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なぜ、彼らは転職を考えたのか

第9回 海外出張で受けた衝撃。国際的に活躍したい!

アデコ
山口孝之

2008/1/18

ITエンジニアは、どのような理由で転職を考えるのか。いくつかの事例から、転職者それぞれの課題と解決のプロセスを紹介する。似たような状況に陥ったときの参考になるだろう。

 皆さんの周りに、外国人エンジニアはいらっしゃいますか。日本で働く外国人の中でも、IT関連の職業に就く人は多いと聞きます。実際、当社の登録者を見ても、中国や韓国の人を中心に外国人エンジニアは増えている傾向にあります。

 今回は、今後も増えていくだろう外国人エンジニアと接したことがきっかけで転職を考えた人のお話です。

初めてのオフショアリング

 岡田さん(仮名)は34歳のシステムエンジニア。大学卒業後にSI(システム開発)会社に就職し、今年で12年目です。岡田さんの会社は設立が1960年代と古く、従業員は1300人、東京証券取引所市場第一部に上場しているいわゆる大手企業です。岡田さんは最初の3年をプログラマとして勤め、リードプログラマを経て20代後半からは小規模なプロジェクトのマネージャを任されるようになるなど、順調にキャリアを積んでいました。

 岡田さんが30歳になり、とある大規模プロジェクトにアサインされたときのことです。プロジェクトマネージャと岡田さん、リーダークラスの同僚の3人が事業部長に呼ばれました。

 「君たち3人に担当してもらうA社のプロジェクトだが、どうやらオフショアになりそうだ」

 海外の企業と協業することになった経緯を尋ねてみると、オフショアを提案したのは顧客であるA社の方だということでした。コスト面で岡田さんの会社と折り合いのつかなかったA社は、開発コストの削減を目的として独自に中国のSI会社を探し出し、協業を提案してきたのです。本格的なオフショアリングは、岡田さんの会社では初めてのことでした。

 岡田さんは、海外の会社との協業で自分のスキルの幅が広がればと前向きに考えたそうです。

中国出張での衝撃

 プロジェクトが動きだし、顧客とのシステム要件の洗い出し作業が始まりました。その合間を縫って、岡田さんたちプロジェクトのキーパーソン数人は中国の大連に出張しました。今回の協力会社との顔合わせと視察のためです。

 大連では、協力会社の取締役が出迎えてくれました。日本語のとても堪能な人です。オフィスに到着すると、さっそく関係者とのあいさつ、社内の見学やプロジェクト体制の説明がありました。そして夜は懇親会です。

 この出張を通して岡田さんたちが一番驚いたのは、中国人エンジニアの日本語能力の高さでした。協力会社の説明によると、大連は歴史的に日本と関係が深く、日本企業とのパートナーシップが中国国内で最も進んでいる地域で、日本語教育も盛んとのことでした。

 またもう1つ驚いたのが、中国人エンジニアの英語力の高さです。この会社は、日本企業とともに行う仕事を専門にしていたわけではありませんでした。中国には、日本企業だけではなく欧米の企業と提携してビジネスを展開しているSI企業が数多くあるそうです。よって日本語だけではなく英語力にも長けたITエンジニアが多いとのことでした。

 岡田さんは英語は得意ではなく、仕事上必要な技術文書を何とか読めるくらいのレベルでした。

それから4年……。岡田さんの取った行動は?  


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