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『コンサルティングの基本』を読む
@IT自分戦略研究所 書評チーム
2008/7/14
■コンサルティングを理解する4つの要素
本書では、以下の4つの要素を把握し、コンサルティングの基本をつかむ。
コンサルティングの基本 神川貴実彦著 日本実業出版社 2008年5月 ISBN-10:4534043864 ISBN-13:978-4534043863 1575円(税込み) |
1つ目は「コンサルティング業界の基礎知識」である。コンサルティングとはどのような活動のことなのか。コンサルタントの職位とはいかなるものか。コンサルティングファームの組織構造やコンサルタントのキャリアパスもここに含まれる。
2つ目は「コンサルティングファームの専門領域に関する知識」である。コンサルティングファームにはそれぞれ得意領域がある。企業戦略の策定に独自のノウハウを持つコンサルティングファームは「戦略系」と呼ばれる。そのほか、IT活用の支援に強みを持つ「IT系」や企業の意識改革を専門とする「組織人事&チェンジマネジメント系」、監査法人業務を展開する「フィナンシャルアドバイザリー系」などがある。
3つ目は「プロジェクトの大まかな流れの理解」だ。プロジェクトの受注から終了までの流れをざっと見てみよう。
クライアントから依頼を受ける。ヒアリングに基づいて提案書を作成し、クライアントからある程度の合意が得られたら、プロジェクトチームを立ち上げる。そして、クライアントを交えてキックオフミーティングを開催する。利害関係者へのインタビューを通じて仮説を構築、検証し、中間報告を行う。抽出された課題に対する解決方法を策定し、最終報告。次のプロジェクトの提案を行う場合もある。
専門領域によって細部に違いはあるものの、基本的な流れに大きな変わりはない。とはいえ、「戦略」「業務およびIT」「組織人事」「内部統制」「M&A」といった代表的な領域の特性は把握しておいた方がよい。
最後の要素は「コンサルティング業界への就職・転職方法」である。コンサルタントに求められるのは「プロフェッショナルマインド」「コンサルタント的思考能力」「対人関係構築能力」「(ハードワークをものともしない)体力/精神力」である。この4つの資質を備えた人は、コンサルティングファームへの就職で直面するであろう採用試験のプロセスを知っておくべきである。(鯨)
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