いまから始めるアルゴリズム

新人編集者のJava学習物語 初級編

第1回 変数って、変な数のことでしょ

荒井亜子
2007/10/23

Javaの最大の特徴3つ

先生

Javaの最大の特徴は、

・プラットフォーム非依存

です。多くのプログラミング言語はOSごとにコンパイルをやり直す必要があります。たいていは移植の作業が必要なんです。でもJavaでは、Windowsでも、Linuxでも、さまざまなOSで動作させることができるんです。ほかには、

・オブジェクト指向

という特徴もあります。現実世界をそのままプログラムで実現することができるので大変便利です。また、

・豊富なクラスライブラリ

がそろっていることも特徴です。クラスライブラリは、部品の集まりのようなものです。すべてのクラスを自分で開発するのではなく、あらかじめ用意されているクラスライブラリの中で必要なものを利用できます。まずは、この3つを知っておきましょう

荒井 プラットフォーム非依存なんてこと、どうしてできるんですか?
先生

Javaの実行環境であるJRE(Java Runtime Environment)がOSの壁を取り払ってくれるからです。

Javaで記述されたソースコードは、バイトコードというプラットフォームに依存しないコード形式に変換(コンパイル)されます。OSは違っても、JREをインストールすることでJavaを解釈してくれるんです。JREやコンパイラは、Javaの開発環境(JDK,Java SE Development Kit)に含まれます。JDKはSunが無料で提供しています。今回講習で使うコンピュータにはすでにJDKがインストールされていますので、お家でWebサイトからダウンロードしてみてください

アプレットとサーブレットの違いが分からない

 1時間たったところで、10分間の休憩タイムに入る。早くもコンピュータ用語が飛び交い、ついていけるかという不安に襲われた。いまのうちにテキストを予習しよう。

 ページをめくると、アプレットとサーブレットという似たような名前の言葉が目に飛び込んできた。テキストだけを読んでもイマイチ分からない。そこで、先生に質問に行くことに。

荒井 分からないことは聞いていいんだよね、確か。でも緊張するなぁ

 質問に行くと、先生は快く対応してくれた。

荒井 先生、Javaプログラムの種類で、Javaアプレットとサーブレットの違いって何ですか?
先生 アプレットはクライアントのJava対応のブラウザ上で動作し、HTMLでは表現できない豊かなユーザーインターフェイスをクライアントに提供します
荒井

? クライアントに雇われているのは誰ですか?

先生 えーっと、クライアントというのはそういう意味ではないんです。コンピュータ用語では、サーバに対して利用する側のことをクライアントというんですよ。一方、サーブレットはサーバ上で動くWebアプリケーションを作成します。代表的なものとして、インターネットショッピングサイトがありますね
荒井 ややこしいけど、分かった気がします。ありがとうございました

 休憩後は、できているソースコードを使ってコンパイルの練習。ちょっとプログラマになった気分だ。

 詳しくはこちら⇒「Java Solution FAQ/サーブレットとは何でしょうか?」

変数って、変な数のことでしょ

先生 では、概要を終えたところで、さっそく本題に入っていきましょう。プログラミング言語で一番の基本内容である、変数について見ていきます
荒井 変数……。変な数のことかな? なんだろう
先生

変数は、データを格納する入れ物、箱です。変数には名前を付けることができ、値を格納しておくことで後からいつでも利用することができます

荒井 変数を書かないで、直接データを扱った方が楽じゃないんですか?
先生 そうすると、プログラムの中で同じデータを100カ所で使っていた場合、もし値を変更しなければならなくなったら、100カ所修正しなければいけません。それが、変数を使っていれば1カ所変更するだけで、すべて変更されます
荒井 (変な数じゃなくて、格納する値が変わるという意味なのかな。とにかく、)変数を使うとプログラムを効率良く記述できるんだ! 変数って、便利なんだなー
先生 変数を使うためには、はじめに変数を宣言します。変数の宣言では、データ型と変数名を指定します

int a; //変数の宣言。データ型intと変数名a
a = 2; //変数に値を代入
int a = 2; //宣言と代入を同時に行うことを「初期化する」という

ソースコード


先生 初期化をすれば思ってもいない値のまま変数を使用してしまうことは起こりません

 こうして、懇切丁寧な指導のもと、新人編集者は変数データ型配列とJavaプログラミングを学習していくのであった。しかし、順調な滑り出しかと思ったその矢先に、障害は転がっていた。(連載第2回へつづく)

今回お世話になった富士通ラーニングメディアの講師、吉田有沙先生より、プログラミング入門者へのアドバイス

絶えずJavaに触れること

 Java言語は、プログラミング「言語」です。つまりは「言葉」なのです。

 私たちのように日本語を使う人たちにとって、英語やドイツ語など母語ではない言葉を理解し使えるようにするには、当然それなりの時間と労力が伴います。これはJavaでも同様です。

 英語などと同様に、習得するための一番の近道は、「絶えずその言語(今回はJava)に触れること」に尽きます。そうすることで、プログラミング特有の文法なども自然と身に付いてくるはずです。少ない時間でも構いませんので徐々にアタマを「Java」モードにしていきましょう。


 

今回のインデックス
 新人編集者のJava学習物語 初級編(1) (1ページ)
 新人編集者のJava学習物語 初級編(1) (2ページ)

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