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今週のリーダー

第17回 「話し掛けやすい雰囲気作りを意識しています。」


唐沢正和
岩井玲文(撮影)
2009/6/1


村山さうら (むらやまさうら) アクセンチュア 公共サービス本部 マネジャー 1978年生まれ、京都府出身  京都大学 教育学部卒。2001年アクセンチュア入社。主に、独立行政法人の経理業務改革、財務会計システム構築に携わり、現在に至る。

目先のことにとらわれない、数歩先を見る

 わたしは、アクセンチュアの官公庁部門で、公的機関のお客さまに向けて主に財務会計システムの導入・コンサルティングを手掛けています。現在は、経理・人事などのバックオフィスシステムを総入れ替えするプロジェクトの中で、財務会計システム導入のチームリーダーを担当しています。

 このプロジェクトは、非常に大きなもので、全体で約100人、関連業者も含めると数100人規模にふくらみ、わたしのチームもピーク時には50〜60人にのぼりました。チームリーダーとしての役割は、まずはお客さまの責任者と密にコミュニケーションをとって、信頼関係を築くことです。お客さまの関心がどこにあるのか、不安に感じている点はどこか、言葉の奥にある思いを汲み取り、それらを的確にフォローしつつ、チームの各作業に反映させていきます。チームメンバーは、それぞれ現場の作業に集中していますので、リーダーは目先のことにとらわれすぎず、少し大きな視点で、プロジェクトの1カ月先、半年先、さらにはゴールまで視野に入れながら、お客さまからの要望を現場に落とし込むようにしています。

 チーム内のコミュニケーションをうまくとっていくことも大きな役割の1つです。チームの中には、作業ごとにサブチームが作られているので、そのリーダーたちとコミュニケーションをとって、作業の進ちょく状況などを確認します。さらに、今回のような大規模プロジェクトでは、わたしのチーム以外にも複数のチームが並行して動いていますので、ほかのチームリーダーとの横連携が非常に重要となります。

 わたしが初めてプロジェクトリーダーというポジションを任せられたのは2年前のことです。お客さまが組織統合をするタイミングに合わせて、コンサルティングとシステム導入を行っていく1年半のプロジェクトでした。プロジェクトの規模は約20人で、いま手掛けているプロジェクトのチームよりも小規模ですが、初めてプロジェクト全体の責任を負うというプレッシャーは、わたしにとって非常に大きなものでした。

 そのため、プロジェクトリーダーになった当初は、リーダーという立場に戸惑い、漠然とした不安の中にいました。しかし、わたしをいままで見守り、時には厳しく育ててくれた上司が、わたしを信じて与えてくれたチャンスと前向きに捉えることにしました。周囲のサポートや先輩リーダーのアドバイス、そしてわたし自身が入社以来積み重ねてきたITエンジニア経験や、数人規模のチームリーダーを担ってきた経験などすべてを集結して、プロジェクトリーダーという役割にチャレンジしました。

リーダーとしてのスタイルは現在進行形

 チームメンバーが気持ちよく作業できる環境を作ること、それはわたしができるリーダーとしての大きな役割です。

 お客さまとの関係を良好に保つことも、プロジェクトが円滑に進むように計画することも、チーム内の雰囲気を良くすることも、いま手掛けているリーダーの仕事のすべてがここにつながってきます。その中でも、とくにわたしが気を付けているポイントがポジティブな風通しのよい空気を保つことです。

 プロジェクトを進めていると、何となくネガティブな雰囲気が漂うことがあります。その原因は何なのか、これをいち早くキャッチして次のアクションにつなげることが大切だと考えています。

 ですから、普段からできるだけ話しやすい雰囲気を作るように努力しています。相談やアドバイスだけでなく、“もの申す”といった意見も非常に大切だと考えています。当然、意見が衝突することはありますが、リーダーの思い通りに動いているからといって、プロジェクトがうまくいっているとは限りません。それよりも、本音で意見をいい合って、その中でプロジェクトを洗練させていく方が良いと考えています。

 これは、わたしが一番下のプログラマだったころに、コミュニケーションがうまくいかず歯がゆい思いをした経験からくるものです。リーダーになったいま、チームメンバーに同じような思いをさせてしまっていないか、時々ふと立ち止まって、周りの雰囲気を感じ取るよう心掛けています。

リーダーとして任せる勇気、最後までやり遂げる覚悟

 わたしもチームメンバーが担当している業務を積み重ねてリーダーになりましたので、ときにはメンバーの作業に手を出してしまいたくなることがあります。ですが、それではいつまでたってもメンバーは育ちませんし、モチベーションが低くなるはずです。チームメンバーが育たなければ、わたしもいまのポジションからステップアップできず、リーダーとしても成長することができません。仕事を任せる勇気、そして何かあったときにはメンバーをサポートし最後まで責任を持ってカバーする覚悟、これもリーダーに欠かせない資質だと思っています。

 リーダーが1人でできることは限られています。プロジェクトは、メンバーや周囲の関係者と一緒になって、共同作業の中で動いていくものです。わたし自身、リーダーとしてやってこられたのは、周りからの多大なサポートがあってこそです。悩んだときには、先輩のプロジェクトリーダーに相談してアドバイスを受けたり、また、チームのメンバーと話し合ったりしながら、一緒になってプロジェクトを成功に導くことができました。

 例えば、仕事がキツい状況になったとしても、1人が悩むのではなく、現状の課題と次につなげるアクションをチームで共有し、困難な状況を一丸となって打開しようというポジティブな姿勢が大切だと考えます。メンバーそれぞれが、自分の持っている1.5倍の力を出して、チームとして大きなパワーを生み出していく。そして、その困難を乗り越えて、メンバーみんなの達成感に満ちた笑顔を見たときが、リーダーとして本当にうれしい瞬間ですね。

 振り返ると、アクセンチュアに入ったきっかけは、プロジェクトベースで動いて、1つのものをみんなで作り上げていく仕事をしてみたいと思ったからです。国際協力関係に関心があったので、大学ではさまざまな国籍の人とチームを組んで、1つの目的に向かって動いていくという活動をしていました。この経験を仕事にも生かしたいと考えたのです。

 ただ、最初からリーダーになろうという意志があったわけではありません。わたしのリーダーとしての能力は、いままさに発展途上だと思っています。わたしの考える“真のリーダー”とは、理屈なしで、「この人について行きたい!」と思える存在です。いつか真のリーダーになれるように、人間的にも技術的にも少しずつ自分の可能性を広げながら、これからもチャレンジを続け成長していきたいと思っています。

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