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第52回 分かって! エンジニアが求める福利厚生ベスト3

Tech総研
2007/11/13

社員食堂やスポーツクラブの優待など、会社ごとに異なる福利厚生のメニュー。だがエンジニアは福利厚生に何を望んでいるか?(Tech総研/リクルートの記事を再編集して掲載)

  はじめに
エンジニア300人に質問! 「福利厚生ってどう思う?」

 いま、エンジニアを取り巻く福利厚生はどうなっているのか。Tech総研では、IT・モノづくり系エンジニア300人に対してアンケートを実施。レポートの前半では、福利厚生の実際の活用傾向を通して、エンジニアの福利厚生とのつき合い方を探った。後半ではエンジニアが切望する「夢の福利厚生像」を紹介。エンジニアが心から求めている「福利厚生」とは?

その1 エンジニアは福利厚生をこう考えている

 まず、福利厚生に対する関心と理解について聞いてみた。グラフが示すように半数近くが「関心はあるがよく知らない」という状況である(図1)。「関心あり」と答えた人の割合は73.6%とかなり高い。しかし具体的な提供内容については、62.0%がきちんと理解していないという結果だった。

図1 会社の福利厚生についての関心・認知度

 知らない理由としては「忙しすぎて調べる暇がない」が多く、知りたいと思っても「どこで聞いたらよいか分からない」という意見もあった。積極的に調べて活用する人たちがいる一方、制度に期待はしているが、受けられるサービスの内容や手続きについては、企業側から積極的な情報提示がない限り、知らないままで過ごす人も多いようだ。

 職種別で見た場合、IT系のエンジニアはモノづくり系よりも関心が少し高い傾向にあった。理解度ではIT・モノづくりに大きな違いは見られなかった。

よく知らない
「得な情報や便利な情報があるのは分かるが、時間がなくて、調べたりすることができない」(36歳 運用監視)
「有効に利用したいと思っているが、会社からも特に説明がないため把握できていない」(37歳 Web・オープン)
よく知っている
「普段の仕事が忙しい分、休日は子どもたちとたっぷり楽しみたいので、関心は高いです。&会社側が積極的にアナウンスしてくれるので、労せず情報を得られます」(38歳 制御設計)
「一般的なサービスと比べると会社の福利厚生サービスの方が圧倒的にいいし整っているので、利用漏れのないように必ず調べて使います」(36歳 品質管理)


その2 エンジニアの福利厚生、みんなの活用事情はこうだ!

活用経験

 1位は「健康」に関するもので、半数以上に活用経験がある(図2)。毎年社員の健康診断を実施する企業が多いことからもうなずける結果だ。2位は「住宅」。会社が用意した社宅や寮を活用するエンジニアが少なくないことがうかがえる。3位は「レジャー・リラクセーション」。これは保養所やスポーツジムなどを割引価格で活用できるサービスが一般的だろう。

図2 活用したことのある福利厚生制度やサービス

 職種別で見ると、モノづくり系エンジニアの活用が目立つ。「ファミリーケア」とした育児支援や託児所サービスの活用度がIT系に比べ非常に高く、「生活支援」である社員食堂や自社製品購入割引などの利用も目立った。大手企業に代表される、昔から福利厚生の充実に力を注いできたモノづくり系企業ならではだろう。

満足度

 今度は満足度について見てみよう。「非常に満足」+「満足」で12.6%と、全般的な満足度はそれほど高くないようだ(図3)。「不満」+「非常に不満」は35.6%となり、上記の満足度の2.8倍だ。

図3 会社の福利厚生制度・サービスに対する満足度

 不満の理由としては「種類が少ない」「内容がいまいち」といったものが多い。前項で調査した理解度に満足度が比例する傾向があり、サービス内容をよく知らないため不満を感じているケースもありそうだ。

 職種別ではモノづくり系の「満足度」はIT系の2倍。活用経験でIT系を上回ったモノづくり系は満足度も上だ。モノづくり系エンジニアの方が福利厚生をよく使い、しかも満足しているといった状況である。

満足!
「種類も豊富であり、金銭的にも優遇されるケースがある」(29歳 生産技術、プロセス開発)
「かなり充実していると思う。ただポイント制で制限があるので使いにくい点もある」(36歳 通信インフラ設計・構築)
不満足!
「現実的には利用する機会がなく、加入料金がムダに感じる」(34歳 汎用機)
「種類が少ないし、利用できる条件が複雑で、時間があるときじっくり調べてからでないと利用しづらい」(38歳 Web・オープン)


その3 エンジニアはこの福利厚生を使いたい!

 次に、今後使いたい福利厚生サービスについて聞いた。ここではあえてその2と同じ選択肢を使った。結果は1位「健康」、2位「レジャー・リラクセーション」、3位「自己啓発」(図4)。前項の活用経験で2位だった「住宅」に代わり、「自己啓発」がベスト3にランクインしている。資格取得意欲が盛んなエンジニアならではといったところだろうか。1位の「健康」については、エンジニアの健康への関心の高さがうかがえた。忙しさで体調管理がままならず、成人病やメンタルヘルスに不安を感じている人が多い。何らかの対策を福利厚生で実現してほしいという意見が目立つ。

図3 会社の福利厚生制度・サービスに対する満足度

 職種別に見た場合、モノづくり系での「生活支援」への活用意向が高い。これは実際の活用経験でも、モノづくり系のポイントが高かった項目である。「生活支援」として代表的な社員食堂や自社製品購入割引はモノづくり系でよく使われており、今後も支持され続けるサービスだろう。

健康
「定期的に健康診断のお知らせがくるので利用しやすい。受診料の負担がなく、予約を代行してくれる点がよい」(35歳 パッケージ)
レジャー・リラクセーション
「リゾート施設を会社が持っていて安く泊まれるので、家族などが来たときに使いたい」(31歳 機械・機構設計)
自己啓発
「自己啓発はモチベーション維持に有効。会社による費用や環境の支援はさらに効果的」(39歳 回路・システム設計)


温泉? シリコンバレー? エンジニア「夢の福利厚生像」とは  

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