「いつか起業しなければ」――15歳のiPhoneアプリ開発者Tehuライバルに学べ! 学生スターエンジニアに聞く(7)(1/2 ページ)

高い技術力を持って活躍する「学生スターエンジニア」たち。彼らはどのように生まれ育ち、どんなことを考えているのか。同年代のスターへのインタビューから、自分の就職活動のヒントを得よう。

» 2011年04月08日 00時00分 公開

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 皆さんはじめまして、大阪府在住の専門学校生 前平敏志(HN:サトにゃん)といいます。IT業界就職ラボで塚田朗弘さんが執筆していた連載「ライバルに学べ! 学生スターエンジニアに聞く」を、今回から引き継ぐことになりました。学生記者としてできる限り頑張りたいと思っていますので、よろしくお願いします。

 まずは自己紹介から。今年の4月から情報系の専門学校生になりました。情報技術全般や電子機器・家電製品について興味を持っています。情報系非営利団体の運営をしていたり、エンジニアライフでコラムを書いたりもしています。パソコンの自作にサーバ構築など、いろいろなことに挑戦する日々を送っています。

15歳のiPhoneアプリ開発者、Tehuさん

 第7回は、学生にしてiPhoneアプリ開発者のTehuさんです。Tehuさんは現在、兵庫県の灘高校1年生(取材時は中学3年生)。2009年10月に「健康計算機」というiPhoneアプリを公開して、その後AppStore無料総合ランキング2位、無料メディカルランキング1位にランクインを果たしました。

 そのことがきっかけで、さまざまなメディアサイトやテレビ番組などで取り上げられて一躍有名になったTehuさんですが、彼はこの連載にふさわしい人物ではないでしょうか。筆者自身、彼の考えにとても興味を持っていたので取材を申し込みました。彼が考えていることに注目です!

ワープロからWindows 98、その後iPhoneアプリ開発の世界へ

――コンピュータの世界と出合ったのはいつですか。

中学生iPhoneアプリ開発者、Tehuさん 15歳のiPhoneアプリ開発者、Tehuさん

Tehu 3歳の時にワープロを、4歳の時にWindows 98を初めて触りましたね。

――私も初めて触ったのがWindows 98SEです! 初めて触ってみたときの感想はいかがでしたか。

Tehu 全然覚えてないですけれど、でもかなりハマったってことは覚えています。当時はまだまだシステムが不安定な時代でしたよね。

――当時のフリーズやブルースクリーンが懐かしいです。プログラミングはいつごろから始めましたか。

Tehu プログラミングを始めてから、今年でちょうど2年くらいになります。シンガポールに住んでいる9歳のリム・ディン・ウェン君がiPhoneアプリを作ったと聞いて「僕でもできる!」と思い込んで始めたのがきっかけです。偶然その前にMacを買ったばかりだったので、機材面では困らなかったですね。iPhoneを買った後にAppleが好きになって、Macを買った後にリム・ディン・ウェン君の話を聞いたので……。ただ、プログラミングのことをまったく知らなかったので、本を買って独学で勉強したりするのが一番苦労しました。

――Tehuさんの周りで詳しい方はいらっしゃらなかったんですか。

Tehu 最初はいなかったです。途中からTwitterを始めて、それでいろいろな人と知り合えました。

開発よりも勉強を優先する

――学校生活について教えてください。灘校は学力が高いことで有名です。実際はどうなんでしょうか。

Tehu 取りあえず入試は難しいです。死にもの狂いで3年間勉強して、ようやく最下位で灘中学校に入れましたからね(筆者注:灘校は中高一貫教育)。授業もだいたい普通の学校の2倍ぐらいのスピードです。後は、中学3年の時に数学II・Bは終わらして、みたいな。最近、微分と数列が終わって……。

――えっ?! 数学II・Bって高校2〜3年レベルじゃないですか! そんなスピードでついていけますか。

Tehu まぁ、何とか。理系の人が多いので、理科も進むテンポが速いです。社会は遅いですね。英語とかでもセンター試験の分野をある程度終わらして、「いまから東大2次試験やるぞ!」みたいな感じです。

――それはすごい! それで学生らしい生活を送れていますか。

Tehu 全然(笑)。中学生の時は皆、いろいろ遊んだりするじゃないですか。灘校生の中にも遊ぶ人がいるんですけど、僕の場合は授業が終わってクラブに立ち寄って、家に帰って、宿題やってちょっとパソコンで仕事して寝る、っていうのをずっと繰り返す、そういった日々を送っています。

――学校の勉強と、個人的な開発の両立はできていますか。

Tehu 勉強:パソコンの比率は2:1ぐらいにしていますね。勉強の方が多いのですが、そのくらいだと両立できています。勉強よりも開発の方をやりたいというわけではないですね。

――自分も見習いたいです。勉強と両立できるからこそ開発者である、といった感じでしょうか。

Tehu 僕の場合はそうですね。

もし、脳とコンピュータが連携したら

――アメリカの大学を目指しているそうですが、日本で学ぶこと以上の勉強がしたいということでしょうか。

Tehu 日本の大学でも確かに学ぶことはあると思うんですけど、アメリカの方が多角的というか……。アメリカに行った方が同じ期間でもたくさん学べるし、しかも飛び級制度とかあるじゃないですか。早く勉強したらその分結果が返ってくるというのがいいですね。

――アメリカでの生活になると、英語が必要になってきますよね。英語は得意ですか。

Tehu 得意というか、その時になったらできるでしょう、と考えています。本当に行き当たりばったりでやっています。

――確かに、1カ月くらいしたら案外、誰とでも話せるようになっているものかもしれませんね。では、コンピュータ関連以外に何か得意なことはありますか。

Tehu そうですね、歌うこととか(笑)。劇団で歌う歌手など、両親とも音楽関連の仕事をしているので。

――それは意外です! やっぱり遺伝的な何かがあるのでしょうか。音楽系のアプリは作ろうとしないんですか。

Tehu 今のところ作ってないですね。でも、もし人間の脳とコンピュータを連携させることが将来できるとしたら、それこそ音楽の方向にも幅が広がるし、すごいインパクトの大きい音楽とかも作れると思います。脳とコンピュータがつながれば、無限大の可能性があると思います。50年以内には、脳とコンピュータが連携して、これまでになかったようなものが開発されていると願いたいですね。

――自分たちが生きているうちに、ぜひとも実現してみせたいですよね!

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