大学院生注目! 就職先の選び方
@IT自分戦略研究所 先輩インタビュー
第1回 コンサルではなくSEを目指した理由―野村総合研究所
千葉利宏
2008/10/21
これから社会に出る大学院生にとって、就職先を選ぶのは至難の業。そこで@IT自分戦略研究所は、理系大学院生に人気の企業で活躍する先輩エンジニアにインタビュー。就職先としてその企業を選んだ理由、現在の仕事内容、将来の夢などを聞いた。皆さんの就職先選びに、大いに参考にしてほしい。 |
大学院で学んだ高度な専門知識を、どのような環境で生かすのか? 数ある選択肢の中からIT企業を選んだ先輩たちの、率直な仕事への思いを聞く本連載。第1回は、2007年4月に野村総合研究所に入社した山下隆久氏が登場する。
山下氏は、大学院の都市環境系研究科で環境問題について研究した後、ITの世界に飛び込んだ。最近は、学生のIT業界に対するイメージは決して良くないといわれるが、「ITエンジニアがいなければ、世の中をつくっていくことはできないですよね。いまの仕事に誇りを持っています」と、山下氏は胸を張る。
先輩プロフィール 野村総合研究所 産業システム事業一部 山下隆久氏 2007年4月入社 |
大学院での専攻 | 京都大学大学院工学研究科 都市環境工学専攻修了 (2007年3月) |
大学院での研究テーマ | ・人々の社会的(経済的)活動が地球環境に及ぼす影響の定量的評価 ・2050年をターゲットとした、人口構成や世帯構成といった社会構造の変化が環境負荷発生量に及ぼす影響 |
現在の仕事 | 流通サービス業の企業2社のマスターデータ管理システム保守 (顧客とのミーティング[新規機能開発の要件定義・仕様検討、進ちょく報告]、システム開発[新規機能の設計・開発と開発進ちょく管理]など) |
なぜ野村総合研究所? | ・新技術を実際の社会に適用することに挑戦できると感じた ・人事担当者が親身になって話を聞いてくれた |
今後の希望 | ・顧客にプラスアルファの付加価値を提供できるようなITエンジニアになりたい ・グローバルに活躍できる人間になりたい |
■社会の将来を見渡せるような仕事がしたい
山下氏が就職について真剣に考えるようになったのは、学部を修了して大学院に進学してからのこと。大学4年までは「もっと専門的な研究に取り組んでみたい」と、大学院に進学することだけを考えていた。
大学院に進んだ後、学部卒で就職した友人たちと接する機会もあって、社会に向き合う気持ちが芽生えていく。しかし、そのときは具体的な就職先のイメージは固まってはいなかった。漠然とした希望があっただけだ。
「取り組んでいる環境問題の研究を通じて、将来の社会を見据えた仕事に取り組める場に身を置きたいと考えていました」(山下氏)
大学院で取り組んでいた研究は、地球温暖化に関するもの。「工学系でもちょっと特殊な研究室」(山下氏)に所属し、温暖化が社会や人々の暮らしにどのような影響を及ぼすのか、逆に社会や人々の暮らしが温暖化にどのような影響を及ぼすのかなどを予測する研究を行っていた。2050年をターゲットにした研究に携わっていた山下氏は、就職先にも、将来を見渡しながら働ける環境を望んでいたのだ。
■インターンシップで新しい世界に目を向ける
就職活動を本格的にスタートしたのは、大学院1年だった2005年の年末。インターンシップの募集などが始まった時期でもあった。
山下氏の所属していた研究室の過去の実績としては、コンサルティングファームに就職する先輩が多かったそうだ。山下氏も、募集時期の早かった外資系企業を目指す友人たちに刺激されるようにして活動を開始した。コンサルティングファームなどを中心に就職先を調べ始め、まずはインターンシップに応募してみることにした。
参加できたのは、野村総合研究所と日系コンサルティングファームの2社。ほかにも、外資系コンサルティングファームが採用試験を兼ねる形で実施していたものが目に留まったが、選考のタイミングが早すぎて決断できなかった。学生の売り手市場だったこともあり、いろいろな企業をじっくり見て選びたいという思いが強かった。
山下氏にとって、野村総合研究所のインターンシップは新しい世界に目を向ける良い経験になったようだ。2005年12月に10日間の日程で開催され、十数人の学生が2人ずつのチームに分けられ、技術系の部署に配属された。ITの経験がなかった山下氏も、社内システム構築に必要なソフトウェアの選定という課題を与えられ、各種ソフトウェアの性能を比較する作業に取り組んだ。
インターンシップを経験したあと、さまざまな企業の採用試験を受けた。研究室に企業への推薦枠などがなかったため、就職サイトにエントリーするなどして積極的に動いた。
7社から内定を獲得。その中から野村総合研究所を選んだ理由は? |
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