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基本から始めよう 初心者のための転職テクニック:実践編

第4回 企業は応募書類のここを見ている

キャプラン
田中真路
2005/6/7

転職を決意しても、実際にはどこから手を付けていいか分からない……。そんな転職初心者のために、選考段階から内定、退職、入社に至るまで、転職の各局面の重要なポイントを解説する。ここだけは押さえて転職を成功させよう

 今回は、実際に求人企業へ応募する際の「応募マナー」に焦点を絞りました。企業へ直接応募する場合、人材紹介会社経由で応募する場合について、知っておくべき応募のマナーについてお話ししたいと思います。

企業へ直接応募:イージーミスなく丁寧かつ正確に

 企業へ直接応募する場合、手段は大まかに3つに分類できます。

  1. 企業のサイトや転職サイトのフォームから応募
  2. メールで応募
  3. 郵送で応募

それぞれについていくつか注意点を述べたいと思います。

 1.企業のサイトや転職サイトの応募フォームを使う場合

 定型フォームに応募者が必要事項を記入して送信するタイプです。希望職種、職務経歴、連絡先などの応募者の情報に加えて、志望動機や自己PRなどを記入します。履歴書と職務経歴書を合わせて簡潔にしたものと考えればよいでしょう。

 ここでの注意点は、的確な内容で、不備のないようにすることです。自己PR部分では、得意とするスキルとその経験について、読みやすく、簡潔にまとめた文章にすることも大切です。

 応募フォームは記入項目が分かれているため、それに従って記入すればいいのですが、必要事項を記入するだけでは応募者独自のPRにはなりません。自己PR欄など、自由に書き込みができる項目については、最大限に活用しましょう。

 企業側も特に任意記入欄に注目しています。無駄なく簡潔に、かつ自分の思いが伝わるよう、文章を工夫しましょう。

 2.メールで応募する場合

 応募フォームと異なり、自ら必要項目を選択のうえ、見やすく分かりやすい構成と文章にする必要があります。

 件名は、すぐに応募メールと分かるものであることが大切です。企業より件名の指定がある場合はそれに従い、指定のない場合は「○○誌○月○日掲載のSE職に応募いたします」のように、求人を知った媒体と応募職種を書くなど、応募の趣旨が一目で伝わるようにしましょう。

 本文には、基本的には初めに名前や性別、生年月日などの個人データをまとめて記載し、その後で簡単な職務経歴を書くと分かりやすいでしょう。ただ、履歴書や職務経歴書を添付する場合がほとんどですので、文章はあまり長くせず、ポイントを押さえた形にすることが望ましいです。そしてメールには必ず希望職種と志望理由を記載し、なぜメールを送っているのかを簡潔かつ分かりやすく伝えるとともに、応募の熱意をアピールしてください。

 3.郵送で応募する場合

 昨今はメールが普及していますが、企業によっては職務経歴書や履歴書の郵送で応募を受け付けるところもあります。郵送マナーは社会人の一般常識です。イージーなミスをして書類選考で落とされないようにしてください。企業の求める提出書類に漏れがないよう確認のうえ、特に指定がなくても自己PR文書を添えると、熱意が伝わり好印象です。

 企業には毎日何百、何千という郵便物が届いています。ほかの部署の郵便物に紛れることのないよう、あて名には募集要項に記載されている採用担当部署や担当者名まで、必ず明記しましょう。

 応募後、企業からメールなどで連絡が入ります。もし面接など次のステップへの案内に関するメールが届いたら、面接の時間をもらえるお礼を述べ、希望日程を速やかに伝えてください。その時点でスケジュールの調整ができない場合でも、まずは返信をして調整が困難であることを述べつつ、後日連絡する旨を伝えてください。

 その後のプロセスにおいても、応募企業からの連絡に対しては極力間を空けずに返信し、コンタクトを密にするように心掛けてください。また、書類選考で縁がなかった企業に対しても、お礼の連絡を入れるようにしてください。企業から選考結果の連絡がない場合は、メールもしくは電話で直接確認を取りましょう。

人材紹介会社経由で応募:綿密なコミュニケーションを意識して

 ここではキャプランでのプロセスを基に、人材紹介会社経由での応募プロセスの一例をお話しします。

 人材紹介会社へのコンタクト方法としては、電話やメールもありますが、人材紹介会社のホームページや転職サイトからの登録が一般的でしょう。企業へ直接応募する際のフォームに似ていますが、直接応募と異なるのは、ご自身の職務経歴や、転職希望理由、希望業種・職種、希望勤務地、希望年収などをできるだけ詳細に伝えることです。

 人材紹介会社のコンサルタントは、登録情報を基に経歴や希望に合った求人案件を準備します。詳細な情報の提供がないと、質の高いサービスを提供することが難しくなってしまいます。明確になっている点、迷っている点、分からない点もすべて含め、転職に関するご自身の情報を伝えることが、人材紹介会社を有効活用する第一歩です。

 登録が完了したら、応募書類を提出します。その書類を基に登録者の方を企業に推薦しますので、早めの提出をお勧めします。企業によりよいアピールをするためのアドバイスとして、書類の修正依頼が入ることもあります。

 必要があれば電話でのヒアリングや、来社での面談を提案されることもあります。人材紹介会社がより深く経歴や希望を知るための手段です。担当のコンサルタントから電話や面談について希望日時を聞かれたら、スケジュール調整後、早めに回答することをお勧めします。スケジュール調整が難しい場合や、あいまいな場合でも、一度連絡をした方がよいでしょう。急に予定日時の都合がつかなくなった場合、早めに連絡することもマナーの基本です。

人材紹介会社利用のメリット

 履歴書、職務経歴書を送付し、一通り基本情報を開示した後、求人案件の紹介メールが届きます。その際は応募意思の有無にかかわらず、返信するようにした方がよいでしょう。求人案件の紹介連絡に何の返信もいただけないと、どのような求人を希望されているのかが分からず、その人に合った求人を紹介することが難しくなってしまいます。応募意思のある場合は先方への紹介を依頼し、応募意思のない場合はその理由を明確に伝えておけば、参考情報として今後案内する求人情報に反映させることができます。人材紹介会社の活用法について、より詳しくは本連載第2回「人材紹介会社は強力な転職ツール」を参考にしてください。

 企業への応募後、書類選考が通った場合、人材紹介会社より面接日程調整の連絡が届きます。面談時の日程調整と同様、なるべく早く正確に日程をお伝えください。人材紹介会社とのコミュニケーションがうまく取れないなどの理由で時間を費やしますと、応募企業の印象にも影響を与えかねませんのでご注意ください。

 応募マナーの観点から、企業への直接応募と人材紹介会社経由での応募を比較した際、最も大きな違いは「応募企業の選考への影響度」です。

 企業へ直接コンタクトを取る際は、応募に限らずさまざまな局面でのマナーも選考対象となり、ちょっとしたミスで企業に悪い印象を与えてしまうなど、選考に影響が出る場合があります。その点、人材紹介会社経由で応募をすれば、もしミスをしてしまっても、相手が応募企業ではないので選考への影響はありません。また人材紹介会社を相手にご自身のマナーを見直すいいトレーニングとなります。そこにも人材紹介会社を利用するメリットがあるのではないかと思います。ぜひ実践してみてください。

転職を機にマナーをチェック

 以上、応募のマナーに焦点を絞ってお話ししました。

 相手が応募企業であれ、人材紹介会社の担当コンサルタントであれ、マナーにはそう大きな違いはないと思います。普段お仕事をされている皆さんが、お客さまや職場の方々、関連会社の方々と行っていることです。

 マナーは一朝一夕に身に付くものではありませんが、転職活動を機にご自身の「マナー度」をチェックしてみるのもいいかもしれません。

筆者プロフィール
キャプラン
田中真路氏

神奈川県出身。大学卒業後、国内SI企業に入社。販売管理システムやテナント管理システムの営業に従事。キャリアプランを模索する中で、自身と同様キャリアに迷う「人々」と「仕事」を結ぶキャリアカウンセリングに興味を持ち転職、現在に至る。IT業界の営業職、技術職を担当。転職における支援だけでなく、将来のキャリアプランまで含めたカウンセリングを心掛けているという。現在、@ITジョブエージェントのパートナーとしても活躍中。
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