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エンジニアライフ コラムニストに聞く(3)
はがねのつるぎ
――「フリーなスキル」が見る夢

岑康貴(@IT自分戦略研究所)
2009/3/27

本音が語れるエンジニア参加型メディア「エンジニアライフ」。執筆しているエンジニアたちはどんな人物なのか。執筆したコラムの紹介とともに、コラムニストたちの内面に迫る

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 2008年9月10日に「エンジニアライフ」がスタートした際、多くの方からコラムニスト参加申し込みをいただいた。その中でも、特に初期から目立つ存在で、現在まで定期的に投稿を続けているコラムニストがいる。

 「フリーなスキル」を執筆する、はがねのつるぎという不思議なペンネームのコラムニストだ。フリーエンジニアとして、さまざまなスキルの話題や、これからのキャリアについての考え方など、コラムのテーマは多岐にわたる。

 定期的にコラムを投稿するコツはどこにあるのか。エンジニアライフでコラムを書くことは、彼にどのような影響を与えているのか。「コラムニストに聞く」第3回は、神戸で働くスキルマニアのフリーエンジニアに迫る。

エンジニアライフはパブリックな場

 「個人ブログがプライベートな自分を出す場なら、エンジニアライフはパブリックな自分を出す場」

 はがね氏はエンジニアライフに参加する以前から個人ブログを持っていた。ゆくゆくは技術書の執筆などをしてみたいと語る彼は、文章執筆の練習の場をWeb上に求めたのだ。個人ブログとエンジニアライフの違いを「プライベートとパブリック」で説明するはがね氏。書籍執筆のための練習なら、パブリックな場での文章執筆を練習しなければ、と考えたという。

 エンジニアがブログを始めると、ブログの構築そのものに凝ってしまう傾向にある、とはがね氏は語る。彼自身、現在の個人ブログはWordPressで構築し、独自ドメインで運営している。これは決して悪いことではないのだが、「ブログ作りが目的になってしまう」という危険性がある。

  「エンジニアライフは、土台がすでにできているので、書くことに専念できる。そこが個人ブログと違う利点だと思います」

はがねのつるぎ氏の趣味の1つ、CG制作。
エンジニアライフで使用しているアイコン画像は彼の作品だ。

何かをするための技術

 ブログで何を書くかが重要なのに、いつの間にか「ブログを作ること」が目的化する。この問題は、技術全般でも同じだとはがね氏は語る。

 「ある技術を使って、何を作るかが重要。でもエンジニアは時に、作ることを目的にしてしまう。わたしもそうでした。もともと言語やフレームワークが好きだった。でもいつごろからか、それを使って何を作るのか、を意識するようになりました」

 はがね氏は「スキージャンプ・ペア」を制作した映像作家真島理一郎氏を例に挙げる。

 「真島さんは、まず作りたいもの(スキージャンプ・ペア)があって、そのために何が必要だろうと考えたんだそうです。アニメーションやCGの技術が必要だという結論になって、そのためにデジタルハリウッドに入学したんです」

 どちらが正しい、どちらかに決めるべき、という問題ではない。そう、はがね氏は補足する。

インプットとアウトプット、読むことと書くこと

 はがね氏はほぼ毎週、コラムを定期的に投稿している。これは自らに課したルールだという。

 「いままで、個人ブログを作っては書かずに放置していたので……。ルールを作らないと、また同じになってしまう。書く練習なのだから、書くという行為が生活の中で当たり前になるようにしないといけないと思っています」

 もちろん、執筆する時間が確保できないこともあれば、書くネタが浮かばないときもある。「正直、毎週投稿が厳しいときもある」という。

 だが、インプットは十分なので、どんどんアウトプットしなければ、という気持ちに揺れはない。

 「フォトリーディングのセミナーを受講したことがあって、1日に5冊くらいは一気に読めるようになりました」

 半年ほど、読書に明け暮れた。読む本は技術書からビジネス書や自己啓発書へ変わっていったという。「勝間和代さんのお薦めしている本は取りあえず読む、という感じでしたね」

 最近はさらに、古典や名著と呼ばれる本に手を出している。「世に名を残した人々」は、どんなことを考えていたのかが知りたいのだという。

 インプット過多の期間が半年ほどあった。その後、「読むこと」が目的化していることに気付いたはがね氏は、「読んでいるだけじゃ意味がない。行動に生かさなければ。アウトプットが必要だ」と考えを改める。エンジニアライフに出合ったのは、ちょうどそのころだった。

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