eラーニングのように場所を選ばず、集合研修のようにリアルタイムかつ双方向。2つのメリットが合体した「オンラインLive研修」が話題だ。この新しい研修形態をいち早く導入したCTCテクノロジーと富士通ラーニングメディアに、コースの内容とその特徴を聞いた。
■集合研修と変わらぬ価値で出張費を削減
「オンラインLive研修」が人気である。
図 オンラインLive研修(※クリックで拡大) |
スタジオにいる講師の講義をインターネットを介した生中継で、自宅や会社にいながら受講できる。拘束時間はオフラインの集合研修と同じ。受講者はヘッドセットを装着し、Webカメラの付いたPCで、講師と直接やりとりをしながら講義を受けることができる(図)。eラーニングのように学習場所が限定されることはない。一方で、集合研修で体験できる学習のリアルタイム性は保持する。eラーニングと集合研修の“いいとこ取り”を実現したこのような研修形態を本記事ではあえて「オンラインLive研修」と呼ぶことにする。このオンラインLive研修が昨今の教育業界を賑わせている。
研修を受ける側のメリットとして出張費の削減が挙げられる。地方所在の企業にとって、出張費は大きな負担だ。例えば、社員1人に1〜3日程度の集合研修を受けさせた場合、講義の値段よりも交通費・宿泊費の方が高くつくといったことさえある。「出張費がかからなければ、あと3人受けさせてあげられたのに……」といった教育担当者の苦悩は、このオンラインLive研修で解決できる。
もう1つ、オンラインLive研修は現代的な悩みの解決にも貢献する。新型インフルエンザ対策である。2009年、豚インフルエンザによって、一部地域の学校で講義が休講になったニュースは記憶に新しい。インフルエンザが蔓延すれば、当然、社会人向けの集合研修も実施できない。今後もインフルエンザの流行が危惧される中、外出せずに研修を受講できるオンラインLive研修は安全という観点で役立つ。
■プラットフォームにはテレビ会議システム「WebEx」を使用
このオンラインLive研修の導入を積極的に進めている2つの教育ベンダがある。CTCテクノロジーと富士通ラーニングメディアだ。両社は、WebEx(R)(*1)というWeb会議システムの仕組みを利用し、オンラインLive研修を提供している。WebExの優位性は大きく2つ。
(*1)WebExはシスコシステムズのWebコラボレーションソリューションです
1つは圧倒的なシェアだ。販売元のシスコシステムズによると「世界85カ国の3万6000社、常時10万人に利用され、99.999%の安定供給を維持する」。また、コンテンツはAESやSSLによって暗号化される。WebExのサーバ上には講義内容が蓄積されないため、不正アクセスや個人情報漏洩を未然に防げる。
トレーニング機能の充実も大きな特徴である。ファシリテーターを中心に全員が議論に参加することが前提になる会議と異なり、集合研修は講師による講義が中心。受講生はグループディスカッションをしたり、チャット機能や挙手機能を利用し、講師に質問ができるが、これらの機能はすべてにおいて講師が「蛇口」を握り、機能に制限をかけたり開放したりできる。ほかにも投票やポインタ、テスト、ホワイトボードなど、講義を円滑に進める機能がそろっている。
今回、オンラインLive研修をいち早く導入し、研修サービスとして提供しているCTCテクノロジーと富士通ラーニングメディアの2社に、コースの内容とその特徴について聞いた。
CTCテクノロジー |
■実機を使い、集合研修と同等のクオリティを提供
製品ベンダ研修をはじめ、IT入門やヒューマンスキルといったオリジナルコースも提供しているCTCテクノロジー。同社は現在、CCNAなどネットワークの講義で「ライブ配信研修」(=オンラインLive研修)を実施している。
CTCテクノロジー エデュケーションサービス部 プランニンググループ 萩原氏 |
同社のこだわりは、「実機を使った技術研修を集合研修と同クオリティで『ライブ配信研修』として提供すること」。同社 エデュケーションサービス部 プランニンググループ 萩原氏は「これはわれわれにとってチャレンジ。CTC"テクノロジー"の名のとおり、技術スキル研修にこだわっていきたい」と意気込みを見せる。遠隔地からリモートアクセスで、本社 東京・駒沢の機材にVPN環境でアクセスできる仕組みを作った。この仕組みは現在、ネットワーク構築の研修で使用しているが、今後はサーバ構築、ファイアウォール設定やデータベース構築などでも実現していく見通しだ。
また、受講生の見やすさを意識した結果、ホワイトボードを使った板書式の講義は行わず、板書内容はあらかじめプレゼンテーション資料にまとめるという工夫もしている。こうした取り組みについて萩原氏は「ライブ配信研修用に専用のコースを作るというよりは、いまある研修内容をすべて同クオリティでライブ配信でも提供できるよう仕組みを整えたい」という。1回の講義の人数は、実機を使った研修であれば15人程度と少人数。実機研修後の確認テストもWeb上で提供するそうだ。
同社が「ライブ配信研修」を開始したのは2008年10月。最初はテスト配信だった。テストでは、会場に受講生を集め、一斉に「ライブ配信研修」を実施。そこで上がった受講生の意見を今日まで1つ1つ解決してきた。
受講生の声には、「集合研修と変わらない」といったうれしい反応もあれば、「ずっと画面を見ているからか、集合研修よりも眠くなる」「ヘッドセットで耳が痛くなる」「ごくたまに音が途切れることがある」といった指摘もあった。
■CTCテクノロジーが提供する3つのスペシャリティ
そうした不満に応えるため、同社は独自に3つの工夫を考案した。
1つは、コマ割の工夫。長時間PCの前で目と耳を使うことに配慮し、休憩は集合研修よりも小まめに設定した。また現在、丸1日の研修を2日に分割するなど短時間化を検討中。通わなければならない集合研修と異なり、「ライブ配信研修」を1日でまとめる必要性はない。
2つ目は、録画サービス。「音が途切れた」「ネットワーク回線が切れた」といった万が一のトラブルに備え、録画した「ライブ配信研修」を受講後期間限定で見られるサービスを行う。
上記2つに関してはいつでも受けられるeラーニングの良いところを見習った形だ。また、講師以外にも運営マネージャが常駐し、トラブル対応において万全の体制を整えている。
3つ目はコスト。集合研修と同等の内容・クオリティにもかかわらず、集合研修よりも安価で提供する。安さの秘密は、会場費用と機材費用の削減にある。CTCテクノロジーは東京・駒沢に研修会場を常設しており、集合研修では会場費用と機材費用が価格に反映されているが、「ライブ配信研修」ならばその2つのコストをカットでき、その分、受講料を安くできるというわけだ。
また、客先での企業研修の際にかかる講師の出張費と機材の輸送代がなくなるため低価格での提供が可能になる。
「『ライブ配信研修』には、従来のeラーニングの延長という意識が残っている。受けてもらえば分かるが、これまでのeラーニングとはまるで異なる。まずは意識を変えたい」(萩原氏)。当面の目標は、「ライブ配信研修」を集合研修と違和感なく提供すること。そして、「ライブ配信研修」ならではの使いやすさを追求していく構えだ。
富士通ラーニングメディア |
■講師の豊富なノウハウが、インタラクティブで活発な講義を実現
富士通ラーニングメディアは、ITスキル研修からビジネス・ヒューマンスキル研修まで、常時1000コースを用意している総合人材研修企業。2009年6月に「遠隔研修」(=オンラインLive研修)を開始した。
同社の特徴は大きく3つ。
富士通ラーニングメディア コンテンツ部 米国PMI認定PMP 大木宏昭氏 |
1つは、「遠隔研修」提供開始当初から、カテゴリを限定せずコースを提供していることだ。十分なトライアル期間で一通りノウハウを築いてきたため、サービス開始時点で、入門・基礎レベルの集合研修を18コース「遠隔研修」として提供することができた。内容は、JavaやC、LANの設計、オブジェクト指向といったテクニカルなものから、プロジェクトマネジメント、リーダーシップ、ビジネス文書などビジネス・ヒューマンスキルまで多岐にわたる。現在の18コースを選択した基準について、同社 コンテンツ部 米国PMI認定PMP 大木宏昭氏は「集合研修で人気のあるコース」と説明する。
2つ目は、「遠隔研修」に必要な機材(PC、Webカメラ、ヘッドセット)と教材(テキストブック)をすべて会社もしくは自宅へ配送している点だ。PCにはWebEx環境、演習問題など必要な環境が用意され、受講生はネットワークにつなぐだけで授業を開始できる。
3つ目は、「遠隔研修」実施における講師の工夫(ノウハウ)が豊富であること。実は、早くに「遠隔研修」の可能性に気付いた同社は、2007年からグループ会社内で1年半ほどのトライアルを実施し、「遠隔研修」の提供に研究を重ねてきた。
その結果、提供するコースは集合研修と同じでも、講義の進め方は区別している。ヘッドセットを付けて長時間PC画面を見続ける「遠隔研修」は、集合研修よりも集中力を要するためだ。休憩を45分〜1時間ごとに、小まめに取るといった配慮のほか、受講生を疲れさせない、飽きさせない講義構成、雰囲気作りを意識している。
「遠隔研修」の進行は「講義タイプと演習タイプで異なる」と大木氏はいう。「リアルな集合研修では受講生の動きやざわめきといった空気で伝わるものがあるが、遠隔研修ではそれが分かりづらい」(大木氏)。例えば講義タイプでは、ラジオボタンの付いた投票機能を用い、ちょっとしたクイズやアンケートを取り入れるなど、集合研修よりもインタラクティブ性を出すことで、受講者の理解度を頻繁に確認している。正解率をグラフで表示し、共有するといった試みはWebならではだ。
また、スライド資料にアニメーションを使用したり、マーカーを引いたりして画面に動きを持たせ、受講生の意識をそらさない工夫もしている。こうした取り組みの結果、「遠隔研修に集合研修さながらの臨場感をもたらしている。ホワイトボードやプレゼンテーション資料、アプリケーション機能の切り替えなどが頻発するため、進行台本は集合研修よりもきっちり作りこんでいる。その甲斐あってか受講生からは「集中できたし、集合研修に比べて密度が濃い」といった反応を得られているとのことだ。
一方、演習タイプでは、講師が受講者1人1人の様子をWebカメラで見ながら授業を進める。演習状況は受講者から挙手やQ&A機能で伝えてもらう。そのため定員は15人と、通常の集合研修の半数以下である。演習の動作環境は配布されたPCにセットされているため、受講生はこなした演習課題をWeb上にアップすれば、講師がダウンロードしてレビューしてくれる。途中で作業が止まってしまったときは、WebExの挙手機能やQ&A機能を利用すればアドバイスを受けられる。
質問は講義中適宜、Q&A機能や挙手ボタンで受け付けている。集合研修と異なり、皆の前で発表するわけではないので、質問へのハードルは下がる。思いついたときに質問できるのもいい。講師が質問内容をチェックし、皆で共有した方がいいと判断したものに関しては公開し、回答する。「質問の数は集合研修よりも多い」と大木氏はいう。「遠隔研修」は受講者の意識を積極的にする。「遠隔研修」という新しい仕組みが活発な講義展開の実現を支援しているのかもしれない。
同社は今後、集合研修で人気のあるコースから順次「遠隔研修」を展開していく予定だ。
特集スポンサー
社名 |
|
||
資本金 | 4億5000万円 | ||
設立 | 1990年4月6日(創業1972年4月) | ||
本社所在地 | 東京都千代田区富士見1-11-5 栗田九段ビル | ||
株主 | 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(100%) | ||
役員 | 代表取締役社長 朝比奈俊和 |
コース名 | 期間 | 受講料(税込み) | 日程 |
CCNA再認定対策コース | 3日間 | 10万5000円 | 8月11〜13日、9月9〜11日 |
Catchup CCNA | 5日間 | 15万7500円 | 10月5〜9日 |
Network First Step | 2日間 | 5万2500円 | 随時Webページにて公開 |
セキュリティ入門 | 2日間 | 5万2500円 | 随時Webページにて公開 |
Linux入門 | 2日間 | 5万2500円 | 随時Webページにて公開 |
VoIP基礎 | 2日間 | 5万2500円 | 随時Webページにて公開 |
仮想化入門 | 1日間 | 3万1500円 | 随時Webページにて公開 |
Ruby on Rails入門 | 2日間 | 5万2500円 | 随時Webページにて公開 |
無料セミナー開催のご案内
社名 |
|
||
設立 | 1977年6月30日 | ||
所在地 | 東京都港区港南 2-13-34 NSS-II ビル | ||
資本金 | 3億円 | ||
代表者 | 代表取締役社長 岡田恭彦 |
第1段 提供コース
コースコード | コース名 | 期間 | 受講料 (税込み) |
開始日 |
UAP06R | プロジェクトリーダーのための心理学〜基礎編〜【遠隔研修】 | 1日間 | 4万4100円 | 7月24日 |
UFN01R | プログラミング入門(Java編)【遠隔研修】 | 1日間 | 2万9400円 | 8月18日 |
UZL01R | COBOLプログラマのためのJavaプログラミング入門【遠隔研修】 | 1日間 | 2万9400円 | 9月4日 |
UUA05R | Access入門【遠隔研修】 | 2日間 | 6万4050円 | 9月10日 |
UUF01R | AccessユーザーのためのVBAプログラミング基礎【遠隔研修】 | 2日間 | 7万5600円 | 10月1日 |
第2段 提供コース
コースコード | コース名 | 期間 | 受講料 (税込み) |
開始日 |
UZE01R | 現場力養成!若手社員の仕事術〜ビジネス文書編〜【遠隔研修】 | 1日間 | 3万1500円 | 8月4日 |
UAW01R | ITサービスマネジメント基礎ワークショップ(ITILv3対応)【遠隔研修】 | 3日間 | 11万4450円 | 8月11日 |
UUL01R | VBプログラミング入門(制御文法編)【遠隔研修】 | 1日間 | 3万5700円 | 8月17日 |
UAV03R | オブジェクト指向基礎 〜基本概念とUML〜【遠隔研修】 | 2日間 | 7万9800円 | 8月20 |
UAP09R | プロジェクトマネジメントの技法【遠隔研修】 | 2日間 | 6万8250円 | 9月1日 |
UBL85R | C言語プログラミングの基礎【遠隔研修】 | 3日間 | 7万9800円 | 9月7日 |
UUW01R | 基礎から学ぶシステム運用管理・実践トレーニング【遠隔研修】 | 2日間 | 6万8250円 | 9月14日 |
UBD01R | データベース基礎【遠隔研修】 | 2日間 | 5万2500円 | 9月17日 |
UJE01R | LANの設計演習・実践トレーニング【遠隔研修】 | 2日間 | 6万8250円 | 9月24日 |
UJE02R | ネットワークの基礎【遠隔研修】 | 2日間 | 5万2500円 | 9月29日 |
UAS95R | システム要件定義の基礎【遠隔研修】 | 2日間 | 7万9800円 | 10月15日 |
提供:シーティーシー・テクノロジー株式会社
株式会社富士通ラーニングメディア
企画:アイティメディア営業本部
制作:@IT自分戦略研究所 編集部
掲載内容有効期限:2009年11月14日
特集スポンサー
社名 |
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資本金 | 4億5000万円 | ||
設立 | 1990年4月6日(創業1972年4月) | ||
本社所在地 | 東京都千代田区富士見1-11-5 栗田九段ビル | ||
株主 | 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(100%) | ||
役員 | 代表取締役社長 朝比奈俊和 |
コース名 | 期間 | 受講料(税込み) | 日程 |
CCNA再認定対策コース | 3日間 | 10万5000円 | 8月11〜13日、9月9〜11日 |
Network First Step | 2日間 | 5万2500円 | 随時Webページにて公開 |
Catchup CCNA | 5日間 | 15万7500円 | 10月5〜9日 |
セキュリティ入門 | 2日間 | 5万2500円 | 随時Webページにて公開 |
Linux入門 | 2日間 | 5万2500円 | 随時Webページにて公開 |
VoIP基礎 | 2日間 | 5万2500円 | 随時Webページにて公開 |
仮想化入門 | 1日間 | 3万1500円 | 随時Webページにて公開 |
Ruby on Rails入門 | 2日間 | 5万2500円 | 随時Webページにて公開 |
無料セミナー開催のご案内
社名 |
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設立 | 1977年6月30日 | ||
所在地 | 東京都港区港南 2-13-34 NSS-II ビル | ||
資本金 | 3億円 | ||
代表者 | 代表取締役社長 岡田恭彦 |
第1段 提供コース
コース名 | 期間 | 受講料 (税込み) |
開始日 |
プロジェクトリーダーのための心理学〜基礎編〜【遠隔研修】 | 1日間 | 4万4100円 | 7月24日 |
プログラミング入門(Java編)【遠隔研修】 | 1日間 | 2万9400円 | 8月18日 |
COBOLプログラマのためのJavaプログラミング入門【遠隔研修】 | 1日間 | 2万9400円 | 9月4日 |
Access入門【遠隔研修】 | 2日間 | 6万4050円 | 9月10日 |
AccessユーザーのためのVBAプログラミング基礎【遠隔研修】 | 2日間 | 7万5600円 | 10月1日 |
第2段 提供コース
コース名 | 期間 | 受講料 (税込み) |
開始日 |
現場力養成!若手社員の仕事術〜ビジネス文書編〜【遠隔研修】 | 1日間 | 3万1500円 | 8月4日 |
ITサービスマネジメント基礎ワークショップ(ITILv3対応)【遠隔研修】 | 3日間 | 11万4450円 | 8月11日 |
VBプログラミング入門(制御文法編)【遠隔研修】 | 1日間 | 3万5700円 | 8月17日 |
オブジェクト指向基礎 〜基本概念とUML〜【遠隔研修】 | 2日間 | 7万9800円 | 8月20 |
プロジェクトマネジメントの技法【遠隔研修】 | 2日間 | 6万8250円 | 9月1日 |
C言語プログラミングの基礎【遠隔研修】 | 3日間 | 7万9800円 | 9月7日 |
基礎から学ぶシステム運用管理・実践トレーニング【遠隔研修】 | 2日間 | 6万8250円 | 9月14日 |
データベース基礎【遠隔研修】 | 2日間 | 5万2500円 | 9月17日 |
LANの設計演習・実践トレーニング【遠隔研修】 | 2日間 | 6万8250円 | 9月24日 |
ネットワークの基礎【遠隔研修】 | 2日間 | 5万2500円 | 9月29日 |
システム要件定義の基礎【遠隔研修】 | 2日間 | 7万9800円 | 10月15日 |