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フリーとして、自分の技術でキャリアを切り開くことを望むITエンジニアは多い。しかしフリーランスとして生き抜くことにはさまざまな不安もつきまとう。「安定した収入が得られるのだろうか」「万が一病気になった場合、生活の保障は……」。そんな悩みを抱えつつもフリーエンジニアとしての第一歩を踏み出し、「年収アップ」と「仕事のやりがい」の両方を手にしつつあるITエンジニアがいる。

  東京だけではなく
東海地域でもフリーエンジニアが活躍

 2005年の@IT自分戦略研究所 読者調査結果によれば、フリーランスや個人事業主として働くITエンジニアの割合は6%近くであり、今後フリーランスを希望する割合も13%を超えている。ここ最近の「ITエンジニアの売り手市場」という状況のもと、正社員として働くという選択肢がありながらも、あえてフリーランスを望むITエンジニアが増えてきているのである。

 この傾向は東京に限ったことではない。フリーエンジニアに仕事を紹介し、煩雑な経理処理の代行をするなど多方面からサポートを提供する首都圏コンピュータ技術者協同組合によると、名古屋を中心とした東海エリアでもフリー志望のITエンジニアは多く、フリーエンジニアが活躍できる案件も増えつつあるという。今回紹介する宮村雅博氏と西川貴広氏も、実は名古屋を中心とした東海地域で活躍するフリーエンジニアである。

  仕事に見合った報酬と
キャリアに結びつく仕事を求めて

 宮村氏と西川氏は30代半ばである。これまでは正社員のITエンジニアとして活躍してきた。そんな2人が正社員という身分を捨て、フリーランスとなる道を選んだ理由は何だったのだろうか。話を伺ってみると、その理由は大きく2つあるようだ。1つ目は「仕事に見合った報酬を得るため」。2つ目が「キャリアアップにつながる仕事をするため」である。単純にお金だけでもなく、やりがいだけでもない。その両方だ。

東海地域でフリーエンジニアとして活躍する宮村雅博氏

 具体的に記そう。宮村氏は汎用機のCOBOLプログラマから、PHPやJavaによるオープン系開発エンジニアへとスキルチェンジを果たした。受託開発業務が中心のベンチャー企業でセールスエンジニアを経験し、その後約10名のスタッフを束ねるプロジェクトリーダーになった。

 しかし、「徹夜でシステムを作るなど過酷な業務をこなしても、給料は上がらない。しかも、営業の仕事でお金の流れが見えてしまったのです。1つのプロジェクトを請け負うと会社に入るお金は大きいのに、現場で疲弊しながらも頑張っているスタッフにはまったくといっていいほどそれが回ってこない……。その過酷な現実、『構造的な理不尽さ』を目の当たりにしたとき、『このままではいけない』と強く感じました」(宮村氏)

 西川氏も同様だ。西川氏はVisual BasicやC、C++のプログラマからWeb系開発エンジニアを経て、プロジェクトマネージャへと着実にキャリアを構築してきた。在籍していたのは業務パッケージを中心に扱うソフトウェア開発会社で、主力パッケージの開発責任者であり、取締役まで務めた。しかし「会社から評価されたいと思って必死に頑張る。評価されると仕事が増える。もっと頑張るとさらに仕事が増える……。気が付けば自分だけが残業しているような状況でした。取締役になってお金は手に入りましたが、『これでいいのか。これが自分に対する正当な評価なのか』と思ったのです」。宮村氏も西川氏も、手にする報酬が自分の貢献度に見合っていないことに、大きなやり切れなさを感じたのである。

 それだけではない。社員は思いどおりの仕事が選べないという現実もあった。プロジェクトリーダーにはなってもマネジメント業務より雑務が多く、常駐先ではほかの開発案件のヘルプに回されるなど、理不尽な思いをすることもあった。何よりも「社員として会社に拘束され、1つの仕事に縛られていると、ITエンジニアとしての市場価値がどんどん下がっていく。それを食い止めたかった」(西川氏)

 2人ともプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャの経験があり、そのキャリアをもって転職し正社員として働くという選択肢もあったはずだ。しかしあえてその道を選ばなかった。「社員となったらまた同じことの繰り返しになる」と分かっていたからだ。

  フリーの不安を解消する仕組みで
年収も20〜30%アップの800万円前後に

 それでは宮村氏と西川氏は、具体的にどのようにしてフリーエンジニアとなったのだろうか。知識やキャリアがあっても、会社を辞めて「今日からフリー!」宣言をしただけですぐに仕事が舞い込んでくるほど現実は甘くはない。そのことは2人とも承知していただろう。安定した収入が得られるかどうかといった不安もあったはずだ。フリーとして活動することを決断した理由、「フリーでもやっていける」と自信を持てた理由とは何だったのだろか。

「自分の純粋な市場価値を知りたかった」と語る西川貴広氏

 宮村氏も西川氏も、厳密にいえば完全に独立したフリーエンジニアではない。先述した首都圏コンピュータ技術者協同組合の組合員である。この組合はITエンジニアに仕事を紹介するほか、確定申告のための経理業務の代行、病気やけがで仕事ができなくなった場合の保障などのサービスを提供してくれる、いわば「フリーエンジニア支援組織」である。宮村氏も西川氏も組合員となってフリーエンジニアとして活躍しているのだ。

 宮村氏は語る。「まず仕事を紹介してもらえることがありがたかった。そのうえ、企業と組合との案件の契約はすべて組合員に開示されるのです。『お金の流れ』の透明性が確保され、私たち組合員には契約金の93〜97%が入る。手数料は人材派遣会社などと比べて非常に低い。きちんと聞くまでは『どうも話がうますぎる』と半信半疑でした。『組合っていったい何だ?』なんて(笑)」

 しかし説明会に足を運び、担当者と話をしていく中で心配は消えていったという。「こちらがどういうスタイルで仕事をしたがっているか、本当に真摯(しんし)に聞いて受け止めてくれた。信頼感があれば、それをベースに思いっ切り仕事に打ち込めるでしょう。さまざまな保障もある。こういった環境で働けるならフリーでやっていこう、いややっていきたい! と強く思えたのです」。これが決断の理由だ。

 西川氏も「自分でもインターネットでフリーエンジニアを募集している企業を探し、直接アプローチしていました。スキルや知識、経験という点ではフリーでやっていく自信はありました。ただ心配だったのは病気や怪我をしたときの保障がないことでした。組合員になれば、その悩みも軽減できる。それなら本格的にフリーで活動していけると感じたのです」という。

 宮村氏も西川氏も組合員となり、フリーエンジニアとして活動することで年収が20〜30%アップしたという。現在、800万円前後を稼ぎ出している。

  年齢に応じた経験とスキル……
フリーで生き残るために必要なもの

 このようにフリーエンジニアとしての第一歩を踏み出した宮村氏と西川氏。2人は今後のITエンジニアとしてのキャリアプランについて、どう考えているのだろうか。ITエンジニアは40代、50代となったとき、それまで積み重ねてきたキャリアを年齢に合った立場でどう生かせるかがものをいう職業だ。ずっとフリーでやっていくことへの不安はないのだろうか。

 「まずは主体的に仕事を選び、力を付ける。これが当面の目標です。まだフリーとして走り始めたばかりで、将来の明確なビジョンは確立できていませんが、フリーの仲間と一緒に起業することも視野には入っています」(宮村氏)。「30代のいま、フリーとして徹底的に頑張って、この東海エリアで名前を売りたい。実績を積みつつ、語学力、コミュニケーション力、マネジメント力などのヒューマンスキルを高める。これが当面の目標です」(西川氏)

 2人は、フリーとしての将来についてこういい切る。「フリーにもリスクはあるが、正社員にもリスクがある。終身雇用という考え方はすでに崩壊し、受託開発中心の開発会社がずっと生き残っていける保証はどこにもない。正社員だから、フリーだからではなく、ITエンジニアとして年齢に合った経験とスキルを身に付けることこそ重要。それができれば40代でも50代になってもフリーでやっていける」

 自分自身で未来を切り開く道を選択した宮村氏と西川氏。2人とも現状には「とても満足しています」とのことだ。組合とは納得できるまで話し合い、本当にやりたい仕事を選ぶ。頑張った分、すべてが自分のリターンになる環境を手に入れたのだ。

 もちろん自己責任のリスクもあるが「とにかくストレスから解放されました」(西川氏)という。「フリーになろうかどうしようか迷っている人には、チャレンジはした方がいいといいたい。ただし実力が伴ってからです。会社が受けた100の仕事に対し、自分が120、130の働きを提供できているなと感じたら、それがフリーへの『なりどき』です」(西川氏)。挑戦あるのみだ。道はきっと開けるだろう。

将来の自分のためになる仕事を選択するために

 首都圏コンピュータ技術者協同組合は、フリーエンジニアの活動を支援する協同組合である。営業や経理、確定申告での税務対策、福利厚生などのサポートのほか、独立開業などの法律相談にものってくれる。2005年10月現在の組合員数、すなわちフリーエンジニアの人数は約1400名に上る。

首都圏コンピュータ技術者協同組合 名古屋営業所所長 松本浩敬氏

 名古屋を中心とした東海エリアは、伝統的に製造業によって支えられてきた地域である。そのためか「雇用形態も働き方も『正社員』が当たり前という意識がまだ強い」(首都圏コンピュータ技術者協同組合 名古屋営業所所長 松本浩敬氏)という。しかしITエンジニアの世界では、必ずしもその考え方が正しいとはいい切れない。「スキルと経験が重視されるITエンジニアの世界では、働き方こそ重要。動きの激しいIT業界では、終身雇用という考え方はすでに消滅した。その中で、自分のキャリアビジョンをどう確立すべきか。それを考えてみてほしいのです」(松本氏)。将来のビジョンが明確であれば、それを基に「いま、何をすべきか」「どんな仕事でキャリアを磨くか」も見えてくる。本当に将来の自分のためになる仕事を主体的に選択して働くことができる。「それこそがフリーエンジニアという働き方なのです」(松本氏)

 名古屋営業所では、毎月1回の「ITキャリアフォーラム」のほか、随時「説明会」を開催している。「説明会は少人数制で、随時質問に答えることができます。実際にマンツーマンで話し合えば悩みや不安が解消され、本当に自分がやりたいことも明確になると思います。3回も4回も説明会に参加し、ようやくフリーになる決心をした人もいます。納得するまで一緒にキャリアを考えましょう」(松本氏)

 5月20日には、東海地域でフリーエンジニアとして活躍するための「ITキャリアフォーラム」も開催する。詳細は以下を参照していただきたい。



フリーエンジニアに向いているかを10問で確認チェック!
1 10年先の人生の目標を立てている
2 自分のキャリアアップに繋がる仕事を選びたい
3 日本の終身雇用制度はもう信用ができない
4 エンジニアらしくないと言われることがある
5 気持ちの切り替えが早い
6 スキルアップを常に意識している
7 自己管理がしっかりできる
8 スキルに見合った高収入に繋げるための苦労はいとわない
9 機会があれば起業したい
10 将来の夢を考えるのが好きだ

YESが10〜7の人:フリーエンジニアや独立起業に向いています。いますぐ相談会へ!
YESが6〜4の人:しばらくは現状のままがいいでしょう。いつかは独立するのも悪くないかもしれません。
YESが3〜0の人:フリーエンジニアには向いていません。現状のまま会社勤めがいいでしょう。


【ITキャリアフォーラム in名古屋】
■開催日程
2006年5月20日(土) 11:00〜14:00
軽食をご用意しています

■内容
「IT業界におけるフリーエンジニアの動向」
「収入2倍を実現できるフリーエンジニアとは…」

■対象者

ITエンジニアの方ならどなたでもご参加できます。
以下のような悩みをお持ちの方には、特に役立つセミナー内容となっております。
・フリー(個人事業主)としての働き方に興味を持っている
・将来のキャリアについて相談できる相手がいない
・フリーとして活動したいが自分のスキルで対応できるかわからない
・現在の働き方に不安・不満を持っている
・評価に見合った収入を得たい
・派遣社員、契約社員、個人事業主の違い(メリット、デメリット)を知りたい

■会場
名古屋銀行協会 大ホール
愛知県名古屋市中区丸の内2-4-2
Tel:052-231-7851
地図

■お問い合わせ・申し込み方法
申し込みフォーム
東京会場 03-3473-9877 担当小野
名古屋会場 052-205-8050 担当松本


注目企業インタビューIndex


首都圏コンピュータ技術者協同組合
企画:アイティメディア営業本部
制作:@IT編集部

掲載内容有効期限:2006年5月21日

組合情報
■名称:首都圏コンピュータ技術者協同組合
(通称 MCEA:Metropolitan Computer Engineer Association)

■認可:

通商産業省 東京通商産業局 東産認協第 1443 号
官公需適格組合証明 通商産業省 関東通商産業局 9 関産商中振第 2016号

■本部所在地:
〒108-0074
東京都港区高輪2-15-8 グレイスビル泉岳寺前
電話:03-3473-9877 / FAX:03-5798-7589

■設立:平成元年5月1日

■出資総額:7000万円

■組合員数:1400名

■役員:
理事長 真杉 幸市
理 事  篠原 博
理 事  山崎 義朗
監 事  津吹 広明

■組合員資格:
イ)ソフトウェア業を行う事業者であること
ロ)組合の地区内に事業場を有すること

■地区:
1都2府19県
東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、宮城県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県、長野県、新潟県、静岡県、大阪府、京都府、兵庫県、三重県、滋賀県、岡山県、奈良県、和歌山県、沖縄県及び広島県の区域

■出資について:
出資 1 口の金額  5万円
【ITキャリアフォーラム】
■開催日程
○東京会場
2006年5月13日(土) 10:00〜14:00
首都圏コンピュータ技術者協同組合東京本部

○名古屋会場
2006年5月20日(土) 11:00〜14:00
名古屋銀行協会大ホール

両会場とも軽食をご用意しております。お気軽にお申し込みください。

■内容
「IT業界におけるフリーエンジニアの動向」
「収入2倍を実現できるフリーエンジニアとは…」

■対象者

ITエンジニアの方ならどなたでもご参加できます。
以下のような悩みをお持ちの方には、特に役立つセミナー内容となっております。
・フリー(個人事業主)の働き方に興味がある
・フリーとして自分のスキルで活躍できるか知りたい
・現在の働き方に不安・不満を持っている
・評価に見合った収入を得たい

■お問い合わせ・申し込み方法
申し込みフォーム
東京会場 03-3473-9877 担当小野
名古屋会場 052-205-8050 担当松本
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