英語が苦手なITエンジニア必見!
体験レポート TOEIC 600点への道
第5回 TOEICの結果と対策ソフトの成果は?

北浦訓行
2001/12/12

■3回目の試験結果は?

毎回着実に点数はアップしている。が、目標の600点は、まだまだはるか彼方なのが現実

 10月末に第87回TOEICを受験しました。語彙(ごい)不足を補うべく、単語の学習に力を入れて臨むつもりだったのですが、相変わらず勉強する時間をやりくりできず、新規に覚えた単語もわずか数十個……。せっかく買った「TOEICテストパーフェクト600点」(第4回「禁断のTOEIC対策ソフトに手を出す」で紹介)も、単語の学習にしか使えませんでした(しかもほんの少しだけです)。ただし、2回目に比べると、試験に集中することはできたように思います。

 さて、その結果が届きました。

リスニング 245点(前回と同じ)
リーディング 220点(前回は200点)
合計 465点(前回は445点)

 当たり前すぎて書くことがはばかられますが、リスニングの勉強を重点的に行えばリスニングの点数が上がり、リーディング(今回は主に単語ですが)の勉強をすればリーディングの点数が上がります。しかも、勉強不足がモロに点数の伸び悩みとなって表れています。何とか時間を取ろうとはしているのですが、なかなか思うようにはいきません。

第87回TOEICの「Official Score Certificate」。ちなみに、第88回からは、受験者の顔写真も印刷されるようになるらしい(画面をクリックすると拡大表示します)

 このままでは、目標の600点に到達するのは困難です。現状を打破するには、少しでも多くの単語やイディオムを覚えるしかありません。わずかでも時間があれば、単語を覚えるようにします。取りあえず、廊下や階段、トイレなどに単語と意味を書いた紙をペタペタ張ってみるつもりです(まるで昔の受験生のような心境です)。

 PCやインターネットではないじゃないかとお叱りを受けそうですが、張り出す単語は単語学習ソフトでなかなか覚えられないものにしますからお許しください。

■さらなる深みにはまる……

 さて、単語の学習を重点的に行うという方針は変わりません。試験を受けていても、単語やイディオムなどの意味が分からないから解答できない、ということが多いように感じられるのです。

 前回使ったソフトは、リスニングやリーディングなどの総合力を身に付けることを目標にしたものでした。もちろん、単語学習のコンテンツもあるのですが、私が単語を覚えるスタイルにはちょっと合わないようです。私の場合、画面の英単語を見て、日本語の意味を考え、それが合っているかどうかを確かめたいのですが、「TOEICテストパーフェクト600点」には、日本語の表示を隠す機能がありません(仕方がないので、画面上に紙を置いて隠しました)。また、リスニング対策として、単語の発音を聞きたいのですが、その機能もなかったのです。

創育の「TOEIC TESTパーフェクト対策 必須単語ボキャブラリー」。価格は5000円(税別)で、Windows XPに対応した

 それらの機能がなかったのは、たぶん「TOEICテストパーフェクト600点」が、単語学習専用のソフトではなかったからだと思います。そこで、今回は単語学習専用のソフトを使ってみることにしたのです。購入したのは、創育の「TOEIC TESTパーフェクト対策 ボキャブラリー編」です。パッケージには、「これだけ極めれば730点!!」という魅力的なコピーが書いてあり、思わずウットリです。「TOEIC対策ソフトはできるだけ使わない」なんて宣言は、どこへ行ったのやら……。ますます深みにはまっています。

 創育は、私が生まれるはるか以前から学習教材を作っている会社です。CD-ROMを媒体にしたパソコン用英会話ソフトも、かなり前から発売しているので、内容面では期待できると思って購入しました。ちなみに、購入価格は4580円です。

 なお、Windows XPの発売に伴い、現在はWindows XPに対応した「TOEIC TESTパーフェクト対策 必須単語ボキャブラリー」というパッケージに変わっています。ここでは、「TOEIC TESTパーフェクト対策 ボキャブラリー編」の画面で内容を紹介しますのでご了承ください。創育に問い合わせたところ、両者の内容は対応OSが異なることを除いては同じだということです。

■TOEIC TESTパーフェクト対策 必須単語ボキャブラリー

 「TOEIC TESTパーフェクト対策 必須単語ボキャブラリー」(以下、「必須単語ボキャブラリー」)は、文字どおり、TOEICに頻出する単語2200語を覚えるための学習ソフトです。「必須単語ボキャブラリー」には、学習の目的によって、「テスト直前コース」と「完全定着コース」の2つのコースがあります(画面1)。

 「テスト直前コース」は、弱点ジャンルを診断して、効率の良い学習を目指します。試験の直前の総仕上げはもちろんのこと、まとまった時間を取りにくい場合にも、おすすめだそうです。勉強する時間がやりくりできなくて困っている私向きのコースかもしれません。

 「完全定着コース」は、単語を「聞く」「読む」「話す」「書く」ための総合的な力をつけることを目指します。TOEICの点数を上げるだけでなく、英語を自在に操るためには、こちらのコースで勉強するといいのでしょう。

画面1 メインメニュー。この画面では、事前に「完全定着コース」で学習することを指定しているので、そのコースしか選択できないようになっています

■完全定着コース

 「完全定着コース」は、「完全定着MENU」「進捗状況」「Reviewテスト」の3つに分かれます。学習で主に使うのは、「完全定着MENU」です。「完全定着MENU」は、さらに20のサブメニューに分かれます(画面2)。このサブメニューは分類されている単語のジャンルになります。

画面2 「完全定着MENU」の画面。ジャンルの多さにはちょっと引いてしまいます

 「完全定着MENU」からジャンルを1つ選択すると、今度は「タスク選択」の画面になります(画面3)。このメニューには、「単語BOX」「単語エクササイズ」「センテンスBOX」「センテンスエクササイズ」の4つのサブメニューがあります。

画面3 「タスク選択」の画面

 「単語BOX」は、「読む」「書く」「聞く」「話す」のすべての練習が可能な単語学習画面です(画面4)。各行には、英単語とその日本語の意味、タイピング練習用のキー入力スペースがあります。各英単語の上にあるスピーカーのアイコンをクリックすると、その英単語の発音を聞くことができます。また、英単語と日本語訳のそれぞれを消したり、表示したりする機能もあります。

 英単語の表示を消して、日本語訳を見ながらキー入力スペースに英単語を入力し、「判定」ボタンをクリックすると、正解ならばチャイムが、不正解ならばエラー音が鳴ります。また、画面右上にある「おすすめ学習法」ボタンをクリックすると、「単語BOX」画面の使い方やお勧めの学習法が表示されます。

画面4 「単語BOX」の画面。日本語訳を非表示にするボタンなど、私が欲しいと思っていた機能はほぼ用意されています

 「単語エクササイズ」は、単語の意味を選択するテストです。画面5のように、英単語と解答の選択肢が表示されます。それと同時に、単語の発音が聞こえます。正解だと思うものをクリックします。試しに、「OA機器・コンピュータ」の「単語エクササイズ」を行ったところ、全90問中で不正解はケアレスミスの1問だけでした。この結果は職業柄当たり前ですが、ほかのすべてのジャンルでこのような成績が残せるようになりたいものです。

画面5 「単語エクササイズ」の画面。画面右は正解率のグラフ。赤い線が多ければ多いほど正解率が高いのですが、緑色にした方が直感的で分かりやすいと思います

 「単語エクササイズ」の問題がすべて終わると、正解と不正解の数が表示されます。この画面では、間違えた単語を印刷したり、再度テストに挑戦することができます。復習するのに便利です。

 「センテンスBOX」と「センテンスエクササイズ」は、内容が単語ではなく、文になっています。

 「進捗状況」では、これまでの学習結果が一覧で表示されます。「Reviewテスト」は、これまで学習してきたジャンルの達成度を診断する全10問の試験です。全問に正解すると、そのジャンルは定着ジャンルとして記録されます。なお、「Reviewテスト」は、「単語エクササイズ」に全問正解しないと選択できません。

■テスト直前コース

 「テスト直前コース」は、「弱点診断テスト」「テスト直前MENU」「Reviewテスト」の3つに分かれます。

 初めて「テスト直前コース」を選択したときは、最初に「弱点診断テスト」を行います。「弱点診断テスト」では、全100問の英単語・英熟語の意味を4つの選択肢から選択します(画面6)。

画面6 「弱点診断テスト」の画面。100問に解答するのはけっこう大変です

 「弱点診断テスト」が終了すると、「テスト直前MENU」が表示され、黄色の枠が点滅しているメニュー項目が、お勧めの学習ジャンルです(画面7)。

画面7 「テスト直前MENU」の画面。「単語エクササイズ」に全問正解すると、そのジャンルに「CLEAR」というマークが表示されます

 ここでジャンルを選択すると、「単語エクササイズ」の画面が表示されます。「単語エクササイズ」は、「完全定着MENU」で紹介したものと同じです。また、「テスト直前MENU」の「単語BOX」をクリックすると、「単語BOX」が表示されます。これも、「完全定着MENU」で紹介したものと同じになります。

 「Reviewテスト」に関しても、「完全定着MENU」で紹介したものと同じです。

■そのほかの機能

 「必須単語ボキャブラリー」に出てくる単語やセンテンスは、PDFファイル(Adobe Acrobat Readerで読むことのできるファイル。Acrobat Readerも収録されている)でCD-ROMに収録されています。マニュアルには「印刷するなどしてご活用ください」と書いてあります。本当に、至れり尽くせりです。

 1つ残念な点は、「テスト直前コース」と「完全定着コース」が完全に切り離されていて、1つのコースから別のコースに移るときは、プログラムを終了して、最初からやり直さなければならないことです。やり直しですから、別のコースで保存された学習履歴などもクリアされてしまいます。時間に余裕があるのなら、「完全定着コース」でみっちり学習して、総仕上げとして「テスト直前コース」を試してみるのがいいでしょう。

 どんなに素晴らしいソフトを使ってみても、最終的に問題となるのは私の(もの覚えの悪い)頭です。次回のTOEICは2002年の1月末に実施され、結果は2月末に出る予定です。よい結果が出ればいいのですが……(これまでの連載で最も弱気なエンディングです)。

ご注意!
 この企画では、学習ソフトが役に立つかどうかについてレポートしていますが、学習方法や学力アップの判定方法について、(いうまでもなく)学術的な手法は取っていません。また、結果については筆者個人の能力によるものであり、すべての方に有効または無効とは限りませんし、それを筆者およびアットマーク・アイティ社が保証するものでもありません。このレポートは参考とするにとどめ、学習については自己の責任において行ってください。

「連載 TOEIC 600点への道」


@自分戦略研究所の資格や学習に関連するサービス
ITトレメ

@自分戦略研究所の資格や学習に関する記事一覧
ORACLE MASTERはこう変わる!
XMLマスター:ベーシック試験のポイント
すぐに役立つJavaプログラミング学習法
ITエンジニアが語る わたしの勉強法
ORACLE MASTER Gold ポイント解説
エンジニアのためのLinux認定資格・試験ガイド
ネットワークエンジニア、CCNAを目指せ!
リレーエッセイ:エンジニアに資格は必要か?
泥縄式データベース勉強法
開発者が学ぶべきこと
体験レポート TOEIC 600点への道
自分戦略研究所、フォーラム化のお知らせ

@IT自分戦略研究所は2014年2月、@ITのフォーラムになりました。

現在ご覧いただいている記事は、既掲載記事をアーカイブ化したものです。新着記事は、 新しくなったトップページよりご覧ください。

これからも、@IT自分戦略研究所をよろしくお願いいたします。