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激流の中でITエンジニアが生き残るには?

景気が回復基調に乗り、SEが足りないといわれるようになって約2年。SEを求めている多くは、システムインテグレータやシステム開発会社だ。ここ数年、エンジニアの求人数は全職種の中でもトップクラスを誇る。そのため、キャリアアップ転職はもちろんのこと、未経験からの挑戦もしやすい状況にある。そんな転職市場を追った。

 「景気が良くなってきて、金融、テレコム、自動車セクターを中心に、多くの企業が情報システム投資を増やしています。これに伴い、どのシステムインテグレータ(SIer)でも人手不足。市場環境としては良いと思いますね」と、プロジェクト・マネージャとして豊富な経験を持つアイ・ティ・イノベーション取締役の能登原伸二氏はSIer業界の現状を語る。ただ、個々のSIer会社に目を向けると、単に市場環境の良さだけを手放しで喜ぶ状況ではないようだ。

 「汎用機からダウンサイジング、そしてWebアプリケーションへとシステム開発の流れが移る過程で、特定の会社の汎用機を使っていれば済む時代は終わり、ネットワークはシスコシステムズ、サーバはIBM、ストレージは日立製作所、データベースはオラクルというように、マルチベンダ的な対応を求められるようになっています。流行のセレクトショップのように、自社の“目利き”を生かしてセンスの良いシステムを構築していかなければなりません。技術的には、SIer個々の能力がシビアに問われる時代になったと感じています」

  業務への特化と生産性向上がカギ
株式会社アイ・ティ・イノベーション
取締役 コンサルティング事業部 執行役員
能登原伸二氏
株式会社ジャパンエナジーの情報システム部門で幅広い業務に携わる。現在はITベンダやユーザー企業の情報システム部門へのプロジェクト管理標準導入、PMO(Project Management Office)の運営、およびITプロジェクトにおけるプロジェクト管理支援コンサルティングを手がける。著書に『プロジェクト管理大全』(共著/日経BP社)がある

 SIer間の競争が厳しくなる中で、顧客ニーズも大きく変わってきている。業務の効率化一辺倒から、SCMやCRMによる顧客の獲得、銀行・証券や旅行会社をはじめとするEコマースのシステム開発など、SIerがカバーしなければならない領域は大きく広がっている。「技術的に難しいことを、競争力のあるコストでやらなければならない時代」(能登原氏)が到来したといえる。そこでは「SIerが生き残る道は2つに集約される」と、能登原氏はいう。

 「1つは、業務への特化です。金融、テレコムなどは毎年巨額のIT投資を行っていますが、こうした会社の業務に徹底的に精通することで特色を出すやり方です。業務ノウハウを追求していくことで、コールセンターのような業務そのものをアウトソーシングで受注する方法も考えられます。もう1つは、システム構築の生産性を上げることです」

 ただ、企業ごとにカスタマイズされる業務アプリケーションは自動車のように大量生産は不可能。『早く、安く、いいものを』というニーズに応えるのは容易なことではない。

 「業務システムはいわば“オートクチュール”。生産性を高める意味では、オブジェクト指向などは手法の1つでしょう。また、利幅が高く、一度導入してしまえば運用保守費を稼げるパッケージソフトの製作・販売なども、経営の観点からは選択肢の1つとして十分検討に値すると思います」

  中堅SIerを中心にM&Aの加速も

 大手金融、テレコム系、官公庁などの仕事は、その規模の大きさからして、どうしても大手SIer中心の受注とならざるをえない。こうした中、中堅のSIerは、成長性の高い新興企業をクライアントにしていくという戦略も考えられる。

 この場合は、「一度クライアントとして入り込めれば、その企業と一緒に成長でき、面白い仕事ができる可能性が高いのがメリット。一方で、共倒れになるリスクも抱える」(能登原氏)。その点、利幅は薄いものの、「営業コストのかからない大手の二次請け、三次請けとして生きていく道もある」と能登原氏はいう。今後中堅SIerは難しい選択を迫られるだろう。

 いずれの戦略をとるにせよ、これからのSIerはある程度の事業規模がないと生き残れないのも事実だ。「今後は、中堅SIer中心にM&Aが活発になる可能性がある」と能登原氏は予測する。ある程度の規模の追求は、単により大きい仕事を受注するためだけでなく、「人材育成の観点からも重要」だからだと能登原氏は指摘する。

 「ITの人材は、Step by Stepで育成していくことが重要。特に、オートクチュールである業務アプリケーションの開発プロジェクトに携わる技術者が、一朝一夕に育つことはあり得ない。本や講習だけでも育たない。やはりOJTで実践経験を積んでいかなければなりません。そうなると、未経験の人の面倒をみる人的余裕を持てる程度の事業規模はどうしても必要になってきます」

  「上流工程」を意識し一通り経験を積む

 優秀なIT人材となるためにはどうすればいいか。能登原氏が勧めるキャリアプランは、大きく2段階に分かれる。

 「将来どのような道に進むにせよ、最初は何でも経験することが重要です。具体的には、プログラマからスタートして、システム設計、チームリーダー。最低限ここまでは経験して、システムに関する一通りの仕事は知る必要があります。このレベルまで到達したら、次のステップとして、自分が生きる道を探せばいい」(能登原氏)

 キャリアアップを考える際、プロジェクトマネージャやシステムアナリスト、データベース、オブジェクト指向、ネットワークなどのITスペシャリストなどは人気職種である。しかし、これら上流職種のベースに流れている素養は一緒ということだ。

 「もちろん、ITスキルだけでなく、コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力、分析力、問題解決力、企画力といった成果に結びつくコンピテンシーも高めていく必要があります。両方のバランスがとれていないと、優秀なIT人材とはいえませんね」(能登原氏)

 現在、SIer業界の一部では、オフショアに対抗する究極の生産性アップの方法として、「ソフト開発の自動化」が検討されているという。将来不要な人材とならないためにも、より「上流」を意識したキャリアプランが重要になってくるといえそうだ。

躍進するIPO企業の実力「SIer編」 ITエンジニア積極求人企業


株式会社豆蔵
代表取締役副社長
山岸 耕ニ氏
株式会社豆蔵(マザーズ上場)
技術力というエンジンで顧客のビジネスで顧客のビジネスを加速させる

「技術革新の速さに追随しようとするするあまり、専門分野の深堀りだけにまい進するエンジニアもいます。しかしこれだけITが普及したいま、もはや“技術”という生の素材だけでは価値になりません。これからの時代で求められているのは、『高い技術力を持ち、ビジネス的な価値をITに吹き込むことができる』ITプロフェッショナルなのです」

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SBIベリトランス株式会社
技術部 部長
赤尾 浩平氏
SBIベリトランス株式会社(ヘラクレス上場)
Eコマースの発展の最先端に位置し開発に携われる喜び

「国内で初めてネットショッピングでのクレジットカード決済サービスを提供開始。現在はコンビニ決済、電子マネーとの連動など決済システムの多様化に取り組んでいます。今後Eコマースが拡大していくことを考えれば、いわば社会・経済の『新たなインフラ』の一部を開発し構築することになる。そこにITエンジニアとしての喜びがある」

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躍進するIPO企業の実力「SIer編」
ITエンジニア積極求人企業

株式会社豆蔵(マザーズ上場)

■設立:2000年
■従業員数:100名
■平均年齢34歳
■資本金:7億7,255万円
■売上高16億150万6,700円
■経常利益1億503万800円
■代表者荻原 紀男
■本社所在地:
 
東京都新宿区西新宿2-1-1
  新宿三井ビルディング34階
■募集職種:
 ・ビジネスソリューションコンサルタント
 ・組み込み系システムコンサルタント
 ・ソリューション営業

※「従業員数」から「経常利益」はすべて2005年12月現在の数値

SBIベリトランス株式会社(ヘラクレス上場)

■設立1997年
■従業員数:31名('05年7月現在)
■資本金:10億3,563万円('05年3月現在)
■売上高:9億4,432万7,000円('05年3月現在)
■経常利益2億2,578万1,000円('05年3月現在)
■代表者:代表取締役COO 沖田 貴史
■本社所在地:
  東京都港区六本木1-6-1 泉ガーデンタワー19F
■募集職種:
 ・開発マネジメント
 ・カスタマーサポート(未経験者歓迎)
 ・営業(マネージャー候補)