就職活動には欠かせない「業界研究」。特にIT業界を目指す学生にとって、企業向けITの世界について知っておくことは重要だ。桐蔭横浜大学で行われた、企業向けITの世界に関する講演の内容をレポートする。 |
12月8日、桐蔭横浜大学で、工学部および医用工学部の学生向けに、特別講演「業務ソフトウェア 〜オラクル研修講師が語る『ミドルウェアって何?』〜」が行われた。
日本オラクル 甲木洋介氏 |
講師を務めた日本オラクル オラクルユニバーシティ 第一研修部 シニアインストラクターの甲木洋介氏が、学生にとってなじみのないミドルウェアやIT業界の構造などについて解説した。IT業界への就職活動において欠かせない業界研究の一環として行われた講演の模様をレポートする。
冒頭で甲木氏は「会社としてではなく、個人の見解。今日は休暇をとって来ています」と断りつつ、最初に「ミドルウェアとは何か」について解説した。甲木氏はミドルウェアを「OSとアプリケーションの間にあるソフトウェア」であると説明し、代表的なミドルウェアとしてデータベース管理システムやアプリケーションサーバを挙げた。
ユーザーとしてシステムやWebサービスを利用しているときは意識されないミドルウェアだが、甲木氏は「IT業界への就職を考えているのであれば、この絵(編注:下記の「システム構成図」)を意識しておいた方がいい」とアドバイスをした。
システム構成図 |
続いて甲木氏は「ミドルウェアを取り巻く環境」として、IT業界全体を整理。「分類の仕方はいろいろあるが、『企業向け/一般向け』という軸と、『ハードウェア/ソフトウェア』という軸で整理するといい」と語った。
下記は甲木氏によるIT業界の分類である。代表的な企業と、それぞれの領域の市場動向も付記する。
補足として甲木氏は「企業向けと個人向けの違い」について解説。企業向けの場合、法律や業務ルールに準拠することや、利益を最大化するという目的があることなどを説明し、「企業はコンピュータシステムを趣味で導入するわけではない」と付け加えた。
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ここまでのまとめとして、甲木氏は「IT業界と一言でいっても多種多様な世界。しかも、どの領域でも生き残り競争が激しくなっている。自分の興味と照らし合わせて、しっかりと業界研究をしてほしい」と語った。
最後に甲木氏は、自らの経験をもとに「外資系企業で働くということ」について説明した。ポイントは「モノと対価」「変化への対応」「継続学習」「英語」の4つ。
「アメリカは日本企業と違って人情が通用しづらい。常に対価や費用対効果を意識しないとダメ」
「自分の勤めている会社が合併・吸収されて、社名が変わることはよくある。また、法律が変わって仕事に影響を及ぼすなど、変化が激しい」
「常に学習し続けないと、変化に対応できない。いまのうちから『呼吸をするように勉強する』癖をつけておいた方がいい」
「日本人以外の人と仕事をすることになる。特に外資系企業への就職を考えているのなら、英語はできた方がよい」
学生にとっては業務ソフトウェアや企業向けITは「未知の世界」だったようで、多くの学生が講演に聞き入っていた。企業向けITの業界への就職を考えている学生は、業界構造や市場動向をきちんと研究しておくとよいだろう。
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