第4回 「なぜ自分は決断できないのか?」の原因を探る
樋口研究室
山口紀子
2010/11/17
「決断ができない……」と悩んでいる人はいないだろうか。決断できないのはなぜなのか、ビューチェンジを使って原因を探ってみよう。 |
樋口研究室に通う女性エンジニアの竹田さん(仮名)は、ITサービス企業に入社して10年目。最近はサブリーダーを任されることが増え、張り切って仕事をしています。
そんな竹田さんには、少し心配なことがあります。それは、自身の「決断力や実行力のなさ」です。竹田さんは決断や実行が必要なタイミングで何度もチャンスを逃しているようです。
今回は、竹田さんの事例を見ながら、「決断の遅れる原因を見極める」コツについて解説します。
■ エピソード1:転職する決断が遅れた
「あのとき転職していたら、いまとは違ったキャリアを歩んでいたんじゃ……」
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竹田さんの「決断が遅れたエピソード」の1つ目は、3年前、ちょうどサブリーダーの仕事を任され始めたころのことです。この時期、かつて同じ会社に勤めていた女性の先輩から、転職の誘いを受けたそうです。
転職先の会社がダイバーシティ(社員が持つ性別・国籍・年齢・学歴・職歴などの多様性を受け入れて、働きやすい環境を構築するマネジメントアプローチ)を進めたいということで、女性のエンジニアを増やそうとしていたのです。
当時、竹田さんは調整やスケジュール管理に追われる毎日でした。決して面白い仕事ではなかったのですが、日々の忙しさに追われ、先輩の誘いに返事ができず、そのままずるずると時間がたってしまいました。
そうこうしているうちに、リーマンショックが起こります。
それを契機に、竹田さんの会社では、明らかに昇進の機会が少なくなってしまったそうです。ボーナスも昔ほど多くないし、会社に元気な人がいなくなってしまった、と竹田さんは嘆きます。
「このままではキャリアイメージがつくれそうもない……」
■ エピソード2:勉強する決断が遅れた
「もっと早くに経済やWebの勉強をしていれば、良い仕事ができたのに……」
竹田さんの「決断が遅れたエピソード」2つ目は、スキルアップにまつわることでした。
竹田さんの周りでは、不況をきっかけに、経済や経営、会社の仕組みを勉強し始めた友人が多かったそうです。彼らは新聞や雑誌を購読して読み始めたり、経営や会計の勉強会に足を運んだり、Web上のオンラインセミナーに参加したりしています。中には、企業の決算数字が底を打ちつつあるからと、ネット証券でトレード(株式売買)を始めた人もいたそうです。
ところが竹田さんは、家に帰ってきたらテレビを見て寝るだけ。仕事で疲れているせいか、パソコンの電源を入れる気力さえありません。
「経済なんて全然分からないし、TwitterとかEvernoteも使ったことがない。世間に取り残されたみたいで、出遅れた感じがする……」
■ エピソード3:健康や体調に関する決断が遅れた
「前回の健康診断で、ちょっと気になる数値が出て……」
竹田さんの「決断が遅れたエピソード」3つ目、それは健康に関することです。どうも竹田さんは貧血気味らしく、健康診断の数値を気にしているようです。
もともと竹田さんは運動不足を気にしており、休日や帰宅後にマラソンをしようと考えていました。ですが、実際は面倒になって実践できませんでした。それに加えて毎朝、電車に乗っているときにめまいを起こすことが気になっていました。
「体調が悪化して、重要な仕事を任せてもらえなくなったらどうしよう……」
竹田さんは、体調改善のために何かをしなければと頭では分かっているものの、実際に行動に移せていません。
これら3つのエピソードから、竹田さんは自分のことを「決断力や実行力がない人間だ」と考えているようでした。
■ 決断が遅れるのには理由がある
決断が遅れるのはなぜか。それは、下記のような考えがあるからではないでしょうか。
- いまやるのが面倒くさい
- 今日やらなくても問題ない
- 急いでやる必要がない
いますぐやらなくても、特段にデメリットや不都合がないような場合、決断が遅れることは多いようです。
それならば、決断を遅らせている原因を分析して、取り除くことを考えてみましょう。
決断を遅らせている原因を 突き止めるための「逆転ビューチェンジ」 |
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