英語が苦手なITエンジニア必見!
体験レポート TOEIC 600点への道
最終回(第8回) 最後となるTOEICの最終結果は?

北浦訓行
2002/12/4

■4回目の試験結果は?

本連載の最後となるTOEICの結果。600点は無理だったが、得点をかなり伸ばした

 ご報告が大変遅くなってしまいましたが、7月末に第92回TOEICを受験しました。前回の受験が昨年の10月末ですから、ずいぶんと間が空いてしまいました。「おかげで受験の準備は万端!」といいたいところですが、残念ながらとてもそういうわけにはいきませんでした。仕事に追われて、またしても勉強する時間が思うように取れなかったのです。しかも、受験当日は体調を崩してしまい、発熱と鼻水に苦しみながらの受験となりました。

 1カ月後に「OFFICIAL SCORE CERTIFICATE」が郵送されてきました。この封筒を受け取るのは4回目ですが、何回経験しても開封するときは緊張します。その結果は……。

リスニング 325点(前回から80点アップ)
リーディング 205点(前回から15点ダウン)
合計530点(前回から65点アップ)
Percentile Rank 42.0(コラム参照)

という、何とも複雑なものになってしまいました(写真1)。

写真1 第92回のOFFICIAL SCORE CERTIFICATE。しばらく前から顔写真と署名が印刷されるようになったが、恥ずかしいので顔の部分は削除している

 点数が過去のTOEICに比べると飛躍的にアップしている点は素直にうれしいのですが、どう考えても点数が偏りすぎです。しかも、リーディングに関しては、過去最低の得点です。

 妻がこの結果を見てひと言。「あ〜、TOEIC慣れしたのね」。一刀両断です。確かに一理あるかもしれませんが、少ないながらも勉強はしたのです(ほとんど一夜漬けに近い状態でしたが)。少しくらい私の努力を認めてくれてもいいのに……。

 パソコンを使った英語学習(リスニング)の場合、聞き取れない文章を何回でも簡単に繰り返して聞くことができます。カセットテープやCDを使った学習では、操作性がイマイチですから、パソコンほど効率はよくありません。

 それに対してリーディングの場合、パソコンを使うメリットが少ないように感じます。模擬試験で点数を表示したり、弱点を分析できる点などはパソコンを使う価値がありますが、私の課題である語彙(ごい)力を増やすことなどには、あまり有効ではないようです(負け惜しみか? 一応、対策ソフトで覚えきれない単語をExcelでまとめて、単語帳のようなものを作ったりもしたのですが……)。

コラムI:Percentile Rankとは?
 「Percentile Rank」とは、そのスコアに満たないスコアを獲得した受験者が占めるパーセンテージです。私のケースで説明すると、Percentile Rankは42.0ですから、私よりも点数が低かった人が、全体の42.0%いるということになります。逆に、私よりも点数が良かった人が58.0%もいるわけです。

 ちなみに、私のこれまでのPercentile Rankは以下のとおりです。


第84回 22.6
第85回 26.8
第87回 28.5
第92回 42.0(今回)

ご注意!
 この企画では、学習ソフトが役に立つかどうかについてレポートしていますが、学習方法や学力アップの判定方法について、(いうまでもなく)学術的な手法は取っていません。また、結果については筆者個人の能力によるものであり、すべての方に有効または無効とは限りませんし、それを筆者およびアットマーク・アイティ社が保証するものでもありません。このレポートは参考とするにとどめ、学習については自己の責任において行ってください。

■TOEIC模擬試験目

 TOEICの試験を受けるのはいろいろと大変です。申し込むのは試験日の1カ月以上前になりますし、受験料も1回につき6615円かかります。試験会場は、その時々で変わります。私の場合、この連載のために9回申し込みました(仕事や私事で5回も受験できませんでした)が、指定された会場は5カ所でした。電車とバスを乗り継がないと行けないような会場から、自転車で15分くらいのところまで、いろいろと経験しました。

 また、住んでいる場所から最も近い試験会場で受験できるとは限らないようです。同じ回に申し込んだ近所に住む友人は、私の会場とは違う所に指定されました。そのときは私の申し込みの方が早かったのですが、早く申し込んだから近い場所で受験できるとも限らないようです。運が悪いと、電車とバスを乗り継いで2時間近くかかる場所を指定されることもあります。

 試験は、リスニングが100問(時間は45分)、リーディングが100問(時間は75分)で、合計2時間の長丁場。間に休憩はありません。また、試験の説明などがあるため、拘束時間は午後1時から4時までになります。休日(試験は日曜日に行われる)の午後をフルに費やされるのはなかなか厳しいものです。

 このようにTOEICを受験するためには、さまざまな「犠牲」(?)が伴いますから、そう簡単には申し込めません。でも、自分の実力を知りたい。そんなときは、模擬試験を受けてみてはいかがでしょう。

 TOEICの模擬試験を提供しているWebサイトはいろいろあります。私が今回試してみたのは、TOEIC Mirrorです。以前は、日本のTOEIC公式ページにもリンクがあったのですが、いまはなくなっているようです。

 TOEIC Mirrorで行われる模擬試験(有料)は、リスニングが30問(時間は20分)とリーディングが30問(時間は40分)という、実際のTOEICの簡易バージョンになっています。出題形式は、TOEICと全く同じです。

 TOEIC Mirrorのホームページを開いたら、左のメニューにある「PC Requirements」をクリックしてください。TOEIC Mirrorの模擬試験を受けるために必要なパソコンの条件が表示され、テスト用の音声が流れます(画面1)。この音声が聞き取れるなら、TOEIC Mirrorの模擬試験を受けることができます。

画面1 TOEIC MirrorのSystem Requirements画面。再生ボタンや一時停止ボタン、停止ボタンが操作できるかも確認しておく

 音声が再生できたら、会員登録を行います。画面左のメニューにある「New Member」をクリックして、名前や住所などを入力します。また、ログオンするために必要なユーザー名とパスワードを入力するボックスもありますから、すべてに入力してください。入力できたら「Submit Form」ボタンをクリックします。登録が終わったら、ユーザー名とパスワードが書かれた確認メールが届きます。これで、TOEIC Mirrorにログオンすることができるようになります。

コラムII:サービスを受けるために必要な機材
 TOEIC Mirrorのテストを受験するためには、パソコンとインターネット接続環境が必要です。具体的な仕様などは次の表のとおりです。普通にインターネットに接続している環境であれば問題はないでしょう(ただし、音声の再生できるもの)。

OS Windows 95/98/NT
Webブラウザ Internet Explorer 4.0以上もしくはNetscape 4.0以上、Microsoft Media Player 6.4
プロセッサ Pentium 166MHz以上(OSの要求するプロセッサが必要)
メモリ容量 8Mbytes以上(OSの要求するメモリ容量が必要)
オーディオ機器 スピーカーまたはヘッドフォン
インターネットへの接続 28.8kbp/s以上
表 TOEIC Mirrorの受験に必要な環境。ただしこの情報は古い。ちなみに筆者はWindows XP+SP1でテストを受けたが問題はなかった

 

 TOIEC Mirrorのホームページにある「user name」のボックスに登録したユーザー名を、「password」のボックスにパスワードを入力して「GO」ボタンをクリックすると、会員用のページが表示されます(画面2)。「Select & Purchase Test」の右端にある「GO」ボタンをクリックします。

画面2 ログオン後の会員用画面

 支払いの画面が表示されます。料金は4ドル95セントです。次の画面で日本円も選択できるので、日本円での支払いも可能なようです(私はドルで支払いました)。その場合は629円(2002年10月30日現在)でした。「Click Go to complete your purchase」の右にある「GO」ボタンをクリックすると、クレジットカード情報などを入力する画面が表示されます(画面3)。

画面3 料金支払い画面。住所などは、会員登録した際のデータがそのまま表示される

 画面の下の方にJCBカードのマークがあったので、JCBでトライしてみましたが支払いはできませんでした。VISAでは問題なく支払うことができました。なお、クレジットカードの入力欄に「Security code」というボックスがあります。詳細は、「Securiyt code」の文字部分をクリックすると表示されますが、クレジットカード上に印刷された3〜4けたの数字だそうです。私が所有しているVISAカードの場合、裏の署名欄にカード番号+3けたの数字が印刷されていました。どうやら、右端の3けたの数字がSecurity codeのようです。

 支払い完了の画面が出たら、その画面は閉じてください(念のため印刷しておくといいでしょう)。次に、もともと開いていた画面の「Purchase complete? Go to Main Menu」の右にある「GO」ボタンをクリックします。すると、模擬試験の選択画面が表示されます(画面4)。ここでは、「Start Test」は「TOEIC Mirror 1」を、「Mode」は「Practice」を選択して、右にある「GO」ボタンをクリックします。

画面4 模擬試験の内容を選択する画面

 ちなみに、「Mode」には「Practice」と「Study」のモードがあります。「Practice」は通常の模擬試験の形式です。「Study」は、1問解いた後に正解が表示されます。「Practice」を選択して先に進むと、いよいよ模擬試験が始まります。テストは、実際のTOEICと同様に、リスニングから始まります。最初に表示されるのは、問題がどのような形式で出題されるかを説明する画面です(画面5)。

画面5 TOEICを受験した方ならおなじみの画面。写真の説明を英語で聞き、正しい選択肢を選ぶ

 問題を聞いて、回答を選択肢から選んでクリックします。「NEXT」ボタンをクリックすると次の問題へ進みます。すべての問題を解き終わると、結果が表示されます(画面6)。残念なことに、結果は「○問中で正解は△問」という形式で表示されるだけです。せっかくTOEIC Mirrorという名前を付けているのですから、模擬試験の結果から予想される点数も表示してくれればいいのにと思います。

画面6 TOEIC Mirrorの結果画面。これを見る限りでは、リスニングよりもリーディングの方が正解率は高い。なぜだ?

 TOEIC Mirrorを受けてみたところ、音声データをダウンロードして、再生を開始するまでの時間が、TOEICのテストよりも長いような気がしました(わが家はCATVインターネット接続で、下りは最大3Mbit/s。実際に時間を計ったわけではないので気のせいかもしれない)。問題の内容は、TOEICと同じ形式で、難易度もほぼ同じだと思われます。

 TOEICのオンライン模擬試験は、ソースネクストでも行っています(画面7)。こちらは、試験時間がTOEICと同じ(リスニングとリーディングの合計で2時間)という本格派です。期間は15日間で、料金は3000円になります。期間内であれば何回でもチャレンジでき、点数も表示されるそうです。

画面7 ソースネクストが行っているTOEIC模擬試験の「Practice Test」。無料で試すこともできる

■連載を振り返って

 この連載を掲載している間に、TOEICを4回受けて点数はちょうど100点増えましたが、残念ながら目標の600点には届きませんでした。結果を表2にまとめました。リスニングの点数はかなり上がったのですが、リーディングの結果はさんざんに終わりました。「惜敗」と「惨敗」の中間くらいでしょうか。

 しかし、レベルはDの「通常会話で最低限のコミュニケーションができる」からCの「日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる」に上がることができました。この点は、この連載の成果だと思います。

連載回数(TOEICの回) リスニング リーディング 合計 Percentile Rank
第1回(第84回) 210点 220点 430点 22.6
第3回(第85回) 245点 200点 445点 26.8
第5回(第87回) 245点 220点 465点 28.5
第6回(第92回) 325 205点 530点 42.0
表1 これまでの成績

 残念ながら、自分の中では、英語力が向上したという意識はほとんどありません。ただ、勉強した分だけ点数が上がるということは分かりました。やはり、「毎日コツコツ」が基本です。私のように自宅で仕事をしていると、仕事に追われれば追われるほど、勉強時間が減ってしまいます。いえ、正直にいうと、勉強しなくなってしまいます。この点は反省しなければなりません。

 また、今回試した限りでは、学習教材によって学習効果に大きな差が出るかどうかは分かりませんでした。英語力を付けるよりもTOEICの点数アップを目標にするなら、連載の第4回および第5回で紹介した「TOEICテストパーフェクト600点」や「TOEIC TESTパーフェクト対策」などを利用するといいでしょう。私の場合は、「TOEIC TESTパーフェクト対策」が性に合っているようでした。

 勉強していて一番楽しかった教材は、なんといっても連載第2回で使った「英語上達 スタートレック」でした。これはいまでもたまに使って楽しんでいます。やはり、無味乾燥な英文や単語が並んだ教材よりも、興味を引くテーマを使ったものの方が楽しめますし、勉強も長続きします。

 コストパフォーマンスが高いと感じたのは、「イングリッシュタウン」(連載第7回で紹介)のようなeラーニング教材です。ただ、「イングリッシュタウン」のような教材は、毎日もしくは週に何日かは、1回につき1時間程度の学習時間が取れる人でないと学習効果は上がらないようです。私のように、忙しいときとそうでもないときの差が激しい仕事だと、なかなか続けることはできません。

 いまさらではありますが、私のようなケースでは、ソースネクストの「e4u」のように、短時間で学べる模擬問題を毎日メールで送信してくれるサービスを利用した方がよかったかもしれません。1日10分だけなら、仕事を始める前にちょっと勉強するということも可能ですから。

 取りあえず、連載は今回で一区切りとさせていただきますが、英語の勉強はこれからも地道に続けるつもりです。そして、近い将来、600点はおろか、730点以上を達成したいと思います。まだまだ「道」は続きます。

「連載 TOEIC 600点への道」


@自分戦略研究所の資格や学習に関連するサービス
ITトレメ

@自分戦略研究所の資格や学習に関する記事一覧
ORACLE MASTERはこう変わる!
XMLマスター:ベーシック試験のポイント
すぐに役立つJavaプログラミング学習法
ITエンジニアが語る わたしの勉強法
ORACLE MASTER Gold ポイント解説
エンジニアのためのLinux認定資格・試験ガイド
ネットワークエンジニア、CCNAを目指せ!
リレーエッセイ:エンジニアに資格は必要か?
泥縄式データベース勉強法
開発者が学ぶべきこと
体験レポート TOEIC 600点への道
自分戦略研究所、フォーラム化のお知らせ

@IT自分戦略研究所は2014年2月、@ITのフォーラムになりました。

現在ご覧いただいている記事は、既掲載記事をアーカイブ化したものです。新着記事は、 新しくなったトップページよりご覧ください。

これからも、@IT自分戦略研究所をよろしくお願いいたします。