ORACLE MASTER Silver DBA 重要ポイント再確認

特集・後半戦もついに終結!
ORACLE MASTER Silver DBA 重要ポイント再確認

有限会社 G.F.インフィニティ (Project - ∞)
2007/10/26

Oracle Net Services:Oracle Netサービス名

正解:a、c

参考:Oracleのネットワークのクライアント側構成を知る

 クライアントが使用するネットサービス名においては、「.」を使用した独自のドメイン名が利用できます。接続時にドメイン名の入力を省略できるようにするパラメータが、sqlnet.oraファイルの「NAMES.DEFAULT_DOMAIN」です。このパラメータで指定されたドメイン名は、接続時に省略することができます。

 この問題の例では、sqlnet.oraファイルのNAMES.DEFAULT_DOMAINパラメータで指定しているドメイン名は「AS.ORACLE.COM」、tnsnames.oraファイルのネットサービス名で指定しているドメイン名は「US.ORACLE.COM」と相違があるため、ネットサービス名PRODでは接続できない状態にあります。

 正解aのようにsqlnet.oraファイルのドメイン設定を「NAMES.DEFAULT_DOMAIN=US.ORACLE.COM」に、もしくは正解cのようにネットサービス名を「PROD.AS.ORACLE.COM」に変更し、ドメイン名を同一にすることで、ネットサービス名PRODで接続できるようになります。

 そのほかの選択肢の不正解の理由は次のとおりです。

選択肢b:「SERVER = DEDICATED」は、常に専用サーバ接続を行うためのオプションです。Oracleサーバが共有サーバ構成になっていると、Oracle Netによる接続のデフォルトは共有サーバ接続になります。明示的に専用サーバ接続を行いたい場合、「SERVER = DEDICATED」を指定します。

選択肢d:HOSTはホスト名、SERVICE_NAMEはリスナーが認識しているサービス名です。この問題に直接の関係はありません。

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UNDO管理

正解:a、b

参考:UNDO管理でOracleのデータを守る

 自動UNDO管理の構成は、次の3つのステップで行われます。

・自動UNDO管理の有効化
UNDO_MANAGEMENT初期化パラメータを「AUTO」にする(インスタンスの再起動が必要、正解a

・UNDO表領域の作成
CREATE UNDO TABLESPACEコマンドを使用してUNDOタイプの表領域を作成する

・UNDO表領域のセット
UNDO_TABLESPACE初期化パラメータにUNDO表領域をセットする(正解b

 自動UNDO管理に関する初期化パラメータにはもう1つ、UNDO_RETENTION初期化パラメータがあります。コミット後もUNDOデータを上書きせず、保存する期間を設定できます。

 UNDO_TABLESPACE初期化パラメータには、選択肢dのように「追加する」という考え方はありません。設定できるUNDO表領域は1つのみです。また、選択肢cのような初期化パラメータは存在しません。

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パフォーマンスの管理

正解:b

参考:Oracleのパフォーマンスを最適化する

 REDOログバッファの内容は、次のタイミングでLGWR(ログライタ)によりREDOログファイルへ書き込まれます。

  • コミット時
  • 3秒に1度
  • REDOログバッファの使用部分が全体の3分の1を超えたとき

 REDOログバッファへの待機が発生している場合、その原因としてREDOログバッファのサイズの問題とI/Oの問題の両方が考えられます。I/Oの問題である場合、ログスイッチが発生したときにチェックポイントが終わっていない、もしくはアーカイブログが作成されていないための上書き待機、ディスク側の競合の可能性があります。

 この問題の選択肢は、いずれもREDOログバッファへの待機の解決策となり得ます。しかし問題文中には「I/Oが集中している」とありますので、原因はディスク側となり、選択肢bが正解です。

 そのほかの選択肢の不正解の理由は次のとおりです。

選択肢a:I/O待機が発生していないのであれば、メモリ側のREDOログバッファサイズが原因である可能性があります。この問題ではI/O待機としているため、不正解です。

選択肢c:ログスイッチ時の上書き待機であれば、REDOロググループを増やすことで解決できます。この問題ではログスイッチ時待機とはしていないため、不正解です。

選択肢d:同様にログスイッチ時の上書き待機であれば、ログスイッチの頻度を決定するREDOログファイルサイズも原因になり得ます。この問題ではログスイッチ時待機とはしていないため、不正解です。

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予防的メンテナンス

正解:b

参考:Oracleでの問題発生を予防する

 しきい値を設定し、しきい値を超えたらアラートを出力する機能が「サーバ生成アラート」です。Enterprise Managerでサーバ生成アラートの結果を確認するには、Home(ホーム)タブページのアラートセクションを使用します(正解b)。

 ホームページは、アラートやパフォーマンス問題などのデータベース全体の情報を表示します。管理ページ(選択肢c)はデータベースやスキーマの管理機能へのリンクページ、パフォーマンスページ(選択肢d)はグラフィカルに現在の状態を確認できるページです。

 選択肢aのDBA_ALERTSというビューは存在しません。現在発生しているサーバ生成アラートを確認できるのは、DBA_OUTSTANDING_ALERTSビューです。

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バックアップ/リカバリの概要

正解:d

参考:Oracleのバックアップ/リカバリの仕組みとは?

 インスタンス障害が発生すると、Oracleサーバは停止します。次回のインスタンス起動時に自動的にリカバリが行われ、データベースの同期が取られます。

 データベースの同期が取れているかどうかの確認をするには、制御ファイルに格納された最後のチェックポイント情報とデータファイルヘッダに格納されたチェックポイント情報を比較します。この比較を行っているのが「SMON(System Monitor)」です(正解d)。比較の結果、チェックポイント情報が食い違っている場合は、REDOログファイルを読み込み、リカバリを行います。

 そのほかの選択肢にあるプロセスは、次のような処理を行います。

選択肢a:PMON(Process Monitor)は、サーバプロセスやディスパッチャなどのプロセスに障害があったときのクリーンアップを行います。また、インスタンス情報をリスナーに動的に登録する処理も行います。

選択肢b:MMON(Manageability Monitor)は、Oracle Database 10gから追加されたプロセスです。自動ワークロードリポジトリにスナップショットを作成したり、メトリックを計算したり、サーバ生成アラートをチェックしたりと、さまざまな管理処理を行います。

選択肢c:CKPT(Checkpoint Process)は、チェックポイントを制御します。チェックポイントを行う必要が発生すると、DBWRにデータベースバッファキャッシュから変更されたブロック(使用済みバッファ)の書き出しを指示し、制御ファイルとデータファイルヘッダにチェックポイント情報を記録します。

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データベースのバックアップ

正解:b

参考Oracleデータベースのバックアップを取得する

 バックアップ情報はRMANリポジトリに格納され、実際のバックアップファイルはOSのファイルとして保存されています。RMANのDELETEコマンドは、RMANリポジトリと物理ファイルの両方を削除します(正解c)。

 そのほかの選択肢にある処理を行うには、以下のコマンドを使用します。

選択肢a:CHANGE ... UNCATALOGコマンドを使用します。

選択肢b:OSコマンドを使用して物理ファイルを削除するだけです。ただし、RMANリポジトリに残った情報は実際には使用できませんので、CROSSCHECKコマンドを使用して期限切れにしておいた方がよいでしょう。

選択肢d:CHANGE ... UNAVAILABLEコマンドを使用します。RMANリポジトリもバックアップファイルも残っていますが、リカバリ時に使用されない状態になります。CHANGE ... AVAILABLEコマンドを使用して、有効に戻すことができます。

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データベースのリカバリ

正解:d

参考:リカバリ機能でOracleデータベースを復活させる

 制御ファイルがすべて損失した場合、制御ファイルを再作成するか、バックアップ制御ファイルを使用してリカバリを行うかのどちらかで対応します。

 バックアップ制御ファイルをリストアし、制御ファイルを再作成するスクリプトを作るというのがこの問題の正解です(正解d)。

 制御ファイルを再作成するCREATE CONTROLFILEコマンドは、ALTER DATABASE BACKUP CONTROLFILE TO TRACE;コマンドを実行することで、USER_DUMP_DEST初期化パラメータで指定したディレクトリに作成できます。

 そのほかの選択肢の不正解の理由は次のとおりです。

選択肢a:バックアップ制御ファイルをそのまま利用したリカバリです。この場合、バックアップ制御ファイルが認識している表領域情報が復活してしまうため、期待する結果にはなりません。

選択肢b:バックアップ制御ファイルをダンプするようなコマンドは存在しません。

選択肢c:制御ファイルのトレースを取得するコマンドを使用するには、データベースがマウントされている必要があります。インスタンスのみ起動した状態では使用できません。

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