@IT自分戦略研究所ブックシェルフ(61)
プログラミングでメシを食う
@IT自分戦略研究所 書評チーム
2008/11/4
■開発現場のリーダーへ
プログラミングで メシを食わせろ!! 小俣光之(著) 秀和システム 2008年10月 ISBN-10:4798020974 ISBN-13:978-4798020976 1575円(税込み) |
プログラム開発現場のリーダーに向けたアドバイス集。「リーダーに任命されたら、まずはその役割を自覚するところから始めよう」とこの本の最初にある。リーダーの役割とは何か。複数の要素で構成される。「発想力」「交渉力」「決断力」「雰囲気作り」の4つの要素。これらの要素をさらに細かく見ていくと、
- 「仕事しやすい環境作り」
- 「外部との交渉」
- 「率先して行動する」
- 「決めたことは続けること」
- 「力で押さえつけない」
- 「敵を作らない」
- 「スキを見せない」
- 「情報伝達」
- 「明るく振る舞う」
- 「メンバーにはできない部分を持つ」
- 「休まない」
などのアクションが列挙できる。これらは、リーダーとして指名された人が行う普通の行動だ。逆にいえば、これらの行動がほとんどできない人はリーダーに向いていないということになる。
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さらに、できれば、技術面でもある程度尊敬される必要がある。この本のターゲットはただのリーダーではない。“プログラム開発現場”のリーダーだ。情報産業における技術進化のスピードは速い。少し前の技術や考え方はほとんど役に立たない。ゆえに、継続して技術を磨き続けなければならない。具体的には、どうすればいいか。すべてに精通しなくてもよい。もともと得意だった分野に特化して、技術力の向上に励むべきだとする。
ところで、リーダーの責務の1つにチームメンバーの育成がある。そもそもプログラマに向く性格、向かない性格というのはあるのだろうか? 実際、優秀なプログラマというのは、社会人としてきちんとした人であり、一般的なプログラマのイメージ(オタクっぽい人、マニアックな人、根暗な人、コミュニケーションが苦手な人……)とはかけ離れている。つまり、プログラマとして大成するには、周りと協調して問題の解決を導ける力=コミュニケーション力の向上が必須なのである。このことは、人として信頼されるかどうか、という人間性の問題にもつながる。(鮪)
本を読む前に | |
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