@IT自分戦略研究所ブックシェルフ(78)
論理的であることの鉄則
@IT自分戦略研究所 書評チーム
2009/1/5
■論理的基本姿勢
論理ノート D.Q.マキナニー(著)、 水谷淳(翻訳) ダイヤモンド社 2005年3月 ISBN-10:4478900086 ISBN-13:978-4478900086 1680円(税込み) |
論証という行為には2つの目的がある。1つは真の結論を生み出すこと。もう1つは聞き手を説得すること。いずれも正しい論証を通じてなされる。
正しい論証を展開するにはいくつかの守るべきルールがあるのだが、それらのルールを構築する前提として、記憶にとどめておかなくてはならないことが1つある。言葉と観念を一致させるということだ。
論証には言葉が不可欠である。言葉を使って他人と意思疎通を果たす。あなたの頭の中にある観念をできるだけ素のままで言葉に置き換える必要がある。観念と言葉の間のギャップをできるだけ埋めること。これを厳守したうえで、以下の5つのルールを守る。
- 明確に説明していないのに、聞き手があなたのいいたいことを理解できたと決めつけない
- 完全な文で話す
- 評価を含む命題を、客観的事実に関する命題であるかのように扱わない
- 二重否定を避ける
- 使う言葉を聞き手に合わせる
これらのルールを順守することで、あなたの観念(あるいは意思)が相手に伝わる可能性は、これらのルールを守らないときよりも高くなる。
以上はあなたが論理的に物事を考えるための基本姿勢だ。論証を展開するための事前準備のこと。この本の第1部に当たる。第2部、第3部で、論理の基本原理と論証の組み立て方が記述される。技術論である。健全な論証の組み立てに焦点を絞っている。論証を組み立てる過程にはいくつかのわながある。不健全な論証に堕する可能性がいくつか存在する。そのための注意事項と回避方法が提示される。
第4部は非論理思考に陥る人の心理的傾向を分析したもの。第5部では、論理思考を貫くための鉄則を28コの禁止事項として抽出した。(鯨)
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