ITエンジニアって、やっぱり不健康?
長谷川玲奈(@IT自分戦略研究所)
2007/7/25
@IT自分戦略研究所にはスキルとキャリアの話題だけでなく、健康に関する情報も豊富だ。体調を崩しやすい季節の変わり目を乗り切るために役立ててほしい。 |
激務といわれるITエンジニア。忙しい毎日を乗り切るためには、健康に留意しておくことが必要です。今回、@IT自分戦略研究所の健康に関する記事をまとめて紹介したいと思います。心と体の健康を保つため、ぜひ活用してみてください。
■ITエンジニアは、やっぱり不健康?
まずは、2006年7月に行ったアンケートを基にした記事「『ITエンジニア不健康伝説』は本当か」を紹介しましょう。ITエンジニア自身と周囲への不健康意識、健康で気になっている点とその原因、ITエンジニアの肥満度、健康で気を付けていることなどを聞いてみました。
自分、あるいは周囲が「不健康だと思う」と回答した人は、それぞれ全体の46.2%、43.6%。半数近くが自分と周囲の人々を不健康だと感じている。「少し不健康だと思う」を含めて考えると、8割以上のITエンジニアが自分と周囲の不健康を意識していることになる。 「『ITエンジニア不健康伝説』は本当か」より |
この記事の冒頭に掲げた、「『ITエンジニアは働き過ぎで、自らの体調を省みる余裕もなく、不健康な人が多い』『ITエンジニアは夜中までハンバーガー食べながらコーディング。太っている人が多い』……」という世間の誤解(?)は解けるのか……。記事中の結論では、
- ITエンジニアは(残念ながら)確かに不健康……
- ITエンジニアはそんなに太ってないぞ!
となりました。皆さんはこの結果をどう思いますか。
■ITエンジニアの「三大苦」と戦うには?
さて、先の記事中で明らかになったITエンジニアの「健康で気になっている点」は、「目の疲れ」「体重」「肩こり」でした。これらのいわばITエンジニアの「三大苦」を解消するヒントも、記事中で読むことができます。
大量にログを出すコンソールなど、激しく移り変わる画面を見ていると、目が付いていけずに疲れてしまいます。激しく動く画面はあまり見つめないようにしましょう。 目は症状によって対処が異なります。充血していれば冷やす、目の奥が痛ければ温めます。充血していたら血行を抑えるために冷やします。奥が痛いときは緊張して血行が悪くなっているので、温めて血行を良くします。 「PCと腰痛・肩こりの因果関係と対策」より |
ブルーベリーのアントシアニン、ヨーグルトのビタミンAは、目の疲れ予防&解消にも働いてくれます。 「コンビニデザートでリフレッシュ!」より |
ITエンジニアには目の疲れを訴える人も多いが、それには「アスタキサンチン、ルチン、ブルーベリーエキス」が効くという。「目が急速に悪くなる人がとても多い。目の疲れが肩のこりにつながることもあります。この3種は視神経の疲れによく効きます」 「ITエンジニアを襲う『新しいうつ』の正体とは?」より |
■編集担当がダイエットに挑戦。ぜひ参考に
体重が気になる皆さんに大いに参考にしてほしいのが、連載「ITエンジニアに贈るダイエット法実践編」。@IT自分戦略研究所の編集担当が、124.5kg(スタート時)の体を張ってダイエットに挑戦(わたしではありません)! 現在も継続中です。
- 毎日3食バランス良く食べる
- 毎回食事の内容を記録する
- 毎日1万歩歩く
- 毎朝体重計に乗る
- 夕食は22時以前に食べる
これら5つのルールを守るという至極真っ当なダイエットで、現在の体重は112kg。なんと12.5kgの減量に成功です。「目指せ2けた台」(本人)という目標にはまだ届きませんが、今後の連載での結果をお楽しみに。
ダイエットを始めてから気付いたのは「記録することの重要性」だ。「毎回食事の内容を記録する」「毎日1万歩歩く」「毎朝体重計に乗る」という3つのルールに基づいて日々これらの内容を記録すると、日常的に食事の内容や運動(歩数)を意識するようになった。 自分の食生活を意識し始めると、その後の食事の内容は大きく変わる。「今日の昼食は少し重かったので夜は軽く済まそう」とか「昨日は全体的に軽めだったので、今日の食事は少し豪華でも大丈夫そう」などと食生活のコントロールがしやすくなった。 「ITエンジニアに贈るダイエット法実践編(2) ペースがつかめずに手探りで進む」より |
■つらい肩こりを解消する方法
PCに向かっての作業が多いITエンジニアを悩ます肩こり。作業に没頭するあまり、何時間も同じ姿勢でいたり、ついつい背中が曲がってしまったりしていませんか。肩こりは、長い時間同じ姿勢でいること、悪い姿勢でいることから起こるようです。
記事を参考にして良くない姿勢の危険性を認識し、ストレッチと筋力トレーニングで肩こりを解消しましょう。ダンベルを使った本格的なものから、オフィスで簡単にできそうなストレッチまで、いろいろ紹介しています。ぜひ試してみてください。
これを読んでいるあなたは、何時間その姿勢でいますか? 人間が同じ姿勢を保つ筋肉は30分しかもたないそうです。それ以上同じ姿勢を続けていると、知らず知らずのうちに体を痛めることになるのです。 エンジニアでも、そうでなくても、パソコンに長時間向き合い、同じ姿勢を続けるのは体に良くありません。客先巡りのサポートや営業で、少しでも動き回る機会があればまだよいのですが、プログラムや仕様書のために画面を注視したままでいるのは、どんなに健康でタフな人でも無理がきます。 「PCと腰痛・肩こりの因果関係と対策」より |
普段からPCを使う人に多い前傾姿勢を直すためには、腹筋や背中、胸の上部といった体幹部の筋肉を鍛えることが重要だ。それに合わせて広背筋や菱形筋(肩甲骨付近の筋肉)、僧帽筋といった肩や背中の筋肉を鍛えることで姿勢が改善されるという。 「ITエンジニア向上プロジェクト(7) 肩こりや腰痛を寄せ付けない体づくり」より |
■心の健康にも注意して
何かとストレスの多いITエンジニアという仕事を続けていると、体の健康だけでなく、心の健康にも注意が必要です。
連載「ITエンジニアにも重要な心の健康」では、現役のカウンセラーが、ITエンジニアの心の健康について語っています。仕事で出合うさまざまな場面を題材に、ストレスとの付き合い方、人間関係のヒント、心の不調の気付き方などを分かりやすく解説した記事です。困ったときの参考にするのはもちろん、ちょっと疲れたときの読み物にもぴったりです。
「あまりストレスを感じない自分は、まじめに働いていないのか」と疑問を持ったあなた。あなたはストレスと上手に付き合い、ストレスの適度な発散を実践していらっしゃるのではないですか。もしかしてマイカウンセラーをお持ちなのでしょうか。カウンセラーといっても専門を学んだプロに限らず、気持ちよく話を聞いてくれるご家族、夫、妻、恋人、友人、同僚、上司がいらっしゃるのではないでしょうか。
また休みの日に仕事を忘れて取り組める趣味や、仕事以外の豊かな人間関係を持っているのではないでしょうか。そんなあなたは、有能で生き方上手な方なのだと思います。 「ITエンジニアにも重要な心の健康(15) できる人ほどストレスを受けやすい?」より |
うつ病は10年ほど前に比べ、厚生労働省の取り組みや新聞、雑誌、テレビ、インターネットなどメディアでの情報提供もあり、社会的にも認知されるようになりました。結果、早期に自主的に、または職場の上司や家族の勧めで、医療機関やカウンセリングといったサポートを受ける方が増えてきていると私は感じています。特に昨年の傾向として実感しているのは、幾度か「うつ状態」を体験した方が、「もう繰り返したくない」との思いからカウンセリングルームを訪れるケースが増えているということです。 「ITエンジニアにも重要な心の健康(34) 『うつ』にならない、繰り返さない」より |
特に職場での人間関係にスポットを当て、人付き合いの悩みを解決するコツを紹介するのが「自分を知り、相手を知って職場のストレスを減らす」。心理テストで自分と苦手な相手のタイプを知り、そのタイプを基に関係を改善する方法を解説しています。「職場にどうも苦手な人がいる」というなら、ゲーム感覚で楽しんでみてください。
職場のストレスの原因ナンバー1は、何といっても人付き合い。仕事の質や量に関するものだったはずの悩みが、いつしか「上司がもう少し話の分かる人ならいいのに!」「もう少し真剣に仕事に取り組んでほしい」「仕事を簡単に振らないで……」のような、人間関係の悩みに変わっていくことも多いものです。 「自分を知り、相手を知って職場のストレスを減らす」より |
■「脳」も疲れる
最後に少々ショッキングな記事を。「ITエンジニアを襲う『新しいうつ』の正体とは?」は、「ITエンジニアはうつの発生率が高く、しかも普通の抗うつ剤が効きにくい」という警告を発しています。こういったITエンジニアのうつの原因は、「脳の疲れ」ということです。
では、その脳の疲れを癒すには? 簡単な首回し運動、疲れを取るサプリメント、自然に接することなど、意外と手軽な方法が役に立つようです。
特に最近は「『仕事ができない、能率が上がらない』というように、頭の働きが悪くなる、治りにくいうつ」が増加の一途だという。「(ITエンジニア以外の人は)『気分が沈む』というように感情から不調を感じるんですよ。ITエンジニアはそうではなくて「何だか最近仕事ができない」という悩みからくる。気付きが違う。そして心の病というのは、そういった初期段階で手を打たないといけない」 「ITエンジニアを襲う『新しいうつ』の正体とは?」より |
これから暑い季節がやってきます。季節の変わり目はただでさえ体調を崩しやすいものです。忙しい時期もあるとは思いますが、自分の体と心に気を配って、ときどき息抜きも忘れずに!
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