@IT自分戦略研究所ブックシェルフ(52)
考えるための道具
@IT自分戦略研究所 書評チーム
2008/10/7
■アイデアを引っ張り出す
考具 加藤昌治(著) 阪急コミュニケーションズ 2003年3月 ISBN-10:4484032058 ISBN-13:978-4484032054 1575円(税込み) |
考えるための道具だから「考具」。そんな考具がこの本では全部で21個紹介されている。博報堂の社員がまとめたもの。
自分の頭の中にあるアイデアを引っ張り出すのが考具の役目である。われわれは、自分の頭の中に何が詰まっているのか、実はほとんど知らない。割に多くのことが記録されているのである。それらの情報をうまく引き出すにはコツがいる。漫然としていても、頭の中からは何も引き出せない。自分の頭なのに。
引っ張り出したさまざまな情報を掛け合わせたりして、思いもよらない形に作り替えるのも考具が支援する。「思いもよらない」というところがポイントである。すぐに想像できるようなコトにはあまり価値がない。なぜなら、誰でも考えつく可能性が高いから。「思いもよらない」ことを思いつくことに、価値がある。その困難な行為は、考具を使うことで可能になる。
「オズボーンのチェックリスト」というのがある。アレックス・F・オズボーン氏(ブレーンストーミングの創始者)が考案した。全部で9個ある。あるアイデアが浮かんだら、以下のチェックリストを適用して、ころがしてみる。
- 転用 : 新しい使い道はないか?
- 応用 : 似たものはないか? 真似はできないか?
- 変更 : 形を変えてみたら? 色、動き、匂いを変えてみたら?
- 拡大 : 大きくしたら? 長くしたら? 頻度を増やしたら?
- 縮小 : 小さくしたら? 短くしたら? 圧縮したら?
- 代用 : 代わりになる人、物は?
- 置換 : 入れ替えたら? 順番を変えたら?
- 逆転 : 逆さまにしたら? 上下左右を反対にしたら?
- 結合 : 合体したら? 混ぜ合わせたら?
これを書いたメモカードを手帳に貼り付けておく。
この本には、このような「考具」の使い方が載っている。読んだ後は、実際の行動に移すだけである。とはいえ、それが実に難しい。「ちょっと挑発的な言い方をすると、この本を読み終えて、そのまま何もしない人が99%いる、ってことです」(『考具』、p.233)。(鯨)
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