(日刊工業新聞)

『SEを極める50の鉄則』
 若手SEには、技術書もビジネス書も幅広く読んでほしいと思いますが「そもそもSEとは何か」を知るには、真っ先に本書を読むことをお勧めします。著者は、IBMなどで長年にわたりSEの現場を経験されたSEの神様のような人です。もともと社内向けに作られた資料が、日経コンピュータの記事になり、さらに書籍化され大ベストセラーとなりました。

 まずは目次を見てください。技術的な話題が少ないことに驚かれるでしょう。技術を偏重したSEは駄目なのです。はじめにお客さまありき。お客さまに提案ができ、お客さまの頼りになるSEこそ望まれているのです。できるSEになるためのノウハウが満載された本です。

宇野俊夫:ハラパン・メディアテック 代表取締役

プロフィール:コアメモリ時代に計算機を学び、ソニーで開発や設計に従事。米コンパック(現ヒューレット・パッカード)、コンパック(日本法人)を経て1997年に独立。著書多数。

  (1)誰のためのデザイン?(新曜社)
  (2)思考する機械 コンピュータ(草思社)
  (3)システム管理ってそういうことだったのか!(翔泳社)
  (4)人月の神話(ピアソン・エデュケーション)
  (5)プロフェッショナル・ネットワーク 設計・分析・管理のすべて(日本実業出版)

『誰のためのデザイン?』
 これからプロとして、直接あるいは間接的にモノづくりに携わる以上、ユーザーを無視した仕事はあり得ません。本書はドアのノブ、電話機、ビデオの予約機能など工業デザインやソフトウェアのユーザーインターフェイスの問題を考察した貴重な本です。のみならず、SEとしてあらゆる局面で行動規範とすべき技術思想やプロ意識を育む基礎となるでしょう。

 「ユーザーの誤操作はユーザーが悪いのではなくシステム側の配慮不足である」という本書の問題提起は、SEには「ユーザーの誤解はこちらの説明不足である」とも読み取れます。こうした視点をはじめ、本書はモノづくりに携わる技術者なら、5年後、10年後と読み直すたびに目からうろこの新発見が得られる1冊です

中村正三郎:アンテナハウス 本社開発グループ グループリーダー兼XML開発担当

プロフィール:管理工学研究所、ソフトヴィジョンなどを経て、アンテナハウスでXMLやゲノムのプロジェクトに従事。九州大学、慶応義塾大学非常勤講師。オープンソースを推進するRing Serverプロジェクト代表。著書多数。

  (1)計算機プログラムの構造と解釈(ピアソン・エデュケーション)
  (2)Inside the AS/400 Second Edition 日本語版(インフォ・クリエイツ)
  (3)珠玉のプログラミング(ピアソン・エデュケーション)
  (4)CJKV日中韓越情報処理(オライリー・ジャパン)
  (5)コンパイラの構成と最適化(朝倉書店)

 今回はぼくの趣味に走った。第1位と第2位はLispとAS/400。何十年も前からあっても常に最先端。プログラミング言語とOSの非常に優れた哲学と本質的美しさがある。定番本は、コンピュータ書籍の目利き、古田島義和氏のhttp://www.yfcbookshelf.com/をチェックすべし。紹介したかった本がいっぱい出ている。そこになくていま読んでいるのはポール・グレアム著『ANSI CommonLisp』(ピアソン)。『UNIXプログラミング環境』などのカーニハンの本、『ライト、ついてますか』などのワインバーグの本は全部読む価値がある。タネンバウムのOSやネットワークの本も、エイホ、ウルマン、セシィ、カマーなどコンパイラやアルゴリズムの本もいい。ピアソン・エデュケーションやオライリーの動物シリーズもいいものが多い。『Effective C++』などのEffectiveシリーズもいい。そのほか、いいたいことがいっぱいあるが、紙数と時間がない。残念!

峯本展夫:プロジェクトプロ 代表(CEO)

プロフィール:武道から音楽、建築、果ては利き酒など「調和の美」のあるものに傾倒してきた。現在は、テクノロジとマネジメントの調和を、プロジェクトマネジメントに見いだし、ビジネス活動をしている。自称、社会起業家。

  (1)プロフェッショナルの条件(ダイヤモンド社)
  (2)プロジェクトマネジメントの基礎知識大系 PMBOK和訳版(エンジニアリング振興協会)
  (3)PMP教科書 Project Management Professional(翔泳社)
  (4)プロジェクト・リスクマネジメント(生産性出版)
  (5)クマのプーさんと学ぶマネジメント(ダイヤモンド社)

『プロフェッショナルの条件』
 SEは知的専門職として、まず自分の職業と自分自身との関係について深く考えるべきです。「金持ち父さん」を追求するもよし、それはその人の生き方。ただ、本書の訳者でドラッカーの日本における分身ともいえる上田惇生・ものつくり大学教授の言葉を借りると「本書は、一人ひとりの人間に焦点を合わせている。とはいえ、稼ぎ方の本ではないし、単なるキャリア・アップのためのものではない。それは『何をしたらよいか』を越え、『自分を使って何をどのように貢献したらよいか』に答えを出そうとするものである」

 SEに必要な知識や手法は無数にありますが、まず身に付けるべきは、自分の生業についての「プロフェッショナル」としての自覚です。

萩本順三:豆蔵 取締役副社長 CTO

プロフィール:豆蔵にて教育、コンサルティング、R&Dに従事。Java、方法論、分散オブジェクト技術に関する著書・雑誌記事や講演多数。

  (1)Javaプログラミング入門(DAI-X出版)
  (2)やさしいUML入門(ピアソン)
  (3)達人プログラマー(ピアソン)
  (4)最新Javaがわかる(技術評論社)
  (5)HORBではじめるJava分散オブジェクト プログラミング(秀和システム)

最新Javaがわかる
 プログラマや企業のIT関係者は、現在のソフトウェアシステムが抱えている要求と問題点を理解し、Javaがそれらの問題をどのように解決しようとしているのか知っておく必要があります。本書『最新Javaがわかる』は、Javaとインターネット社会を取り巻く先端技術をうまく調合し解説している。プログラム学習とは別の観点で読み進めることをお勧めします。

小山 裕司 国際大学GLOCOM主任研究員・助手

プロフィール:学生時代に、某書店のO氏のワナにはまって計算機科学を愛し、日常、プログラミング言語とOSたちと、何か面白いことを探している。

  (1)ソフトウェア考現学(CQ出版)
  (2)ソフトウェア作法、プログラム書法(ともに共立出版)
  (3)プロフェッショナルUNIX
  UNIXワークステーションI(ともにアスキー)
  (4)UNIXプログラミング実践編(CQ出版)
  (5)C言語とプログラミング(産業図書)

 SEが習得すべきは設計時の思想と歴史です。あらゆるOSとプログラミング言語は突如として現れたわけではありません。最新(?)のJava/Linuxの根源は数十年前にさかのぼります。その後の発展は、新しい試みをいかに取り込み、生かすかだけの話なのです。

 こうした観点から見ると、これらの書籍(このほかにも多くの素晴らしい書籍がありますが)は非常に興味深く面白い内容で、ぜひ図書館や古本屋で探して、読んでいただきたいと思います(古いものもあるので絶版になっているものもあります)。

安田直義  NPO日本ネットワークセキュリティ協会 主席研究員

プロフィール:日本電気に入社後、B言語に出合い、UNIXに触れ、ネットワークを使い、セキュリティに気付く。その後、日外アソシエーツに移り、組版システムをTeXを使ってUNIX化し、さらにディアイティに移って現在に至る。日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)主席研究員など団体活動も積極的に行っている。

  (1)RSAセキュリティオフィシャルガイド 暗号化(翔泳社)
  (2)PKI eセキュリティの実装と管理(翔泳社)
  (3)誰も教えてくれなかったインターネットのしくみ(日経BP社)
  (4)OSの基礎と応用(ピアソン・エデュケーション)
  (5)コンピュータネットワーク(ピアソン・エデュケーション)

『OSの基礎と応用』
 この本は、ネットワークだけを使えればよいという入門者向けの本では決してありませんが、コンピュータアーキテクチャを含む基本的なコンピュータの動作原理を知ることができる数少ない名著です。ネットワークセキュリティも、本来はこの程度の基礎知識を持っている必要があるでしょう。

 専門家を目指す諸君には、ぜひ一度目を通してみることをお勧めします。

阿出川真広:ゼロソフト システム開発事業部 第1システム部

プロフィール:大型汎用機の診断などからパソコンの周辺機器用、果てはWebアプリケーションまでのプログラム開発を行っている。プロジェクト・マネージャもこなす現役プログラマ。

  (1)基本から学ぶソフトウェアテスト(日経BP社)
  (2)プログラミング作法(アスキー)
  (3)ライト、ついてますか(共立出版)
  (4)システムづくりの人間学(共立出版)
  (5)人月の神話(ピアソン)

『基本から学ぶソフトウェアテスト』
 複雑だと思われるハードウェアの中で、テスト機能が作り込まれていないものはあまりありません。テスト(検査)手段を含んだ設計なしに作られるものは皆無といってもよいくらいです。

 しかし、ソフトウェアの設計ではどこまでテストが考慮されているのでしょう。開発でのスケジュールやコストの中でテストは重要な位置を占めているにもかかわらず、教育や学習に関しての機会が少なく軽視される傾向にあります。現在、テストの1つの方法として注目されているのが「Unit Test」。これは有効な方法ですが、文字どおりの単体テストであり、これ自身は実装手段を提供しているにすぎません。ソフトウェア開発者の基礎として、ソフトウェアテスト全般を学習してほしいと思います。

高木和人:システム・テクノロジー・アイ

プロフィール:27歳にしてコンピュータ業界に就職、Oracleデータベースの楽しさ、奥深さにはまる。2001年10月、システム・テクノロジー・アイに入社。以来、優秀で個性的な技術者に囲まれた刺激的な日々を送っている。

  (1)「分かりやすい表現」の技術(講談社ブルーバックス)
  (2)マスタリングTCP/IP入門編(オーム社)
  (3)すぐわかるPerl(技術評論社)
  (4)かんたんプログラミング Excel2002 VBA(技術評論社)
  (5)Oracleシステム設計(オライリー・ジャパン)

『「分かりやすい表現」の技術』
 この本は、タイトルのとおり、「分かりやすい表現」を行うための技術について述べた本です。他人(同僚やお客さまなど)に情報を伝えることは、SEの仕事の中でも特に重要なことです。また、文章を書くときでも、プログラムを作成する場合でも、システムを設計する場合でも、分かりやすいということは常に求められます。本書を読むことで、そうしたさまざまな場面で必要な、他人に分かりやすく物事を表現する技術を身に付けられると思います。

倉薫:フリーコンサルタント

プロフィール:外資系ITベンダなどと契約しているフリーコンサルタント。著書は『C言語1、2』(翔泳社)など。

  (1)誰のためのデザイン?(新曜社)
  (2)コンサルタントの秘密(共立出版)
  (3)人を動かす(創元社)
  (4)フェルマーの最終定理(新潮社)
  (5)自助論(三笠書房)

『誰のためのデザイン?』
 認知科学者ノーマンによる、ものの「使われ方」の本です。私たちはシステムが「機能する」ことを追い求めすぎるあまり、それが実は「使われる」ためのものである、ということを忘れがちです。認知科学は、ユーザーインターフェイスの構築に有用といわれてきましたが、最近ではユースケースなど、システムの「使われ方」にも注目が集まっています。

 しかし、優れた使われ方を構築するノウハウは漠然とSEをしているだけでは、身に付かないどころか、ややもするとどんどん失われていく種類のものです。動くだけのシステムではなく、優れたシステムを作るために、「使われ方」という視点は、常に持っておくべきだと思います。読み物としてもとても楽しい本ですので、プログラムコードにまみれた頭の、一服の清涼剤としてもお勧めです。

岩脇一喜:フリー翻訳家、フリーライター

プロフィール:15年間、都市銀行でシステム企画・開発を担当。現在フリーの翻訳家、ライター。著書に『勝ち組SE・負け組SE』『SEは今夜も眠れない』(いずれも洋泉社)。

  (1)SEを極める50の鉄則(日経BP社)
  (2)憂鬱なプログラマのためのオブジェクト指向開発講座(翔泳社)
  (3)達人プログラマー(ピアソン・エデュケーション)
  (4)プログラムはなぜ動くのか(日経BP社)
  (5)図解入門 よくわかる最新SEの基本と極意(秀和システム)

『SEを極める 50の鉄則』
 私はSEの仕事の品質やSEの今後の成長いかんは、SEのマインドで決まると考えています。もちろん、技術や知識は必要ですが、その前にSEとしての基本的スタンスが定まっていないと技術や知識は生かせません。本来、このような技術知識以外のテクニックは実践を積み重ねて覚えていくしかないのですが、SEとして身に付けるべき哲学を教えてくれる書籍も多少存在します。その中で、最も優れているのが上記の書です。天下のIBMで長い経験を積んだカリスマSEだけあって、SEとは何たるか、顧客とは何たるか、SEにとって真に必要な心構えを教えてくれます。ここで書かれた哲学は不変なもの。SE志望者、現役SEにSEマインドを教えてくれる必読の書といえましょう。

古田島義和:翔泳社出版局SEshop.com事業部

プロフィール:神保町にある書泉で延べ15年間コンピュータ書を担当。そのノウハウを買われて、昨年初めに翔泳社に入社。ピカピカの1年生です。

  (1)SEの持つべき「思想」(すばる舎)
  (2)SEの現場(翔泳社)
  (3)SEを極める50の鉄則(日経BP社)
  (4)システム管理者の眠れない夜(IDGジャパン)
  (5)人月の神話(ピアソン・エデュケーション)

 会社に入って少しパソコンができるからというので、「君、今日からSEね」といわれてさぁ〜大変というあなたにおくるベスト本。入門の方といってもレベルに差はあるので私が要望するSEになるにはこれらの本からスタートしていただきたい。いずれもSEとしての心構えを身に付けるための本です(本来は100冊以上あるのですが……)。これらを読破することと数多くの人たちといろいろな話をして、聞き上手・話し上手になってください。

 最も気になる本は『スパイのためのハンドブック』(早川書房)。SEとは一件無縁のように思える1冊ですが、SEに必要なモチベーションを高めるための要素が詰まっています。スパイという職業は、特殊であるが故SEにもまた共通するものがあるので一読してみてはいかがしょうか?

新野淳一:アットマーク・アイティ 編集局

プロフィール:1988年アスキー入社。データベース部門でテクニカルサポートを担当。その後ネットワーク関連雑誌の編集などに携わる。2000年にアットマーク・アイティ設立に参加。

  (1)インターネットRFC事典 増補版(アスキー)
  (2)サーブレット&JSPではじめるJavaサーバサイドプログラミング(技術評論社)
  (3)C++プログラミング入門 新版(オライリー・ジャパン)
  (4)TCP/IP入門(翔泳社)
  (5)正しいHTML 4.0リファレンス&作法(ビレッジセンター)

『インターネット RFC事典 増補版』
 多くのSEは、まずプログラマからスタートして、業務知識を身に付け、顧客対応などの経験を積んでいく、というステップを踏んでいくことでしょう。最初のうちは技術的な基礎をきちんと身に付けることが大事です。そのために個人的にお勧めするのは、プログラミング言語を1つきちんと身に付けること、そしてネットワーク関連の仕様を頭に入れることです。プログラミング言語は独習しやすい分野ですが、RFCなどのネットワーク仕様を勉強するには、よい資料を参照することが欠かせません。ネットワーク関連の仕様は幅広く、しかも奥が深いものです。ここでは、1冊で一番RFCが見渡せる点で非常に便利なので、この書籍を取り挙げました。

谷古宇浩司:アットマーク・アイティ 編集局

●プロフィール:@ITのDevelopment Style編集担当兼ニュース担当。

  (1)野生の思考(みすず書房)
  (2)ソフトウェア文化を創るシリーズ(1)〜(4)(共立出版)
  (3)珠玉のプログラミング(ピアソン・エデュケーション)
  (4)ソフトウェア職人気質(ピアソン・エデュケーション)
  (5)ソフトウェア開発201の鉄則 (日経BP社)

『野生の思考』
 『野生の思考』は文化人類学の古典として有名な書籍です。構造主義およびポスト構造主義へと変遷した思想界のブームに押し流され、現在ではひもとく者も少なくなりました。しかし、本書で論じられる思考の輝きはいまでも決して色あせてはいません。オブジェクト指向の神髄がここにあるといえます。

宮下知起:フリーライター兼編集者

プロフィール:メーカー系SEを経てIT系雑誌および書籍の編集者へ転身。その後独立し、現在は@ITの寄稿編集者として活躍するほか、IT系ベンダのセールスツールやWebサイトの制作を手掛ける。

  (1)プログラムはなぜ動くのか(日経BP社)
  (2)ネットワークはなぜつながるのか(日経BP社)
  (3)図解でわかるソフトウェア開発の実践(日本実業出版社)
  (4)基本から学ぶソフトウェアテスト(日経BP社)
  (5)SEの持つべき「思想」(すばる舎)

『プログラムはなぜ動くのか』
 ソフトウェア開発を主たる業務とするSEの場合、一人前になるためには開発言語やミドルウェアに始まり、XMLやWebサービスなどの最新技術などの豊富な知識が必要となるでしょう。膨大な技術情報を常に把握するのは大変ですが、実はコンピュータ上でプログラムが動く根本的な原理は変わりません。この基礎さえ押さえておけば、どんな新しい技術が登場しても早く理解でき、応用も利くことになります。本書は、プログラムがディスクからメモリにロードされCPU上で動き、ハードウェアを制御するまでを分かりやすく解き明かします。基本原理に精通することで、ソフトウェア開発における設計スキルは格段に向上するに違いありません。

中澤勇:アットマーク・アイティ 編集局

プロフィール:元アスキー雑誌編集者。フリーライターを経て、現在は@ITのLinux Squareフォーラム担当者。

  (1)UNIXシステム管理 改訂版(オライリー・ジャパン)
  (2)入門UNIXシェルプログラミング(ソフトバンクパブリッシング)
  (3)UNIXという考え方(オーム社)
  (4)Linuxプログラミング(ソフトバンクパブリッシング)
  (5)詳説 正規表現(オライリー・ジャパン)

『UNIXシステム管理 改訂版』
 Linuxを使った案件は今後増加すると思いますが、SEであればUNIX全般についてそれなりの知識が必要とされるでしょう。あらゆるOSのエキスパートになるのは難しいですが、各OSの差異を意識することは重要です。そのため、今回は意図的にLinux専門書のみならずUNIX全般を意識した書籍を選びました。

 『UNIXシステム管理 改訂版』は長い歴史を持った名著であり、多くのUNIXあるいはUNIX系OSについて学ぶことができる本です。決して初心者向きの本ではありませんが、SEとして生きていくなら、初めは理解できなくてもかじりついていくくらいの気概がほしいと思います。

近藤孝一:アットマーク・アイティ 編集局

プロフィール:@ITにてSecurity&Trustフォーラム編集者。

  (1)ネットワーク危機管理入門(翔泳社)
  (2)インターネットセキュリティ不正アクセスの手法と防御(ソフトバンクパブリッシング)
  (3)インシデントレスポンス―不正アクセスの発見と対策(翔泳社)
  (4)Microsoft Windows2000 Serverセキュリティ運用ガイド (日経BP社)
  (5)マスタリングIPsec(オライリー・ジャパン)

『ネットワーク危機管理入門』
 企業や組織での情報セキュリティの重要性が問われる中、ウイルス対策、ファイアウォール、暗号化、認証などのセキュリティ関連技術がSEにとっても重要になっています。しかし、技術を学ぶ前に知っておいていただきたいのは、技術面だけではセキュリティの確保は難しいということ。適切な運用管理なくして効果的なセキュリティの確保はできません。では、有効なネットワークセキュリティ対策を実践するためにはどうすればよいのでしょう。それを具体例や実践的なアドバイスで分かりやすく解説しているのが本書で、若手SEにぜひ読んでいただきたい1冊です。

翔泳社出版局 月刊DBマガジン編集部

プロフィール:データベースをコアとした企業システムの設計・構築・実装・管理・運用の各フェイズにかかわる実用的な技術情報や製品情報、実務に直結するソリューションの提供している。

  (1)プログラムはなぜ動くのか(日経BP社)
  (2)はじめてでもわかるSQLとデータ設計(ディーアート)
  (3)独習Java(翔泳社)
  (4)SQLプログラミング入門(ソフトバンクパブリッシング)
  (5)システム障害はなぜ起きたか(日経BP社)

『プログラムはなぜ動くのか』
 IT系の、しかもかなり技術的に突っ込んだ内容の本としては、とにかく画期的に売れた本。これだけ多くの技術者(もちろんそれ以外の人も)が読んだということは、いまや業界内での一種の共通知識であるともいえ、その点だけからも読んでおいてまったく損はないでしょう。コンピュータの環境が、メインフレームのみの単純な構成から、C/SやWebによる多階層で複雑なものに変化し、知っておかなければならない要素技術や周辺技術が日々増え続けています。そんな中での原点回帰。ソフトウェア業界に身を置く者ならば、誰もが一度は疑問に思うであろう「なぜプログラムは動くのか?」。このシンプル極まりないテーマは、やはりわれわれの好奇心をくすぐる絶妙なツボなのです。

翔泳社出版局 月刊 dotNET マガジン編集部

プロフィール:.NETをメインアーキテクチャとする技術系雑誌。プログラミングからシステム構築・運用・管理のためのノウハウを子細に、検討を加えつつ紹介している。

  (1)コンピュータは、むずかしすぎて使えない!(翔泳社)
  (2)方法序説(岩波文庫)
  (3)やさしいコンピュータ科学(アスキー)
  (4)データ構造とアルゴリズム(培風舘)
  (5)憂鬱なプログラマのためのオブジェクト指向開発講座(翔泳社)

『コンピュータは、むずかしすぎて使えない!』
 IT業界に限らず、どんな業種であれ、最終的なお客さまは「人間」です。この基本を忘れると、健康を害する食品や使いにくいシステムが平気で流通することになります。テクノロジは人間をシアワセにするために使ってあげた方が喜ばれるのです。本書はインターフェイスを突破口に、PCを間に挟んだ人と人のつながりを考えさせてくれる1冊です。

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