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短期集中連載! ITエンジニア向上プロジェクト

第3回 30代前半で年収1000万円を突破する秘密

千葉大輔(@IT自分戦略研究所)
2006/10/12

現在ITエンジニアという職業は3Kといわれ、若者の間では人気が落ちてきている。さらにエンジニアリングの世界から離れてしまうITエンジニアも増えているという。@IT自分戦略研究所はこの事態を見過ごすことはできない。そこでITエンジニアの価値や生活を向上させるヒントを探る。

  IT業界が不況から抜け出しつつある中、ITエンジニアの給与もわずかながら増加の傾向が見られる。しかしながら、30代前半で1000万円という高い収入を得ているITエンジニアとなるとまだまだ少数だろう。

 30代前半で1000万円を得るためには、どんなスキルやキャリア、マインドといったものが必要なのか。多くのITエンジニアの転職をサポートしてきた人材コンサルタントと、実際に30代前半で1000万円の収入を得たITエンジニアに話を聞いて、30代前半で1000万円という「大台」を突破する条件を探った。

依然売り手市場の求人動向

 現在のIT業界の求人動向について、ワークス・アンド・アソシエイツ キャリアコンサルティング事業部 シニアコンサルタント 有山義也氏は次のように語る。「現在はIT業界全体で求人が増えています」

ワークス・アンド・アソシエイツ キャリアコンサルティング事業部 シニアコンサルタント 有山義也氏

 全体的に活況な求人動向だが、中でもシステムインテグレータ(SIer)の求人数が増えているという。この背景には景気回復を受けて、大手SIerが受注する案件数が増えていることがある。それに伴って求人数も増加している。しかし、ITエンジニアの需要の伸びに比べて、「供給が追い付かず、どこも人が足りない状況です」と有山氏は指摘する。「ネットワーク系のエンジニアやプログラマ、SEといった職種で、経験年数が少なくても転職しやすい環境です」

 このような市場の好況感は、給与にもある程度反映されているようだ。有山氏は「少しでも多くの人を採用し、自社に長くとどまってほしいと考えているので、給与面も考慮する企業が増えてきました」と話す。

 現在のIT業界の中で高収入を得やすい環境はどこだろうか。「給与の増減はそのときの景気やスキルの時流によって大きく左右されます。現在、高収入を得やすい環境として可能性が高いのは外資系のベンダです。そこでITコンサルタントをしている人や、エンタープライズ系ソフトウェアの導入のプロジェクトを管理している人が高収入を得ているようです」と有山氏。外資系企業の場合、ベースの給与に加えてインセンティブが用意されることが多い。そのため、企業の業績や個人の成果次第で給与も変化するという。

目先にとらわれず、まず自分の軸をつくる

 さて、高収入を得ている人に共通して見られる傾向はあるのだろうか。キャリアパスやマインドといった面について、有山氏は「あくまで私の知る範囲ですが」と前置きしたうえで「大学卒業後、大手といわれる企業やその子会社で、最低でも3年ぐらいは自分の核となるスキルを磨いて転職している人が多いと感じます。『これがやりたい』という目的意識や向上心が備わっている人も多いですね」とその傾向を語った。

 続けてスキルの面では「テクニカルスキルでいえば、何かしら自分が得意としている分野を確立していること」と有山氏は話す。例えば、前述のキャリアで考えると、最初の企業で働く3〜5年の間にデータベース関連の知識や開発言語など、自分の得意分野、すなわちコアスキルを身に付けるということだ。

 そのほか、テクニカルスキル以外について有山氏は2つの能力を挙げた。1つ目は「英語力」。堪能である必要はないが技術文書を読んだり、英語でビジネスの話ができたりする人が多いという。2つ目は「コミュニケーション能力」。顧客との折衝をしたり自社内をうまく調整したりなどはもちろん、相手の考えを引き出したり自分の考えを伝えたりすることも必要になるという。

 必要とされるテクニカルスキルは、その時代によってさまざまだ。「これを身に付けたから」ということは一概にいえない。まずは自分の軸となるテクニカルスキルに加えて、コミュニケーション能力や語学力といった汎用的な能力を養うことが先決だといえよう。

   

今回のインデックス
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