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@IT自分戦略研究所ブックシェルフ(83)
英語学習SNS「iKnow!」誕生の舞台裏

@IT自分戦略研究所 書評チーム
2009/1/20

■「Webコミュニティ上で英会話学習」という発想

最強の記憶術 暗記のパワーが世界を変える
アンドリュー・スミス・ルイス、エリック・ヤング(著)
日経BP社
2008年12月
ISBN-10:4822246795
ISBN-13:978-4822246792
1470円(税込み)

 「iKnow!」という英会話学習Webサイトがある。2007年10月にオープンしたiKnow! は、ブロガーを中心に話題となり、多くのユーザーを獲得した(2009年1月現在、ユーザー数は38万人を超える)。

 本書はiKnow! を運営するセレゴ・ジャパンの創業者、アンドリュー・スミス・ルイス氏とエリック・ヤング氏の共著。第1章で「記憶」と「Webコミュニティ」の関係性を説明し、第2章で「記憶のメカニズム」を解説している。

 iKnow! は単純な「英語学習Webサイト」ではなく、「英語学習のコミュニティ」を志向している。WikipediaやYouTubeのような双方向コミュニケーション・プラットフォームが隆盛を極める中、教育だけがトップダウン型の一方通行モデルのまま。より効果的な英会話学習モデルを求めた彼らは、Webのオープンなプラットフォームに英語学習コミュニティを作り出すことを思いつく。

 第3章で、アンドリューとエリックはそれぞれ、iKnow! のスタートまでの道のりを振り返る。日本の英語学習が効果を上げていないことを嘆いたアンドリューが、金融のプロであるエリックと出会い、学習アプリケーションを搭載したPDAを利用したBtoBビジネス「MiLA(ミラ)」を立ち上げ、そこから「iKnow!」へとビジネスの軸足を移していくまでの経緯を追うことができる。

 本書は「記憶のメカニズム」を知るという目的で読むことはもちろん、iKnow! という「Webサービスの成功事例」が生まれた経緯を知り、その手法を自らのビジネスに生かすという読み方も可能だ。特に、「コンテンツプロバイダーになることは目指さない」(『最強の記憶術』、p.137)という彼らの戦略(iKnow! の学習コンテンツの多くは、コミュニティの中でユーザーによって開発されたものである)に基づいた、「クローズドなBtoB型ビジネスからオープンなWebプラットフォーム上でのビジネスへの転換」は、現代のWebビジネスを理解するうえで重要な思考プロセスといえる。(鮪)

本を読む前に
グーグル村上氏の英語勉強法 (@IT自分戦略研究所)
スペシャリストを目指せ、英語を磨け (@IT自分戦略研究所)
英語学習SNSのiKnow!でモバイル利用が増加 (@IT)


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