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ユーザー企業の満足度調査で、実に9割超のユーザーから「とても満足」と評価されているマイクロソフト。そんな高度な同社のサービスには、TAM(Technical Account Manager)と呼ばれる専門職が控えている。ユーザーから評価される高度な技術力、卓越した問題解決力を持つTAMとは何か?

  マイクロソフトの顧客満足度が群を抜いて高い理由

 マイクロソフトが実施しているユーザー企業向け満足度調査では、9割超のユーザーが同社のビジネスサポートについて「とても満足」と回答しているという。この調査は「とても満足・満足・普通・不満足・とても不満足」という5段階で採点してもらう仕組みだが、こうした5段階テストで最高点が付けられるケースは少ないといわれている。9割以上のユーザーが最高点を付けたということは、同社のビジネスサポートが群を抜いて素晴らしいということだ。

 こうしたユーザーの評価において、重要な位置にいるのが「TAM」(Technical Account Manager:タム)と呼ばれる職種である。TAMとはマイクロソフト独自の職種であり、同社の年間契約サービス「プレミアサポート」全般をつかさどる専門職だ。

マイクロソフト エンタープライズサポートサービス統括本部 統括本部長 邨山(むらやま)明彦氏

 マイクロソフト エンタープライズサポートサービス統括本部 統括本部長 邨山(むらやま)明彦氏は次のように語る。

 「プレミアサポートとは、お客さまのシステムの最良のアドバイザーとして、お客さまからの問い合わせや技術課題の発見、改善点の提案、スキルトランスファーなど、マイクロソフトの技術を中心とした問題を解決する当社独自のサービスです。そのサービスをつかさどるTAMには、“アカウントマネージャ”という言葉が入っています。アカウントマネージャとは、よく営業職で使われるとおり、特定のお客さまに付いて技術的な相談や疑問、問題に応じる役目のことであり、TAMは文字どおり“テクニカル”なアカウントマネージャです。ただ、TAMの特異な点を1つ挙げるとすれば、それはわれわれが『ITプロフェッショナル』であること。ITプロフェッショナルとは、システムの運用管理をメインにした業務のスペシャリストを指しますが、われわれTAMはまさに、ITプロフェッショナルとしてさまざまな技術課題を解決するアカウントマネージャです」

問題解決プロジェクトマネージャ」という専門職

  運用管理というと、「マニュアルに沿ってシステムのメンテナンスを行う作業」というイメージが浮かぶことも少なくないが、実際の業務は幅広く、ひと言で業務内容を説明しきるのは難しい。中でもTAMが担当する運用管理とは、時にはユーザー企業からの疑問や質問に答える「問題解決型の運用管理」であり、さらに、問題が表面化する前の"萌芽(ほうが)"を見つけ、先回りして課題解決に向かう「提案型の運用管理」も担当する。

 提案型の運用管理とは何か。具体的には、「システムの状況を毎日フォローし、そこから見える兆候(例えばサーバの運用負荷など)から、より安定性の高いシステムにするための提案を行うこともあるし、お客さまが次に導入したいテクノロジについて、より効果を発揮するために必要なスキルセットをトランスファーする」(邨山氏)など多岐にわたっている。「ITILを導入したいけれど、自社に当てはめた場合、どういう運用体制がいいのか分からない。このシステム構成の場合、どのような運用方法がベストなのか分からない」という時、有効な事例を紹介したり、具体的にどう進めればいいのかをアドバイスしたりすることもある。場合によっては、マイクロソフトコンサルティングサービス(MCS)のコンサルタントに入ってもらい、上流工程から個々の課題解決へと落とし込んでいくケースもあるそうだ(図1参照)。

図1 TAMの業務範囲。既存システムだけでなく、新規システムに上流工程からかかわることも多い

 ほかのケースでいうと、例えば新たなシステム開発プロジェクトが始まったとき、既存のマイクロソフト環境の中で最適なパフォーマンスを出すにはどのようなアプリケーション開発が適切かを指南したり、問題発生時に障害部分の切り分けを行ったりするのもTAMの役目となる。もちろん、詳細については専門のサポートエンジニアの力を借りることもあるが、いずれにせよTAMはユーザー企業の一番身近にいて、時にはコンサルタントやサポートエンジニアと協力し合いながら問題解決に導くプロフェッショナルといえる。役割としてはプロジェクトマネージャともいえるし、ほかのプロフェッショナルたちとユーザー企業とをつなぐハブともいえる。

 TAMが活躍するフェイズは、大きく分けて2つある。まず運用・保守フェイズに入ってからプレミアサポートを活用するケース。もう1つは、すでにプレミアサポートを契約しているユーザー企業で、新規開発プロジェクトが立ち上がった場合、システムの企画・設計からかかわるケースだ。特に後者の場合、新たなシステムと既存システムとの連携や、システム全体から見た運用管理の体制・方法論作りなど、TAMの力を必要とするシーンはいくらでもあるという。以上のことから、TAMは「システムの運用保守をやるだけ」という受身型のITエンジニアではなく、積極的に「問題を解決する」という高い専門性を持っていることがうかがえる。技術力の高いITエンジニアは多数いるが、ユーザー企業との“窓口”となり、リーダーとなってコンサルタントやサポートエンジニアと課題解決に当たれるITエンジニアは数少ない。だからこそ、TAMが専門職としてユーザー企業から高く評価されるわけだ。

障害原因を解決してからがTAMの本領

マイクロソフト エンタープライズサポートサービス統括本部 エンタープライズパートナー本部 第一サポート部 リードTAM 松木香代子氏

 7年前、TAMとして転職し、現在第一線で活躍するマイクロソフト エンタープライズサポートサービス統括本部 エンタープライズパートナー本部 第一サポート部 リードTAMの松木香代子氏も、プログラマ、社内SEとしてキャリアを積んだ後、「技術だけではなく、お客さまと折衝して仕事を進めるスキルも身に付けたい」と思い、TAMという職種を選んだ1人だ。現在担当している企業数は3社で、3社合わせてミーティングを行う回数は週4〜5回ほど。つまり、ほぼ毎日ユーザー企業のうち1社とミーティングを行っているわけだ。ちなみにTAM1人につき、担当する企業数は平均3〜4社ほどだという。

 実際のミーティングは1〜2時間ほどで、話される内容は、主に(1)日々の問い合わせに対する進ちょく状況、(2)プレミアサポートの時間利用状況の報告、(3)契約時に作成したデリバリープランに基づく業務の進ちょく状況、(4)マイクロソフト製品の新たなテクノロジの説明、(5)ユーザー企業側のプロジェクト情報とそれにまつわるヒアリング、などが多い。特に(5)に関しては、ユーザー企業のニーズによっては、プレミアサポートという枠を超えて、営業部隊、マーケティング、本社の開発本部とユーザー企業をつなげ、マイクロソフト全体として新たな提案や支援を行うケースもある。TAMは、ユーザーに近い存在であり、マイクロソフトの各部門とユーザーをつなぐコーディネーターとしての役割も大きい。大まかな1週間のスケジュールは、だいたい表1のようなイメージになるそうだ。

 
9:00 事務連絡、
事務作業
A社ミーティング
(訪問)
B社ミーティング
(訪問)
B社アカウントミーティング
(社内)
事務連絡、
事務作業
10:00 調査、
資料作り
調査、
資料作り
11:00 打ち合わせなど A社送付用
議事録作成
B社送付用
議事録作成
調査、
資料作り
打ち合わせなど
12:00 昼食 昼食 昼食 昼食 昼食
13:00 C社ミーティング
(訪問)
C社アカウントミーティング(社内の他メンバーとのミーティング) A社アカウントミーティング
(社内)
C社ミーティング
(訪問)
C社アカウントミーティング
(社内)
14:00
15:00 C社送付用議事録作成 調査、資料作り、打ち合わせなど 事務連絡、
事務作業
C社送付用
議事録作成
調査、
資料作り
16:00 調査、資料作り、打ち合わせなど 調査、資料作り、打ち合わせなど 調査、資料作り、打ち合わせなど B社ミーティング
(訪問)
17:00
18:00   B社送付用
議事録作成
表1 TAMの1週間のスケジュール例(参考)

 松木氏は「サポートというと、何か障害が起こってから原因を見つけて解決する、というミッションが浮かぶと思いますが、実際のTAMの仕事は、そこからが本領発揮となります。具体的には、また同じ問題が起きないようにどうすればいいかを提案し、次につなげていく。時には、プレミアサポートの範囲を超えてより大きなサービスをご提案することになりますが、それによってお客さまと当社両方がWin-Winになれた時に、やりがいや喜びを感じます」と語る。また「お客さまに一番近い位置だからこそ、責任感もあるし、何でも質問してもらえるという喜びもある」(同)とも。

 続けて「何億円というビジネスインパクトを持つミッションクリティカルな基幹システムとも対峙(たいじ)することがあるので、仮に障害が起こったときでも冷静かつポジティブに対処できるマインドが必要です。大きな問題を一緒に解決した時に得られる信頼は達成感が大きいものですし、そこに喜びを見いだせるITエンジニアであれば、TAMの仕事に向いているのではないでしょうか」(松木氏)と、厳しさとやりがいが表裏一体であると強調する。

TAMを経験すれば、どんなキャリアも積める

 TAMになるために求められるスキルとは何か。前述の邨山氏は語る。

 「TAMはマイクロソフト技術のスペシャリストなので、まずマイクロソフト技術についての専門性を持っていることが前提となります。加えて、OSならOS、データベースならデータベースと、自分で得意とする分野を1つか2つ持っており、その分野を横展開しようと努力を惜しまない方がいいですね。TAMは年間160時間ほど必須のトレーニング時間を設けているので、専門分野を幅広く取ることで自分の付加価値を高めてもいいですし、場合によってはTAMで得た知識や実績を背景に、マーケティング部門で、またエバンジェリストとして活躍するケースもあります。米国では、コミュニケーションスキル向上目的でエンジニアからTAMへ異動することも多く、TAMを経験することでより豊かなスキルパスが可能になります」

 また20代のITエンジニアの場合は、ITに関する基本知識の有無と、コミュニケーションや人との交流に対する得意・不得意などでTAMへの適性を判断するが、30代になると、専門性や高度なコミュニケーションスキルの有無など、より現場即戦力になるかどうかが鍵となる。

 技術力だけのスキルアップでは飽き足らず、「もっと高み」を目指すのであれば、TAMに挑戦してみてはいかがだろうか。

ITコンサルタント限定 キャリア登録

■ キャリア登録とは
あなたのスキルや経験にマッチする職種があった場合に、マイクロソフトからご連絡をする制度です。

◎特長1
技術サポート関連であれば特定の職種に限定することなく登録できるので、いままでにない新しいチャレンジの場が見つかる可能性があります。

◎特長2
忙しくて時間がなくても、最初に登録するだけ。ご登録から1年間、あなたのキャリアを慎重に検討させていただきます。

・キャリア登録
・経験者採用

注目企業インタビューIndex


マイクロソフト株式会社
企画:アイティメディア営業本部
制作:@IT編集部

掲載内容有効期限:2007年8月4日

会社概要
■会社名
マイクロソフト株式会社

■本社所在地
東京都渋谷区代々木 2-2-1 小田急サザンタワー

■代表執行役社長
ダレン ヒューストン

■設立
1986年2月

■資本金
4億9550万円

■従業員数
1775名(男性:1419名 女性:356名)
(2006 年4月3日現在)

■平均年齢
35.8 歳(男性:36.1 歳 女性:34.4 歳)

■事業内容
コンピュータソフトウエアおよび関連製品の営業・マーケティング

■経験者採用
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募集職種・勤務場所

■TAM(テクニカル アカウント マネージャ)
・ 大企業のお客様からの問い合わせの窓口となり、プレミアサポートサービスを提供


■勤務地
・東京、大阪、名古屋


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■導入事例

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