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@IT自分戦略研究所ブックシェルフ(39)
3年で辞めても若者は元気だ

@IT自分戦略研究所 書評チーム
2008/9/8

■昭和的価値観と平成的価値観

3年で辞めた若者は
どこへ行ったのか


城繁幸(著)
筑摩書房
2008年3月
ISBN-10:4480064141
ISBN-13:978-4480064141
756円(税込み)

 この本で紹介される3年で辞めた若者たちには、辞めるべき確固とした理由があった。3年で辞めることは、一概に悪いことではない。見切りをつけるなら早い方がいい。問題は何をどのように見切るかだ、とこの本は主張する。

 昭和的価値観を問題視し、平成的価値観に置き換えることが本書の眼目である。昭和的価値観に縛られたままなら、会社を3年で辞めることは「よろしくない」ことである。しかし、昭和的価値観を真正面から批判し、新しい価値観の構築に成功してしまえば、3年で辞める行為を正当化できる。

 本書では、22個の昭和的価値観が紹介される。すなわち、

  • 若者は、ただ上に従うこと

  • 実力主義の会社は厳しく、終身雇用は安定しているということ

  • 仕事の目的とは、出世であること

  • IT業界は3Kであること

  • 就職先は会社の名前で決めること

  • 女性は家庭に入ること

  • いわれたことは、何でもやること

  • 学歴に頼ること

  • 留学なんて意味がないということ

  • 失敗を恐れること

  • 公私混同はしないこと

  • 盆暮れ正月以外、お墓参りには行かないこと

  • 酒は飲んでも飲まれないこと

  • フリーターは負け組だということ

  • 官僚は現状維持にしか興味がないこと

  • 新卒以外は採らないこと

  • 人生の大半を会社で過ごすこと

  • 大学生は遊んでいてもいいということ

  • 最近の若者は元気がないということ

  • ニートは怠け者だということ

  • 新聞を読まない人間はバカであるということ

  • 左翼は労働者の味方であるということ

である。これらの昭和的価値観はすべて退けられる。著者が考える平成的価値観とはどのような価値観か。本の中で彼はこのようにいっている。

「うーん、一言でいうなら、多様性でしょうか……要するに、仕事一本って人生だけじゃないってことですかね」(『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか』、p.35)(鯖)

本を読む前に
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