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第2回 「何したい?」からスタート。KLabの少数精鋭インターン


松岡瑛理(@IT自分戦略研究所)
2010/9/10


インターンシップを実施する企業や参加する学生が増えてきた。「インターンシップでは何ができる?」「どんなスキルを得られる?」――インターンシップを行うIT企業の取り組みを紹介しながら、学生が気になる疑問に答える。

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 「これからインターンシップを始めます。で、何したい?」――こんな問い掛けから始まるユニークなインターンシップがある。

 「恋してキャバ嬢」などのソーシャルアプリでヒットを飛ばすKLab(クラブ)のインターンシップは一風変わっている。世の中にインターンはさまざまあるが、「一定期間内、決まった課題に取り組む」タイプが多い。しかし、同社の場合は企業からの課題は一切課されない。学生は、インターンシップ初日にまず自分の目標を設定する。目標は何でもいい。2週間という期間の中で、学生は目標を達成するための計画を練って、KLabの技術者の援助を受けながら成果物を制作する。この方式を、同社では「オーダーメイド」スタイルと呼んでいる。

 学生の自主性を重んじるスタイルは、どのような意図に基づいているのか。また、学生はこのインターンシップで何を得られるのか――。内実を探るべく、社長室 採用グル―プ 採用担当の坂本幸太郎氏、2007年に内定者としてインターンシップに参加した、研究開発部アプリケーショングループの本田裕昭氏に話を聞いた。背景には「インターンシップという機会を通じて意欲のある学生を徹底的に育てたい」という同社の揺るぎない教育方針が隠されていた。

「技術者が成長できる会社にしたい」という思いへの共感

――まず、KLabがインターンシップを始めた時期と、そのいきさつを教えてください。

社長室 採用グル―プ 採用担当<br>坂本幸太郎氏
社長室 採用グル―プ 採用担当
坂本幸太郎氏

坂本: 内定者を対象としたインターンシップを始めたのは2007年です。2009年からは内定者限定にせず、一般募集も行うようになりました。

 KLabのエンジニアは外部への情報発信や勉強会などを積極的に行っています。これらの取り組みから学生とのつながりが少しずつできてきて「会社の中を見てみたい」「将来的にKLabで働きたい」という要望を受けるようになったんですね。こういった経緯で、一般応募の話が具体化していきました。

本田:もともとKLabは「技術者が成長できる会社にしたい」という思いを非常に強く持っています。インターンシップに来てくれる学生は、その部分に共感してくれる人が多いです。

――なるほど。「KLabで働いてみたい」といった学生の要望から始まったインターンシップなのですね。ということは、インターンシップは採用活動とかかわりがあるということでしょうか。

坂本:はい。インターンシップは採用活動の一環として行っています。通常の選考フローを経てKLabに入社する学生もいますが、中にはありきたりの採用試験では自分を出せないという人がいます。インターンシップであれば、時間をかけてその人の本質を見られます。インターンシップで実力を発揮して本採用に至る学生もいますよ。 

「ここまで自由にやらせるインターンシップはほとんどない」

――ところで、学生が自分のやりたいことをできる「オーダーメイド」スタイルというのは、本当に自由なんですか。

坂本:自由ですよ。期間は2週間、働く時間も一応決まっていますが、KLabという会社そのものが「時間内に会社にいて働く」ことに価値をあまり置いていません。ですから、何をしても、いつまでいてもいい。ここまで自由にやらせるインターンシップはほとんどないのではないでしょうか。

――課題を決めてそのとおりにやってもらうのではなく、「オーダーメイド」スタイルという形式を取っている理由を教えてください。

本田:いろいろ理由はありますが、インターンシップは学生にとって「チャンス」だと思うんですね。普段はあまりかかわれない実際の開発現場に入れるし、モチベーションが高いプロフェッショナルもたくさんいます。インターンシップ期間中は、KLabの開発環境を好きなだけ使えるので、技術者にこれまで持っていた疑問を聞いたり、自分の考えを整理したりできます。こうした積み重ねを通じて、技術面に限らず自分がレベルアップするためのスキルを持ち帰ってほしいと思っています。

坂本:学生は、いまから始めようと思えば何でも始められると思うんです。良いアイデアを持っている人もたくさんいる。だけど、学生というだけで社会人と対等でないのはおかしいと思います。あとは、KLabの雰囲気を知ってほしいですね。研究開発部というと、重い空気が漂っているイメージがあるかもしれない。でも、KLabの開発部は面白そうに仕事をしている人が多い。そういうのは、中に入らないと分からないですから。

選考で求められる「本質的な頭の良さ」とは?

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