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ウルシステムズインタビュー
戦略と業務とITをつなぐポイント


ウルシステムズは、企業のビジネス戦略と業務を改革し、それを先端テクノロジで実現していくノウハウを持つ。企業戦略を描いて業務のTo-beモデルを作り、最適なITを設計・構築してクライアントのビジネスに貢献していくサービスを提供している。そのユニークなサービスのポイントと企業文化や求める人材について紹介しよう。

   クライアントにビジネスバリューを

 ウルシステムズの代表取締役社長 漆原茂氏は、いまの日本のITの状況に警鐘を鳴らす。「米国企業の場合、自社のITスキルの高いCIOがベンダなどをコントロールしてITを主導しています。それに対して日本企業はいまだメーカーとシステムインテグレータに頼り切るスタイルから抜け切れていません。もはやこれをゼネコン的な業界固有の構造的な問題として片付けられない状況を迎えています。クライアントはこのままではグローバル競争に太刀打ちできないと危機感を感じています。システム開発もいつまでも労働集約的なスタイルでいるわけにはいかないでしょう」

ウルシステムズの代表取締役社長 漆原茂氏

 漆原氏が2000年にウルシステムズを興したのは、コンサルティングファームでもシステムインテグレータでもない、本当の意味でクライアント側に立って、クライアントのビジネスの成功を支援するサービスを提供したいと考えたからだ。その内容は、クライアントの戦略策定から業務プロセスの確立・改善、ITの提供までを、クライアントと同じ立場で、支援または自らが設計・構築するというものだ。ウルシステムズは、このようなサービスを提供する自分らを“ビジネスバリューアーキテクト”と呼ぶ。

 一般的なシステム開発の場合、クライアントに何も残らないことが多いと言われる。クライアントはすべてをシステムインテグレータ(SI)に任せる。SIはヒアリングをし、言われたままの機能を開発し、運用管理をこなす。しかし現場は構築することで精いっぱいで、結局は事業戦略や業務の役に立たないITがリリースされ、ろくに使われないまま膨大な改修をしつつ運用していく羽目に陥る。

 ウルシステムズが目指すのは、クライアントの要望を聞くサービスではない。いわば、自らがクライアントに成り切って、クライアントのビジネスを考えるサービスだ。漆原氏はこのサービス提供の形態を「従来までなかったまったく新しいサービス提供モデルであり、今後のIT業界の主流である高付加価値サービスの先駆け」であると断言する。それを端的に表すのが、漆原氏の次の発言だ。「当社のメンバーはクライアントと同じ席に座り、経営企画やCIOの補佐官の役割を果たす。クライアントと一緒に業務改革を推進し、システム設計をし、構築はクライアント側でSIと交渉することがよくある。われわれにしかできない最先端のITと重要な根幹部分はもちろんわれわれ自身が提供していくが、ゼネコン的なSIは一切やらない」

   戦略と業務とITをうまくつなぐために

 漆原社長がいうような、本当の意味でクライアント側に立ち、ビジネスバリュー創出のサービスを提供するにはどのようなスキルが必要なのだろうか。漆原氏は「戦略、業務(ビジネスプロセス)、ITテクノロジの3つの要素をうまくブリッジできること」だと説明する。1つ1つだけを個別に提案し提供できる会社はある。しかし、それらを結び付けられるノウハウを持ち、そこに特化している会社がウルシステムズだという(図1)。

図1 戦略、業務、ITテクノロジの3つの連鎖をきちんと提供できるのがウルシステムズの強みだ

 すなわち、戦略や業務のコンサルティングサービスに限れば大手のコンサルティングファームが存在する。しかし、彼らは問題個所の診断はしても、クライアントの実際のビジネスの実行“Execution”までは事業としていない。「戦略の提言で終わるのではなく、その実行までサポートするのが私たちのミッションです」と漆原氏が語るように、大切なのはクライアントが最終的に成果を得られるまで、クライアント側に立って支援することだ。「戦略から業務に落とすためのTo-beモデルをしっかり描くこと。ここが最重要ポイントとなります。To-beモデルを描けたら、後はそれをITの実装にうまくつなげられることが重要です」(漆原氏)。

 また戦略立案サービスを提供しても、それが自社のSIのプレセールスに等しかったり、単にERP導入ばかりを繰り返す企業とも一線を画している。「大手コンサルティングファームの中には、もはやSI企業になってしまっているものもあります。結局ゼネコン型SIでもうけようとすると、大型案件にどんどん寄っていって、自社のみが受注できるような作為的な上流コンサルを続けていくことになります。それでは質が落ちるし、何よりもクライアントのためになりません。クライアントのための真のパートナー、それを私たちは目指しています」(漆原氏)。

 もちろん、クライアントのビジネスを成功させるには、ITにおいても最高の技術を持っていることが必要だ。「最先端のITを駆使することで、クライアントのその先のビジネスを現実的に描くことができます。EA、BPM、SOAといった最先端のITのプロフェッショナルであることによって、クライアントの継続的な変革を支えられるITを提供できるのです。それによって、クライアントは次のステージを戦っていくことができるようになります」(漆原氏)。

   ウルシステムズが提供するサービスと必要なスキル

 ウルシステムズが提供するサービスを整理すると以下のようになる。

(1)UMLaut/ビジネス戦略モデリングサービス
   ・事業戦略の分析・策定、IT戦略立案、業務要件定義の支援
 ・企業活動全体の視点から最適なビジネスモデルとIT戦略を策定
 ・IT化計画立案

(2)UMLaut/モデル駆動システム設計・開発サービス
   ・最適化した業務モデルの設計〜基幹システムの実装
 ・オブジェクト指向、フレームワーク技術を用いた企業基盤の設計・構築

(3)UMLaut/ITイノベーションサービス
   ・将来を見越したEA、業務(ドメイン)フレームワーク設計
 ・SOAベースでのITアーキテクチャ設計、グランドデザイン
 ・クライアント側でのPM支援、CIO支援、およびOJTを含めたプロジェクト推進の実施

 (1)で提供するサービスとは、戦略コンサルティング、業務コンサルティング、ビジネスモデリングをひとまとめに提供するもの。「これら全部を提供できるのが他社とは圧倒的に違うコアバリューです」と漆原氏はいう。「クライアントの戦略や業務をコンサルティングするためには仮説検証やロジカルシンキングのスキルが必要です。ただUMLが書けて、ビジネスモデリングができるだけでは現状の分析ができるだけ。To-beは描けません。反対に、戦略だけ立案できてもそれをシステムに結びつけるのに必要なモデリングができなければ実行可能な戦略とはいえません」(漆原氏)。

 加えてクライアントの業種・業務に関する知識も当然ながら必要になる。ウルシステムズでは、流通サービス(小売、物流など)、製造(PLM、SCMなど)、情報サービス(モバイル、チケッティング、コマースなど)など、多くの分野に対して知識と経験が豊富なコンサルタントをそろえている。

 クライアントのビジネスをうまくITにつなぐために、オブジェクト指向のスキルを道具として用いるのが(2)のサービスである。このサービスではウルシステムズの開発ノウハウとソフトウェアを体系化したUMLautというフレームワークを用いるが、ウルシステムズ独自の方法論を押しつけるのが目的ではないという。「UMLautは、私たちが完全にお客様の側に立ち、ベンダやシステムインテグレータをうまくマネージするための自分たちのツールとして用意しています」(漆原氏)。さらに同氏は「私たちは開発手法のコンサルティングを行う会社ではありません。開発手法だけをコンサルティングしてもクライアントが実業を回せなければ無意味です。技術的な軸足はしっかり持ちながらも、クライアントとはビジネスのコンテキストで対話します」と語る。

   技術がゴールではない

 オブジェクト指向はあくまで手段であり、決してゴールではない。エンジニアはとかく技術をゴールにしたがるが、それは自己満足であり本当にクライアントのためではない。漆原氏は、このようにあくまで道具としてクライアントのためにオブジェクト指向を用いることを“プラグマティックオブジェクト指向”と呼んでいる。プラグマティック(pragmatic)とは“実際的な”という意味だ。そこにはクライアントへのサービスの一環として、オブジェクト指向を用いるという精神がある。

ウルシステムズの主席コンサルタント 平澤 章氏

 ウルシステムズの主席コンサルタント 平澤 章氏は、“プラグマティックオブジェクト指向”を強力に推進している。「クライアントに最適なビジネスモデリングの結果を、オブジェクト指向によって設計・システム化していきます。設計の段階では、モデリング技術を駆使しながらも常に実装を意識しています。実装が伴わないでいつまでもモデリングをしていても技術者の自己満足にすぎません。プラグマティックなレベルで次の設計フェイズへつなげるノウハウが重要です」と平澤氏は語る。

 「さらに実装の段階では、必要以上に既成のコンポーネント製品を使ったりしません。ERPパッケージをお仕着せしたように、できあいのビジネスのパターンやコンポーネントを押しつけても、クライアントの新しいビジネスには合致しません。実装を短期間かつ低コストに行うためには、フレームワークと自動化ツールをリーズナブルに活用するのがポイントです」(平澤氏)。既存のコンポーネントを利用すると、どうしてもビジネスモデルをそれに合わせる作業が発生する。クライアントの戦略的なITはカスタムメイドが前提であり、その設計と実装を効率よく行うことが肝心、ということだ。UMLやオブジェクト指向、コンポーネント再利用などへの過剰なベンダマーケティングに流されることなく、確実にビジネスを具現化してきた自信がそこにある。

 そして(3)もこれまで業界にない特徴となるサービスだ。従来のようなクライアントからヒアリングをして要望を聞いていくスタイルではなく、クライアントのCIOの参謀として、あるいは経営企画室の一員の立場として、クライアントとともにITを活用したビジネスの成功を考えていくものだ。前述したように最新のITスキルを持っているからこそ、一歩先を見据えたビジネスの構築を支援することができる。

 ウルシステムズの主席コンサルタント 林 浩一氏は、「クライアントのビジネスの成長のためには、その瞬間だけの最適解ではなく将来も見据えたビジョンを策定できなければなりません。クライアントのビジネスを新しいステージに上げてみせるためには、これまでにない革新的なITの活用が必要になることもあります。中立・独立であり、先端技術での実装力も備えたウルシステムズだからこそ提供できるサービスです」と語る。

 クライアントは、さまざまなベンダの甘いマーケティングトークで疲弊し困りきっている。そんなクライアントの信頼を勝ち得ることができるのも、ビジネスとITのシナジーを熟知した上で結果を出し続けてきたからであろう。SOA(サービス指向アーキテクチャ)やEA(エンタープライズアーキテクチャ)などの時代の潮流を常にリードし続けていく気概がそこにある。

 では、これら3つのサービスを提供するために必要とされる人物像はどのようなものだろうか。

   求められる人物像とは?

 ウルシステムズでは、オブジェクト指向やJavaなどの技術用語をよく知っているだけでなく、クライアントのビジネスに対して仮説検証を行い、ロジカルに物事を考えていく力をもっている人が求められるという。

ウルシステムズの主席コンサルタント 林 浩一氏

 「UMLを知っている、オブジェクト指向で開発できる、モデリングのプロである、というだけで、顧客のビジネスを成功に導くことはできません。もちろんJavaや.NETをよく知っているだけでは業務改革に貢献することは難しい。顧客のビジネスの患部を発見し、どう悪いかを指摘するだけでもだめ。どこが悪いかは顧客自身がよく分かっています。顧客が知りたいのは、具体的にどう直したらよいか、なのです」(漆原氏)。

 クライアント側に立つためには、クライアントとのコミュニケーション能力に秀でていることが必要だ。また、クライアントの言葉の裏をうまくくみ取る能力も重要である。「ヒアリング能力に長けており、論理的にも物事を考えられる。それが本当のビジネスモデリングのコンサルタントです」(漆原氏)。

 さらに、オブジェクト指向に詳しいからといって、クライアントに対して強引にオブジェクト指向で物事を語るようではいけない。クライアントに対するサービス精神を持ち合わせている必要がある。クライアントの中に完全に入り込み、クライアントの名刺を持って動くことも多い。場合によっては、CIOやプロジェクトマネージャの支援も行う。「自社の製品の導入の指導とセミナーを技術コンサルと呼んで提供するケースは世の中に非常に多いですね。私たちが提供するサービスはそのようなレベルではなく、クライアント側の席に座り、ビジネスを確信するためにどんな技術が必要かを一緒に考えていきます。非常に高いコミュニケーションスキルと論理性が求められます」(林氏)

 では、モデリングのプロでなくても大丈夫なのだろうか。それについては「モデリングはテクニックです。必須となる能力はむしろ、物事を論理的に考える力があれば、モデリングは能力訓練ですぐに身に付きます」と平澤氏は強調する。「モデリングだけを楽しんでしまう技術者もよく見かけますが、結局効果が出せません。しっかりとプロジェクトゴールに向かって仕上げていくことを優先するのが“プラグマティックオブジェクト指向”の技術者です。そのためには課題を正確に把握し1つ1つ解決していく論理的思考能力が肝心です。」

 会社の雰囲気としては「相互研鑽(けんさん)しながら知的資産を生みだしていく風土を作っています。その目的は、ナレッジを共有することでわれわれなりのモデリングのノウハウを蓄積したり、会社としてのスコープを維持するためです。また、業界をけん引するという意味で、現場の技術者にはさまざまなメディアで記事を書かせています。自分の名前が出るとなると技術者は本当に真剣にやります」(平澤氏)

「お客さまの側に座るだけで違う世界が見えてきます。そんな仕事をしてみたい方に来ていただきたい。技術者として、またコンサルタントとして真価を発揮できる環境と仲間がウルシステムズにはあります」(漆原氏)。

 どうだろうか。クライアントの側に立ち、一緒に悩み、クライアントのビジネスをどう変え、どう実践し、どうITでそれを加速化させられるか。そういった要請に応えることのできる真のプロフェッショナルを、ウルシステムズは求めているのだ。

ウルシステムズ募集職種
業務分析コンサルタント
■業務内容
クライアントへのインタビュー、観察調査、資料調査などにより、対象業務・課題の可視化・優先度付け、解決策の立案、実行計画作成、実行支援を行う。
クライアントとのセッション・ヒアリングを通して、顧客の事業戦略、ビジネスモデルをモデル化する。モデリング手法・ツールとしては、UML、DOAなどを用いる。
ビジネスコンサルタント
■業務内容
業界知識や経験、業界別のソリューションを用いて、事業の課題分析、解決策立案、施策実施などを顧客チームと一体となって支援する。
プロジェクトマネジャー
■業務内容
コンサルプロジェクトにおいて提案活動、プロジェクト管理(クライアントリレーション、メンバー、スケジュール、収支、リスク、品質管理等)を行う。またクライアント企業のIT化計画の策定支援、プロジェクトコントロールの支援などを行う。
テクノロジコンサルタント (アーキテクト)
■業務内容
システムの要件定義と業務モデルをもとに個々のシステムのアーキテクチャを設計し、基幹業務システム構築を支援する。クライアントの技術者に対してフレームワークを使用した開発を技術指導する。
SE(コンサルタント候補)
■業務内容
コンサルタント候補として、まずはオープン系基幹業務システムの設計・開発に取り組んでいただき、将来はコンサルタントとして活躍いただくことを期待。
パッケージ導入コンサルタント(流通業向け次世代XML-EDIソフトウェア)
■業務内容
自社開発の流通業向け次世代XML-EDIソフトウェア(UMLaut/J-XML)をユーザー企業に導入するための支援コンサルティング活動全般。
パッケージ開発エンジニア
■業務内容
自社開発の流通業向け次世代XML-EDIソフトウェア(UMLaut/J-XML)の開発。

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注目企業インタビューIndex


ウルシステムズ株式会社
企画・制作:人財局
掲載内容有効期限:2004年7月25日

会社案内
■社名
ウルシステムズ株式会社(UL Systems, Inc.)

■所在地
〒104-6014 東京都中央区晴海 1-8-10 トリトンスクエア タワーX 14階

■設立
2000年7月25日

■代表者 代表取締役社長 漆原 茂

■資本金
3億円(2004年2月1日現在)

■事業内容
クライアントの競合優位を実現する「経営戦略」と「IT戦略」を現状分析から仮説検証、ビジネス・デザイン、ソリューション・インテグレーションまで包括的に支援するコンサルティング・サービスの提供。
-既存ビジネスの全体最適化
-新規ビジネスの構築支援/新ITシステムの策定
最先端の方法論とテクノロジーを駆使した基幹系ビジネスの構築支援。中立、独立なクライアント・サイドに立ったソリューション提供
採用条件
■給与 年俸制度
面接時にご経歴、実績、経験、知識にもとづき、弊社における職位、職種を確認させていただいたうえで、決定いたします。通勤交通費は実費支給

■賞与
年2回(6月、12月)

■福利厚生
各種社会保険等完備、ストックオプション制度(全社員対象)、団体福祉生命保険・長期所得補償保険制度

■就業条件
就業
裁量労働制休日
週休2日制(土、日)、祝日、年末年始休暇
年次有給休暇(初年度より20日/年間) 慶弔休暇

■勤務地
東京都中央区晴海(本社)


■応募方法

応募方法に関してはこちらをご覧ください