テクノロジスペシャリストという仕事
「エンジニアを楽に」
研究から生まれる新たな世界
「COMPANY」シリーズにより、大手企業向けERPパッケージ市場で、国内No.1のシェア(※)を持つワークスアプリケーションズ。同社は「テクノロジスペシャリスト」という職種での募集を行い、実際にプログラムを書かせるユニークな採用方法を実施。「尖った人材」を採用していることで注目を集めている。
※市場占有率推移(パッケージ市場) 販売社数シェア/出典:富士キメラ総研 ソフトウェアビジネス新市場 2013年版 |
テクノロジスペシャリストへの軌跡 プログラミングにどっぷり浸かる毎日 |
ワークスアプリケーションズ アドバンスト・テクノロジー&エンジニアリング(ATE)本部 クラウド研究グループ 藤澤亮太氏 |
以後、藤澤氏は高専に進み、コンピュータ好きの友人たちの影響もあって、ますますプログラミングにのめり込んでいく。「高専3年生のころに、友人に勧められて結城(浩)先生の『Java言語で学ぶデザインパターン入門』を読んで、オブジェクト指向に触れた。大きいプログラムを組もうとしたときに、こうすれば簡単に組めると知った」
豊橋技術科学大学の学部および大学院でも情報系に進み、アルバイトではウェブアプリケーションのプログラミングを経験する。言語はPHPとJavaScriptだった。この経験を通じて、「ウェブの言語は自由な表現ができる言語だが、それ故に、自己流の”汚い”コードになってしまいやすい」と気付き、もっときれいにプログラムを書けないだろうかという課題を感じるようになったという。ちょうどそのころ、大学院での研究において、藤澤氏の関心はオブジェクト指向から、「関数型言語」に移っていった。
「入力・変換・出力の基本にのっとった方がきれいに組める、という思いが直感としてあった。そのなかで関数型に出合って、これは私の考え方と同じだと思った。Javaに関数型の概念を組み込んだScala(スカラ)という言語を皮切りに、いろんな関数型言語を扱うようになった。そのうちの1つがHaskellです」
ソースコードで自己アピール 価値が発揮できる仕事、環境へ |
このような藤澤氏が就活の際に重視したのは、「自分の価値を発揮できる仕事、環境」だった。ワークスアプリケーションズのことを知ったのは、検索エンジンで「新卒 Haskell」で検索したら、同社のテクノロジスペシャリスト採用のページがトップに上がってきたから。そして、「ウェブからエントリーして、その後に課題のプログラムを組んで送って、それをもとにした面接、というのはとてもいい選考フローだと思った」
プログラムの課題には、「ソースコードで自分をアピールしてください」と書いてあったという。「こんなことを意識してほしいんだろうなという点はしっかり織り込みつつ、自分のこだわりを前面に出したプログラムを送った。これで通らなかったら不思議だと思ったら、ちゃんと通った(笑)」。その後の面接では、「ソースコードの中身や研究内容の話をした際に、非常にするどいつっこみをされたので、こんなに技術に造詣が深い人がいるんだ、と驚いた」
ところで、ワークスアプリケーションズと言えば、エンタープライズ系のソフトウェアの会社。業務アプリケーションは一見、学生には縁遠いようにもみえるが、藤澤氏の場合は、そこはどのように考えていたのだろうか。
「オブジェクト指向を勉強していたときに、入門書によく、人事給与や会計の簡易な例が載っていた。それが実際の難易度の高い複雑なシステムではどうなっているのか興味があったし、基幹業務系は、プログラミングが特に貢献できる領域だと思った」
あるべき理想を描き進めていく研究開発スタイル テクノロジスペシャリストを飛躍させる環境とは |
採用のときに藤澤氏が魅力を感じた、「技術を大切にしている会社であり、技術に造詣の深い人が多い」という印象は、入社以後、実感に変わった。「お互いに切磋琢磨しながら、どんどん専門性がついていく。結局、誰と働くかが大事」。そして、「ワークスアプリケーションズには、今ある技術でどうするかだけでなく、どうあるべきかという理想を考える文化がある。研究開発をするエンジニアにとっては、非常に重要な文化です」と、藤澤氏は自信を込めて語る。
現在、エンタープライズのウェブ化は大きな潮流になっていて、JavaScriptでの開発が重要度を増している。「JavaScriptではイベントの扱いが重要。下手をすると、後から見たときに、何をしているのか分かりにくいプログラムになってしまう。この問題を、関数型の考えを応用して解決することに取り組んでいます。現在は、イベントが起こったことを一種のデータとして扱うFRP(Functional Reactive Programming)という手法を検証しています」。まずATE内で開発し、それをすでに幾つかの社内システムの開発に利用しているという。
「プログラミングは、知れば知るほど面白くなっていく。新しい概念を得ることによって、いままで組むのが難しかったプログラムがシンプルに書ける。それがプログラミングの醍醐味(だいごみ)」
藤澤氏はATEでの仕事環境について、「問題を見つけて、自分がこの問題を解決したいと言えば『ノー』とは言われない、自由な環境」と述べる。テクノロジスペシャリストは、社内で実際にアプリケーションをつくっている人たちがどんな問題を抱えているかを一歩離れて見る、ということが求められる。「基礎研究として、会社の外で使われている最新技術も検証しながら、起きている問題の解決策を示していくのも、われわれの役割です」
「エンジニアを楽に」 エンジニアがより高い価値を出す世界へ |
藤澤氏の今の研究内容が進んでいくと、ATEや会社全体に、どのようなインパクトが出てくると予想されるのだろうか。
「プログラムを組む以上は、『この部分は何をやっているのか』が分からないプログラムはまずい。保守も困難だし、どこかのタイミングで置きかえるときにも、やるべきステップを忘れてしまったり、逆に、古いコードをそのまま移してよく分からないものが残ってしまったりする。ゆくゆくは、『何をやっているか』が仕様のドキュメントとしてではなく、ソースコードとして残るような書き方にしていきたい。それをまずはうちの部署から始め、いずれは製品全体にまで広げていければと思っている」。
藤澤氏の夢は、「エンジニアを楽にする」こと。ERP系のエンジニアの仕事は、主に「お客さんの業務を想定し、こんな機能があったら業務をよりよく行えるのではと考える仕事」と、「実際にそれを実現する、プログラムを書く仕事」。現在は、後者に多くの時間がかかっているが、本来は前者の業務想定側、つまり、お客さんが何をしたいのかを、時間をかけてしっかり考えられるようにしたい。「そのために自分の技術力を使って、エンジニアがより高い価値を生み出すことができるような世界をつくっていきたいですね」
この世界によって、エンジニアの働き方が大きく変わっていくことだろう。
藤澤氏には、今の仕事の延長線上に、そうした夢を実現する道筋が見えているようだ。そしてその夢は、「自社のテクノロジのためだけでなく、日本のソフトウェアテクノロジを引き上げるエバンジェリストとして活躍する人材」という、テクノロジスペシャリストのミッションとがっちり結びついている。
◆研究部門への配属◆ 研究開発エンジニアの募集 |
提供:転職応援サイト イーキャリア |
気になる職種から求人を探す | |
|
提供:
株式会社ワークスアプリケーションズ
ソフトバンク・ヒューマンキャピタル株式会社
企画:アイティメディア営業企画
制作:@IT自分戦略研究所 編集部
掲載内容有効期限:2013年10月26日
|
|
|
|
|