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@IT自分戦略研究所ブックシェルフ(74)
部下を暗闇から救い出す

@IT自分戦略研究所 書評チーム
2008/12/16

■褒める文化とチームのスタンダード

部下を、暗闇の中で
働かせていませんか?

柴田陽子(著)
インデックス・
コミュニケーションズ
2008年5月
ISBN-10:4757305273
ISBN-13:978-4757305274
1575円(税込み)

 チームにはビジョンが欲しい。あなたのチームは何を目指して結成されたのか。何をするためのチームなのか。チームの存在意義を決めること。ビジョンのないチームは個人の寄せ集めにすぎない。

 ビジョンが決まったら、そのビジョンを達成するための行動指針を定めよう。行動指針とは、チームに集まった人々の日々の行動を規定する価値観のことである。あなたのチームに集った人々の振る舞いに極端なばらつきがあってはいけない。それはビジョン達成にマイナスの効果を及ぼす。チームとしての統一感も失われる。

 著者の事務所が掲げている行動指針は5つである。

  • 当事者意識を持つ

  • 明るく振る舞う

  • 変わることをよしとする

  • 結果にこだわる

  • スピードを重視する

 確定した行動指針をさらに細分化して、具体的な考え方や行動に落とし込む。この本ではスタンダードと表現している。「スタンダードは憲法のようなもの」(『部下を、暗闇の中で働かせていませんか?』、p.85)。ビジョンがスタンダードにまで具体化したチームには、はっきりとした物差しが存在する。評価の基準が明確になる。スタンダードは、チームの文化を醸成する基盤にもなる。スタンダードはいつでも参照できるように「ブック」にまとめる。通し番号があると便利。

 ビジョンと行動指針、スタンダードができたら、チームで共有する。リーダーがチーム全員にしっかり説明すること。プレゼン時間は2時間以内に抑える。ビジョンと行動指針、スタンダードを作った理由を明らかにし、誰とどのようなプロセスで作ってきたのかを説明する。ここまでで15分。そして、ビジョンを解説する。これに15分。行動指針の説明は20分。スタンダードは全部読み上げて40分。残り30分で質問を受け付ける。

 共有したビジョンと行動指針、スタンダードは、粘り強く働き掛けながらチーム内に浸透させていく。チェックシステムを運用するのも1つの手段だが、導入の目的はあくまで、チームにビジョンと行動指針、スタンダードの意識を持ち続けてもらうためであるべきだ。チーム内に「やらされ感」が生じないよう注意しなければならない。そのためにも、チーム内に「褒める文化」を作り上げることが重要。(鯖)

本を読む前に
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