“共に解決する”姿勢が生んだ独自性
「いつも依頼が絶えない」
DBプロフェッショナル集団の創り方
エンジニアの96%がORACLE MASTER Silver以上を取得しているという、「データベースのプロフェッショナル集団」がいる。コーソルは、DB技術に特化した企業で、エンジニアのほとんどがDBに深く精通している。「不況下でも常に依頼が絶えない」コーソルの秘密に迫る。 |
「Oracleデータベース(以下、DB)のトラブル時に、技術支援をしていただける会社を探しています。御社で対応可能かどうか、お話を伺えませんか」
「取引先のシステムでOracle DBのトラブルが発生したのですが、手を尽くしても解決できず、大変困っております。原因調査と対処方法のアドバイスをお願いできませんか」
これらは、コーソルがホームページ経由で受けた問い合わせの一例だ。コーソルは、Oracle DB技術に特化したプロフェッショナル集団である。エンジニアの96%がORACLE MASTER Silver以上(うち9名はORACLE MASTER Platinum)を保有し、技術書の執筆やOracle技術に関する講演を行うなど、その技術力の高さには定評がある。多くのIT企業は、不況の影響を受けてエンジニアの仕事が減ったが、同社は積極的な営業活動をしなくとも「常に人手不足」だというのだから驚きである。
「知る人ぞ知る」企業、コーソルの強さの秘けつは何なのか。
デスマーチを生まない理由 | ||
コーソル代表取締役の金山俊明氏の答えは「“真の顧客満足”を追求しているから」と、至ってシンプルなものだった。
「“顧客満足”というと、とにかく顧客に追従することだというイメージを持つ人が多いかもしれません。しかし、顧客の意見に耳を傾けることと、いいなりになることは違います」と、金山氏は主張する。
「無理な納期を指示され、徹夜続きで納品した」「納品日直前に新たな要望を出され、予算や人手が増えないまま対応せざるを得なかった」「エンジニアの意見を聞かず、営業サイドが安請け合いしてしまった結果、トラブルに」……顧客からの厳しい要求により、エンジニアが過酷な労働環境に追い込まれる話は枚挙にいとまがない。顧客からの要望が合理的なものであり、顧客と技術的な側面を含めた議論が十分できればよいが、現実はなかなかうまくいかない。
金山氏は、「競合の多い市場で勝負をする場合、どこまで値引きをするか、いかに融通が利くかが極めて重要」と指摘する。一方、コーソルは『DB+サービス』という競合が少ない市場でビジネスを行っているため、過剰な値引き合戦や顧客追従に陥ることなく、顧客の“パートナー”として、共に問題解決に当たれるのだという。
「お客さまとコーソルは、共に働き(CO-Work)、共に解決(CO-Solutions)する間柄です。お客さまの『困った! 何とかして!』という要望に対して、共に問題のボトルネックを突きとめ、議論し、技術を用いて共に解決していく。その結果、『コーソルに相談すれば解決できる』『コーソルに聞いてみてよかった』と思っていただける……わたくしが考える“真の顧客満足”とは、ごくシンプルなことです」
「未経験から、DBエンジニアを育てる」会社を創る | ||
「コーソルに相談すれば解決できる」という評判は、「DB技術+サービス」という独自性を持ち、代替困難なポジションを獲得しているからこそ得られる評価だろう。同社は、どのようにしてその希少なポジションを獲得したのだろうか。
「最初から希少なポジションを獲得していたわけではないんですよ」
金山氏からは意外な答えが返ってきた。
コーソルは、2004年4月に金山氏が数名のエンジニアと共にスタートした企業である。もともと金山氏は人事畑の人間だったが、縁があって日本オラクル社で仕事をした際、Oracle DB技術とDBエンジニアの重要性を知ったのだという。
「DBエンジニアを育てる環境がないため、数少ないDBエンジニアを他社と奪い合って商機を逃してしまう……こうした企業を数多く見ました」と、金山氏は当時を振り返る。だが、実は全国にはORACLE MASTER保有者が当時14万人もいた。にもかかわらず、未経験者を受け入れる企業がほとんどなかったため、DBエンジニアとして就業できていたのはごく一握りの経験者のみ、という状況だったという。
DBエンジニアとして働きたい人と、DB技術による問題解決を求める企業、両者をつなぐ仕組みとして「DBエンジニアを育てる環境」を創りたいと思い、金山氏はコーソルを設立した。
両者の問題を解決する――“共に解決する(CO-Solutions)”というコーソルの企業理念は、設立当時から徹底していた。以来、同社は、常に不足しているDBのプロフェッショナルを育成し、質の高いサービスを提供し続けることをミッションとしている。
DBのあらゆるトラブルに対応できる「プロ」を育てる | ||
現在のポジションを獲得できた大きな要因は、現在売り上げの7割強を占める「サポート事業」だ。サポート事業とは、Oracle DB製品のサポートアナリストとして、全国のシステム設計・開発担当者、運用管理者やコンサルタントなどから技術的な問い合わせを受け、解決策を提案する業務である。このサポート事業は「コーソルの事業にとってもエンジニアにとっても非常に重要」と、金山氏は主張する。
「サポート業務は、DBを極めるにはうってつけのポジションです。サポート業務を通じて、広くて深い技術力、分析力、論理的思考力や提案力、交渉力など、幅広いスキルを身に付けることができます」
サポートという職種柄、エンジニアはあらゆる事象を経験できる。例えば、システム運用の現場ではめったに経験することがないトラブルシューティングなども、サポートでは頻繁に対応するため、「経験に厚みが出る」という。また、サポートは常に最先端の技術を習得することが求められる。サポートを経験したエンジニアが、設計・構築や運用管理(DBA)などの案件を対応すると、「この人に聞けばDBのことは分かる」という高い評価を得られる理由はここにあると、金山氏は語る。
こういった評価の積み重ねが問い合わせや引き合いを増やし、結果として希少なポジションの獲得につながった。
エンジニアが積極的に情報発信する環境 | ||
対外的な評価は、エンジニアの自信とモチベーション向上に直結している。エンジニアのモチベーションは総じて高く、コーソルには皆が技術情報を交換し合う風土があるという。
同社では、チーム内勉強会や社内wiki、掲示板にメルマガ、全社を対象とした技術セミナーなど、エンジニア発の情報が非常に多い。会社発の研修ももちろんあるが、それを圧倒的に上回る量の情報発信が日々行われている。
金山氏は、「未経験者の採用、育くれることは極めて重要だ」と強調する。
顧客から高い評価を得る、技術力の底上げをする、書籍執筆などを通じて広報的な役割を担う――エンジニア1人ひとりが自分なりの方法で力を尽くすことで、新しい引き合いに繋がる。エンジニアの力が会社の成長に直結しているといえるだろう。
“共に働き”“共に解決”という理念のもと、未来を創る | ||
エンジニア1人ひとりの活躍と成長によって、「DBの専門家集団」という希少なポジションを獲得したコーソル。設立以来、同社は大手企業からの案件を着実に対応し、拡大する体制を整えてきた。今後の事業展開について、金山氏は「リーマンショック以降、ディストリビュータ系企業やエンドユーザーとの取引を広げている」と語る。
ディストリビュータ系企業とは、これまでOracle DB製品のライセンス販売のみを行い、製品サポート事業を行っていなかった企業のことを指す。昨今の不況で、売り切りビジネスは厳しい状況にさらされている。しかし、サポートやサービス事業を始めたくても、対応できるDBエンジニアが不足しているか、もしくは不在であることが多い。これらの企業がDBエンジニアを採用・教育するためには、莫大なコストと時間が掛かる。コーソルは、これらのディストリビュータ系企業のサポートやサービス事業の立ち上げを支援している。
また、エンドユーザーからの「必要なときだけ支援してほしい」「直接システムを見てほしい」といった要望にも対応している。ランニングコストを抑えられるよう、チケット制DBAサービスを立ち上げ、DB診断やチューニング、技術調査など幅広いメニューを用意しているという。
どの事業も、“共に解決(CO-Solutions)”という思いから生まれた事業である。そして、今後もこの姿勢を貫くと、金山氏は意気込みを見せる。
「IT業界は移り変わりが激しいため、将来のことはよく分かりません。ただ、今後もお客さまと“共に働き”“共に解決”しながら、真の顧客満足を得られるようなサービス提供をしていく。これだけは確かです。そのための成長と努力を怠らない企業であり続けたいと思っています」
提供:株式会社コーソル
企画:アイティメディア営業企画
制作:@IT自分戦略研究所 編集部
掲載内容有効期限:2011年2月27日
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