「ITエンジニア不健康伝説」は本当か
長谷川玲奈(@IT自分戦略研究所)
2006/8/31
「運動不足で太ってる」「不健康」……こんな不名誉なITエンジニア像は困る! @IT自分戦略研究所が行ったアンケートから、ITエンジニアの健康意識を探った。 |
「ITエンジニアは働き過ぎで、自らの体調を省みる余裕もなく、不健康な人が多い」「ITエンジニアは夜中までハンバーガー食べながらコーディング。太っている人が多い」……世間には、こんなITエンジニア像が出来上がっている?
このITエンジニア像の真偽を確かめるべく、@IT自分戦略研究所ではITエンジニアにアンケートを敢行。健康意識/不健康意識、自分の健康に関して気になっている点とその原因、健康のために気を付けている点などを聞いた。
アンケートに回答してくれたITエンジニアは413人。さて、「ITエンジニア不健康伝説」は本当だろうか?
疑惑その1:ITエンジニアは不健康?
まず初めに、ITエンジニア本人とその周囲について、不健康だと思うかどうかを聞いてみた(図1、図2)。
図1 自分自身を不健康だと思うか(N=413) |
図2 周囲を不健康だと思うか(N=413) |
自分、あるいは周囲が「不健康だと思う」と回答した人は、それぞれ全体の46.2%、43.6%。半数近くが自分と周囲の人々を不健康だと感じている。「少し不健康だと思う」を含めて考えると、8割以上のITエンジニアが自分と周囲の不健康を意識していることになる。
日経BP社が2004年7月に行ったアンケート「ビジネスパーソンの健康意識」によると、全体の約3分の2のビジネスパーソンが自分の健康状態を「良好」あるいは「まあ好調」と回答している。「やや不調」「不調」と回答したのは全体の3分の1弱。この結果を見ると、やはり「ITエンジニアは不健康だ」(不健康を意識している人が多い)といえるのではないだろうか。
■ITエンジニアの三大苦「目の疲れ」「体重」「肩こり」
このように不健康を強く意識しているITエンジニアが、実際に気にしている点とは何だろうか。選択肢の中から当てはまるものを3つまで選んでもらった(図3)。
図3 健康で気になっている点(3つまで回答) |
コンピュータ作業の多いITエンジニアらしく、「目の疲れ」がトップとなった。全体の63.4%が選択している。2位以下に「体重」「肩こり」が続く。この3つは半数以上のITエンジニアが「気になっている」と回答していることになる。
6位の「腰痛」(36.1%)までは、全体の3分の1以上のITエンジニアが気にしているという結果に。このうち、「不眠ほかストレス性の症状」以外はすべて運動不足の典型的な症状だ。
「そのほか」として挙げられた回答のうちほぼ半数が、うつなど精神面の不調だった。
■ITエンジニアの半数以上が運動不足・睡眠不足!
ITエンジニアは、これら気になる症状の原因は何であると考えているのだろう。こちらも当てはまるものを3つまで選んでもらった(図4)。
図4 健康で気になっている点の原因(3つまで) |
やはりというべきか、「運動不足」が最も多く、全体の76.0%のITエンジニアが選択している。次いで「睡眠不足」の57.4%、「コンピュータ作業過多」の48.9%。「食事のタイミング」(46.0%)、「食事の内容」(42.9%)など毎日の食事に関するものも多い。そのものずばりの「働き過ぎ」は39.2%。
「そのほか」として挙げられたのは「ストレス」(4件)「座り過ぎ」「生活リズムの乱れ」(2件)など。「直射日光を浴びない生活」という回答もあった。
結論 | ITエンジニアは(残念ながら)確かに不健康…… |
今回のインデックス |
「ITエンジニア不健康伝説」は本当か (1ページ) |
「ITエンジニア不健康伝説」は本当か (2ページ) |
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