@IT自分戦略研究所ブックシェルフ(4)
『地頭力を鍛える』と頭が良くなる
@IT自分戦略研究所 書評チーム
2008/7/17
■問題の本質を見極める
「あの人は頭がいいね」というときの「頭の良さ」は、著者の細谷功氏(ザカティーコンサルティング)によると3種類に分けられる。
地頭力を鍛える 細谷功著 東洋経済新報社 2007年12月 ISBN-10:4492555986 ISBN-13:978-4492555989 1680円(税込み) |
1つ目が記憶力の良さ。博覧強記のクイズ王はこの種の頭の良さを持っている。2つ目が対人感性力の高さ。機転が利く、気が利くと感じるとき、人はその人の頭の良さを実感する。最後は地頭力の良さ。数学者やプロ棋士のように、発想力と論理展開力を兼ね備えた人を評して「あの人はすごく頭がいい」という。
この本の主眼は地頭力の分析である。地頭力を定義し、そのメカニズムを解き明かし、読者が日々の思考で活用できるように、その訓練方法を説いたものである。
『地頭力を鍛える』によると、地頭力は3つの思考力で構成されている。
- 結論から考える「仮説思考力」
- 全体から考える「フレームワーク思考」
- 単純に考える「抽象化志向力」
この3つの要素はコンサルタントが執筆するビジネス書に頻出する。つまり、企業の問題解決を支援するコンサルタントは、日常業務を通じて、その地頭力を有効活用しているということである。
では、なぜコンサルタントは地頭力の活用に熱心なのか。細谷氏は「圧倒的に生産性が上がるから」としている。この場合の「生産性の向上」をシンプルにいい直せば「決められた時間内に質の高い結論を出せる」ということである。ある問題を前にして、何が問題なのかも特定できず、ただ時間をかけてぼんやり考えているだけでは、「問題解決の打ち手」を見いだすことができないのである。(鯨)
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