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幸せなITエンジニアを目指すためのヒント

第1回 技術を究めたかった私が、マネージャになったワケ

テイクウェーブ 竹内義晴
2008/1/16

「幸せなITエンジニアが増えてほしい」「若いITエンジニアにエールを送りたい」という筆者が、自らのITエンジニア/マネージャ経験と、そこから得たものを語る。

 初めまして。テイクウェーブの竹内義晴と申します。この連載でのご縁をうれしく思います。

 私は経営者や管理者、起業家、転職・キャリアアップを目指す人向けのパーソナルコーチングを行っていますが、もともとはITエンジニアです。3年ほど前までは完全な技術志向で、「一生技術畑でやっていく」と決意していました。

 しかしひょんなことから人の管理を任され、苦しみながらも工夫を重ねていくうちに、「コンピュータを動かす」ことだけでなく、「チームを動かす」ことも楽しくなっていました。その過程でコーチングに興味を持ち、いまでは相手をコンピュータから人に変えて仕事をしています。

 この連載では、まず私のITエンジニア経験、マネージャ経験をお話しし、そしてそこから得られたものを、若手エンジニアのあなたにお伝えしたいと思います。具体的にはチーム内でのコミュニケーションを良くする方法、ITエンジニアとしてのキャリアの考え方、「自分の可能性」をつぶさないための心構えなどです。

 連載第1回である今回は、私自身がITエンジニア時代に感じていた「楽しさ」「思い」「悩み」と、技術者として生きていこうと決めていた私がマネージャになり、ついにはコンピュータより人と接することの方が楽しくなった経緯についてお話ししたいと思います。

人なんて動かしたくない。動かしたいのはシステムだ

 1998年、27歳のとき、私はIT業界に入りました。まったく異なる業界からの転身です。専門ではなかったものの社内でプログラムを作っていたこと、パソコンの組み立てが好きだったことなどの理由で、中堅の独立系SI(システム開発)会社に転職しました。

 それまでの会社は大企業で、私はちっぽけな歯車にすぎず、お客さまと直接かかわるような仕事もしたことがありませんでした。遊ぶことには一生懸命でしたが、仕事にやりがいを感じることはあまりなかったのです。それが、IT業界に転職して一変しました、打ち合わせをし、プログラムを組み上げて納品するという、お客さまと直接向き合う仕事はとても新鮮でした。

 大企業の基幹システムから中小企業のパソコン1台で動くシステムまで、システム開発の多くの機会をいただきました。たとえシステムの一部分でも、「自分で作ったものが使われているんだ!」「おれがやったんだ!」という充実感は、前職では味わうことができないものでした。納期に間に合わずに1カ月会社に寝袋で泊り込んだこと、不具合の原因追究のために何度も徹夜したことなども、いまでは楽しい思い出です。つらい思いをしながらも無事納品を済ませ、すべてが終わったときの喜びはいい表しようもありません。

 転職して1年がたったころから、Web関係のシステムの仕事が増えてきました。そこで、Javaというそれまで経験したことのない言語でプログラムを作ることになりました。情報もあまりない中、新しい言語に挑戦して技術力を高めていくことに、大きな喜びを感じました。

 単に作るだけでなく、「いかに効率的か?」「いかに美しいか?」「いかにオブジェクト指向で作るか?」など、作り方まで追求しました。当時、JavaができるITエンジニアはあまり多くなかったので会社にも重宝がられ、新入社員教育で言語を教えたり、1人で他社へ常駐してシステム開発に加わったりと、充実した日々でした。技術者としての自分に鼻高々で、このまま技術者として生きていこうと決めていました。

 しかし、入社から4年ほどたったころでしょうか、状況が変わってきたのです。この会社の人事システムでは、ある程度の年齢に達するとマネージャになるのが通例でした。私自身も例外ではなく、会社の売り上げなどの数字も意識せざるを得ないようになりました。でも、自分の上司たちを見ても、上司業を楽しんでいるような人はいなかったのです。

 「おれは人なんて動かしたくない。動かしたいのはシステムだ!」

 技術者として生きていきたかった私は、結果的に2003年、32歳で以前から注目していた会社に転職することにしました。「これで、現場でプログラムが作れる!」。けれどもこの転職が、悲劇の始まりでした。

転職先は苦難の連続。そんな状況から抜け出すために……

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