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ITエンジニアに贈るダイエット法実践編

第5回 「楽に長く」がダイエットのコツ

千葉大輔(@IT自分戦略研究所)
2007/5/2

 ダイエットで必要なことは自分の生活習慣を見直すことだ。それに従い、本連載では主に食生活の改善を中心にダイエットに取り組んできた。それは一定の成果を上げつつある。

 食生活の改善とともに必要だと筆者が強く感じているのはやはり運動だ。カロリーコントロールの面からみると食事に比べ、効果が高いとはいいにくい。しかし、運動をすることで得られるメリット、例えばリフレッシュ効果や「運動に取り組んでいる」という安心感は、ダイエットを続けるうえで重要だ。

 今回は運動にスポットを当て、ゴールドジム北千住東京 トレーナー 高木剛志氏にダイエット時の運動、特に有酸素運動について聞いてみた。

ダイエットに正解はない

  まず高木氏はダイエットの方法について「いろいろなダイエット法が紹介されていますが、ダイエットにおいて『これぞ万人向けの正しいやり方』というものはありません」と強調。体の状態は人それぞれ異なる。健康のためなのか、美容のためなのか、その人の目的や志向に合わせて方法を選択するべきだという。   

 しかし、それでも「消費エネルギー(kcal)>摂取エネルギー(kcal)」という基本原則は変わらない。食生活を見直し、摂取エネルギーを抑える一方で、運動によって消費エネルギーを増やすことも視野に入れつつダイエットを続けることは有効だといえる。

短い時間を積み重ねよう

ゴールドジム北千住東京 トレーナー 高木剛志氏

 普段から運動に慣れている人は、日常の生活に運動を取り入れることについて問題はないだろう。しかし普段あまり運動をしない、あるいはかつて運動をしていたが、いまではすっかり運動と縁遠くなってしまったという人の場合、いきなり運動するといっても身体の負担が大きい。また運動する習慣をどのように取り入れ、維持するかが問題となってくる。

 高木氏によると運動に慣れていない人の場合、「まとまった時間を取って運動をする必要はありません、短い時間でもいいので手軽に運動をする機会を作ることが必要」だという。有酸素運動といえば「20分以上続けないと効果が低い」などの話を聞くこともあるが、実際は少し違うのだという。「もちろんある程度の時間運動することは必要です。しかし1日に30分間運動したとして、1度に30分運動したときと10分間の運動を3回に分けたときでは効果に差はないといわれています。ただ目安として『20分』という数字を出すことはよいと思います」

 よくいわれることだが、エスカレータやエレベータを使わずに歩いて階を移動したり、1駅くらいの距離だったら歩いてみたりカジュアルに体を動かしてみることが効果的なのかもしれない。

 また、これも当たり前だがダイエットにおいて筋力トレーニングも重要だ。「脂肪が燃料だとすると、筋肉はエンジンに当たります。エンジンを大きくすることでより多くの燃料を消費させることができるのです。大腿部や胸、背中など大きな筋肉を鍛えると効果的です」と高木氏は指摘する。(筋力トレーニングについては『肩こりや腰痛を寄せ付けない体づくり』を参照)

心拍数とエネルギー消費

 有酸素運動を行うときに重要になるのが「心拍数」だ。心拍数から運動の強さを判断することができ、この運動の強さによって体のエネルギー消費が変化する。まず体内のエネルギー消費の仕組みについて知ることから始めよう。高木氏によると食物から摂取するエネルギー源として大きく分けて「糖質」「脂質」「タンパク質」の3つがある。比較的強度の高い運動では主に糖質が、運動の強度が低くなるにつれて脂質がエネルギー供給源となる。また、一定強度の運動を行う場合、運動の継続とともに脂質の寄与率が徐々に高まってくる。タンパク質からのエネルギー供給の割合は糖質や脂質と比べ小さく、ほとんど利用されることはない。

 ここでいう運動の強弱は心拍数で判断する。220から自分の年齢を引いてみよう。それがあなたの最大心拍数だ。最大心拍数の60%〜80%程度の心拍数で運動をすると主に脂質が使われる(有酸素運動)。これ以上の強度で運動するようになると主に糖質が使われる(無酸素性運動)。 つまり、脂肪燃焼を考えるのであれば心拍数が60%〜80%になるような強度の運動を長く続けることが必要だ。目安としては運動中に軽く人と話すことができる程度を目指すとよいという。

 「続けていくうちに体が慣れてきます。そのため、少しずつ運動の強度を上げるとよいでしょう」と高木氏は付け加えた。

 また、運動する時間帯としてはどちらかというと夜よりも朝の方が効果が高いという。「ダイエットを目的として有酸素運動を行うのであれば、夜よりも朝の方が脂肪燃焼の効果は高いと思います。朝は糖質が枯渇しているので、エネルギー源として脂質がより使われやすくなっています。ただ、ただでさえ糖質が枯渇しているところに運動するのは非常にきついので、運動する前に果物のジュースを飲んだり、飴を1つ舐めるとよいでしょう」と高木氏は話す。

ダイエットとサプリメント

 さて、運動する前後にサプリメントを取る人を筆者はよく見かけるのだが、どんなサプリメントがダイエットには有効なのだろうか。

 高木氏は「まずサプリメントは食事の代わりにはなりませんし、薬でもありません。あくまで栄養補助食品なので、過度に期待しすぎないことが大切です」と強調したうえで「BCAAというアミノ酸は運動時にエネルギー源として使われます。また筋たんぱくの分解を抑制し合成を促進する働きがあるので、安静時代謝も高めることが期待できます。カルニチンは脂肪の代謝を促進させます。これらは運動する前に摂取すると効果的でしょう」と話した。カルニチンは羊肉などにも含まれる。ダイエットに羊肉が有効といわれるのはこのためだろう。

無理をせずに「楽に長く」

 ダイエット中の運動において最も重要なこととして高木氏は「『○○しなければならない』という状況では長く続きません。『楽に長く』続けられる運動の強度や頻度を設定することが大事です。まずはできる範囲から始めてみましょう」と話す。

 管理栄養士の松本理華氏は第4回「ダイエットの折り返し地点。これまでを振り返る」で次のようにコメントしている。

 私がダイエットで一番大切だと思うことは、ストレスをためないことです。ITエンジニアはストレスのたまりやすい職種なので、「大幅に食事量を減らす」「毎日運動をする」など、がらりと生活環境が変わるようなルールをつくってしまうとかえってストレスになり、長期的に継続することは難しくなります。

 自分でルールを作るのはよいが、それが足かせとなって継続ができなくなるようでは本末転倒だ。30分間歩くところを20分間しか歩けなくても、「次があるか」くらいの余裕を持つことが秘訣(ひけつ)のようだ。


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