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転職目的別・これが私の生きる道

第9回 ITエンジニアの望み。尊敬できる仲間と仕事がしたい

アデコ 大田耕平
2009/1/21

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目的別の実例を挙げながら、転職における成功・失敗の要因を探る。皆さんの参考となる「道」を探してほしい。

 いろいろな会社の人と仕事をしていて、「あの会社の人たちはかっこいいな、尊敬できるな」と思うことはありませんか。「それに比べて、うちの会社の人の考え方には納得できないな」と思うことも、時にはあるかもしれません。

 価値観は人それぞれです。同じ会社に勤める仲間であっても、違う考え方を持っていて当たり前です。しかし、自分の考えと周囲の考えがあまりにも異なり、尊敬できる人もおらず、それが原因で自分自身の良さを表現できていない、成長に歯止めがかかっていると思うようなら、一度立ち止まって考えてみることも必要でしょう。

 今回は、「尊敬できる仲間と仕事をする」ことをテーマに転職活動を行い、みごと成功させた2人のITエンジニアの例を紹介します。

本山さんの漠然とした不安

 本山さん(仮名)は小規模のシステム開発会社に勤める29歳のITエンジニアです。大学は文系でしたが、入社以来熱心に技術知識や業務知識を習得し、開発現場の第一線で活躍してきました。入社3年目からは一貫してERPパッケージの導入プロジェクトにかかわり、それから4年ほどが経過していました。担当するモジュールは人事と会計が多く、複雑な業務知識をしっかりと身に付け、クライアントから高い評価を受けていました。

 そんな本山さんなのですが、30歳を目前にして、今後どのようなキャリアを積んだらいいか悩むようになったそうです。具体的な考え、例えば最新の技術を習得してテクニカルスペシャリストになりたいとか大規模案件のプロジェクトマネージャとして活躍したいとかがあるわけではないといいます。ただ漠然と「このままではいけない、30歳になるまでにハッキリさせなくては!」という危機感を持ったそうです。

 私が本山さんのキャリアカウンセリングを始めたのは、本山さんが悩み出してから半年ほどたってからのことでした。私は、本山さんが何を不安に感じているのか、あらためて聞いてみることにしました。

尊敬できる仲間と、緊張感を持って仕事したい

 本山さんは不安そうな表情で、現状について話してくれました。「全力を出しきれていないというか、緊張感を持って仕事に臨めていないのです」

 仕事内容を確認したところ、要件定義から実装まで幅広く携わることができているようでした。本人も業務内容に大きな不満があるわけではないといいます。しかしながら、プロジェクトでは自社から自分のみが参加することが多く、仕事ぶりを客観的に評価してくれる上司がいないことが気になると本山さんは話します。クライアントからそこそこ評価され、それで満足してしまっている現状が不安だとのことでした。

 「この会社にいても、自分の力を試せないのではないかと思ってしまうのです」と本山さんはいいます。「尊敬できるような仲間に囲まれ、緊張感があるところで働いてみたい。自分はどこまでできるのか限界にチャレンジしてみたい。そう思うのです」。しかし所属している会社では、そのような環境に身を置くことは難しいようです。

 では、尊敬できる仲間がいて緊張感がある職場とは、どのようなところなのでしょう。具体的なイメージはあるのかを聞いてみました。本山さんは考えながら話し始めました。「以前アサインされていたプロジェクトは大規模案件だったこともあり、さまざまな会社のチームがいて、間近で作業を見ていました。その中で一番能力の高い人がいて、責任感と緊張感を持って仕事を進めているなと思ったのは、コンサルティングファームです」

コンサルティングファームへの挑戦

 話しながら、本山さんの目に真剣さがあふれてきました。コンサルティングファームはプロ集団というイメージで、本山さんがぼんやりと希望していた環境とまさに合致しているとのことだったのです。

 確かに、上昇志向や成長意欲が高いコンサルティングファームであれば、尊敬できる仲間と緊張感を持って働けるかもしれません。しかしキャリアチェンジには、現実とイメージとのギャップによる落とし穴があります。私はコンサルティングファームの仕事のスタイルやキャリアパスについて、さまざまな観点から情報を提供しました。

 それらによって、かえって本山さんの志望度合いは高まったようです。「リスクはありますよね。でも挑戦することは、いまの自分から抜け出せる大きなきっかけになると思います」。不安そうだった本山さんの顔つきは、大きな決心を秘めたものに変わっていました。

 こうして本山さんのITコンサルタントへの転職活動がスタートしました。実際に選考に進むに当たっては、あらためてITコンサルタントの仕事のスタイルを確認し、なぜコンサルティングファームなのか? 将来はどうなりたいのか? ということと面接でのアピールポイントを整理しました。そしていざ面接へ。しっかりとした準備が功を奏し、いままでの経験も評価されて、3社から内定を得ることができたのでした。

 入社して2カ月後、本山さんから近況報告が届きました。前職とは180度違う仕事のスタイルに最初は戸惑ったものの、いまは尊敬できる仲間と張り合いながら、刺激的で充実した毎日を過ごしているとのことです。

もっと技術力を評価してほしい村木さん  

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