アクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズ(ATS)は、2006年11月に北海道に開発拠点「北海道デリバリー・センター」を設立した。その背景に「地方のエンジニアを元気にしたい」という同社代表取締役社長 安間裕氏の意図がある。北海道デリバリー・センターの設立の狙いと、同センターにかける今後の夢を追う。 |
ものを作ること、未解決の技術的なトラブルを苦労の末に解決することが「このうえない喜び」だと語り、「私はエンジニア」と断言する安間氏は、アクセンチュアのシステム・インテグレーションを担う戦略的SI部隊を集めたATSを2002年8月に立ち上げた。それ以来、自らも1人のITエンジニアとして、「エンジニアを幸せにしたい」「IT業界の現状を変えたい」という思いでATSを率いてきたという。安間氏がけん引するATSはその後順調に成長し、2007年11月現在で約650名の社員を擁するまでとなった。そして安間氏の「エンジニアを幸せにしたい」計画は、第2段階を迎えている。
写真1 ATS 代表取締役社長 安間 裕氏 |
海外でシステム開発を行うことをオフショア開発というのに対して、ニアショア開発という言葉をご存じだろうか。ニアショア開発とは国内地方都市での開発を指す。
海外エンジニアを使うことによる言語、文化、商習慣の違いがなく、大都市圏に比べコストを抑えられることから、ニアショア開発がいま注目されているのだ。しかし安間氏が考えたのは経済合理性ばかりでない。
「エンジニアは東京だけではなくて、地方にもいっぱいいる。私は地方のエンジニアも幸せにしたい。システム・インテグレーションの仕事を海外ではなく、国内地方都市に持っていって、まずエンジニアに元気になってもらう。それが経済波及効果を生んで、地方が元気になる。すると地方のわれわれのお客さまも元気になる」。プラスの相乗効果が期待でき、面白いことがいっぱいできそうと語る安間氏は屈託なく笑う。この考えに基づき、ニアショア開発拠点として最初に設立したのが、北海道デリバリー・センターだ。
北海道で世界レベルの仕事ができる
同センターのセンター長A.O氏は、「北海道デリバリー・センターでは、“Local hire、Local assign、Clients anywhere”をコンセプトに、全国のシステム開発案件を北海道で採用したメンバーが北海道で開発をしています」と説明してくれた。
北海道は景気が十分に回復しておらず、SI(システムインテグレーション)業界も決して良い状況とはいえない。この状況下で道内のITエンジニアは、自分のキャリアを高める機会が非常に少なかったという。「北海道デリバリー・センターでは、ATSの世界標準の方法論に基づき、大規模な案件や革新的なITソリューションを必要とする案件を開発していきます。自分が成長できる案件に携われることが、北海道デリバリー・センターで働く最大のメリットでしょう」(A.O氏)。
写真2 北海道デリバリー・センターでの打ち合わせ風景 |
成長できる環境があることは何よりの幸せ
もう1つ北海道デリバリー・センターの特徴として、「設立間もないこともあり、メンバーのモチベーションが非常に高い」ことをA.O氏は挙げる。「自分たちで自分たちの組織をよりよくしていこう」「北海道のエンジニアの実力を証明してやろう」という意識が高いそうだ。ご存じのとおり、システム開発を成功させるための重要な要素にチームワークがある。モチベーションの高いメンバーとともに仕事ができることは、エンジニアにとって何よりの幸せだろう。
「ここでは単にSIの仕事ができるだけでなく、成功・成長していけるモデルがあり、さらに目標への高いコミット力のある仲間とともに実現できる。仕事を通じて自分も成長できると実感できています」と、現在某独立行政法人の会計システムの改修プロジェクトを担当しているシニア・システム・アナリストのT.Kさんが、同センターで働くメリットを教えてくれた。
某通信系企業のデータセンターがエンドユーザー側に提供する機能のポータルサイトを構築しているシニア・ソフトウェア・エンジニアのY.Mさんは、「前職と比べて、仕事のスピード感覚が違うなという印象が強いですね。求められるスピードを実現するために、プロジェクトメンバーみんながいろいろ工夫をしながら開発を行っています」という。短期間でさまざまな経験ができ、自分を成長させる非常にいい環境だそうだ。さらに「キャリアカウンセラーが個人のキャリアパスをしっかりサポートし、またプロジェクトにおける個人としてのパフォーマンスをきっちりと評価してくれるのがエンジニアとしてうれしいですね」と、ATSのキャリア支援制度にも満足している。
「より効率的な仕事の進め方とは?」「よりよいシステムにするためにはどうしたらいい?」「よりよい職場環境を実現するには?」といった活発な意見交換の場があることがうれしいというのは、ソフトウェア・エンジニアのM.Mさんだ。
M.Mさんは現在、Javaベースのオンラインショッピングサイトの改修プロジェクトを担当しており、東京オフィスのエンジニアとともに、北海道にいながら要件定義フェイズから参画している。「北海道デリバリー・センターのメンバーは向上心が高く、自信と責任感に満ちあふれています。ATSの世界標準の方法論がしっかり定義付けられているので、仕事のやり方への安心感もあります」と、同センターでの働き甲斐を語ってくれた。
写真3 北海道デリバリー・センターのオフィス |
北海道で要件定義を行う方法を一緒に考えよう
2006年11月に設立し、メンバーも充実して仕事し、順調なように見えるが、安間氏は「1段目のロケットがうまく噴射した段階」だという。「政府や自治体の方々やアライアンスパートナーさまに支援いただき、1段目のロケットがうまく噴射できたのは素晴らしいと思っていますが、これから2段目3段目のロケットを噴射させるところです」
安間氏は、新しい形のニアショアデリバリ・センターを構想している。「リモートで要件定義ができるニアショアデリバリ・センターを北海道で実現する。世界のアクセンチュアでも事例がないからチャレンジしたいのです。IPv6を使えばNGNが実現できる。せっかくそういう世の中になのだから、バーチャルな要件定義ができていいだろうと」
しかし、ネットミーティングや電話会議システムというツールでは、それは実現できないと安間氏は考えている。「要件定義には、ときに『ねえねえ、ちょっと考えたんだけど』といったスピード感が重要。隣に座っていて、体温が感じられないとできないところがある。だからネットミーティングや電話会議システムではない、何か新しい仕事のやり方があればと、あれこれ考えています。まだ具体的な解はないですが、北海道デリバリー・センターの連中と、これから同センターに参加してくれるエンジニア魂のある方々と、その新しい仕事のやり方を見つけて、北海道で新しい形のニアショアデリバリ・センターを具現化してみせます」と力強く語る。
北海道で新しい形のニアショアデリバリ・センターを実現する、その安間氏の熱い思いがあるからこそ、北海道デリバリー・センターは熱意あふれるエンジニアが集うのだろう。
「われこそ」と思う北海道在住または北海道にUターン・Iターンを希望しているエンジニアは、ATSへの転職を検討してみるのはどうだろうか。
最後に、インタビューに応じてくれた4人に、一緒に働きたいエンジニア像を聞いた。
A.Oさんが一緒に働きたいエンジニア |
・北海道にいて、どこにも負けないキャリアを積みたいと思う方 ・自分の目標を持って、組織と共に成長していきたいという方 ・主語が自分。「上司がこうだからできない」「会社がこうだからできない」「北海道ではできない」ではなく、「私はこうしたい」「私はこうすればできると思う」と、ポジティブに考え、語れる方 |
T.Kさんが一緒に働きたいエンジニア |
・クライアントの要求にしっかりと応えたい方 ・ある領域のスペシャリストになりたい方 ・大規模案件の開発チームをリードしたいという方 ・組織や個人の成長を実感したいという方 ・北海道に住みたいという熱意がある方 |
Y.Mさんが一緒に働きたいエンジニア |
・「こんなことをしたい!」「もっと自分はやれる!」と日々の仕事で物足りなさを感じている方 ・札幌で生活はしたいけど、仕事の内容としては東京がいいなと思っている方 |
M.Mさんが一緒に働きたいエンジニア |
・「自分が向いているかどうかより、自分に合う環境にどんどん変えてしまおう」と思える方 |
北海道デリバリー・センター エンジニア経験者採用情報 |
■募集要項 【職種】 ソフトウェア・エンジニア、システム・アナリスト 【仕事内容】 企業の経営革新のための戦略・業務改革を実現するシステムの要件定義、基本設計、 詳細設計、実装、テスト、保守 【応募要件】 ・北海道で、革新的なITソリューションを必要とする大規模案件を担当してみたい、企業革新の実現にエンジニアとして携わりたいという熱意のある方 Web・オープン系、パッケージソリューション、ネットワークインフラ・ミドルウェアのいずれかの開発経験をお持ちの方 ・システム開発プロジェクトでのチームリーダー、プロジェクトリーダーとしてキャリアアップをお考えの方 |
■待遇・諸制度 【給与】 経験・スキルを考慮のうえ、当社規定により優遇 【給与改定】 年1回(9月)、業績賞与年2回 諸手当 通勤費実費支給、住宅手当、出張手当、超過勤務手当 【勤務地】 北海道札幌市中央区北1条西3丁目2 井門札幌ビル ※転勤はありません。 【勤務時間】 9:00〜18:00(フレックスタイム制度あり) 【休日・休暇】 完全週休2日制、祝日、年末年始、年次有給休暇(初年度12日)、傷病休暇、結婚休暇、配偶者の出産休暇、忌引休暇など 【福利厚生】 制度:各種社会保険、財形貯蓄、退職金制度 【その他】 制度:各種法人会員及び契約施設・ホテル、各種クラブ活動 【教育・研修】 アプリケーションデリバリー、テクニカルスペシャリティ、プロフェッショナルデベロップメントといったカテゴリでさまざまな研修があります。また資格補助制度も設けています。詳しくはATSのWebサイトをご覧ください。 |
応募方法、選考プロセスは、ATSのWebサイトをご覧ください。 |
経験者採用キャリアセミナー【東京・札幌】 |
■5月24日(土) Iターン・Uターンセミナー |
アクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズ株式会社
企画:アイティメディア営業本部
制作:@IT自分戦略研究所編集部
掲載内容有効期限:2008年1月31日
会社概要 |
アクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズは、2002年8月よりアクセンチュアから派生した、テクノロジーのスペシャリスト集団で、オフショア開発の拠点となるグローバル・デリバリー・センターも合わせると、全世界で7万人以上(2007年10月末時点)の社員が在籍・活躍しています。 多くのSI企業のように、システム構築だけをスコープするのではなく、アクセンチュアのコンサルタントと一体となってプロジェクト全体を見渡し、経営課題から業務改革そして、システムの上流から下流まで関わり、ビジネス価値の創造をゴールにプロジェクトを推進しています。 |
会社名 アクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズ株式会社 |
本社所在地 東京都港区赤坂1-11-44 赤坂インターシティ |
代表取締役社長 安間 裕(あんまゆたか) |
設立 2002年8月 |
従業員数 約650名(2007年11月現在) |
拠点数 全世界に40拠点以上 |
関連会社 アクセンチュア |
北海道デリバリー・センター概要 |
名称 アクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズ株式会社 北海道デリバリー・センター |
所在地 北海道札幌市中央区北1条西3丁目2 井門札幌ビル |
設立 2006年11月 |
従業員数 23名(2007年11月現在) |
北海道デリバリー・センター エンジニア経験者採用 |
■募集要項 【職種】 ソフトウェア・エンジニア、システム・アナリスト 【仕事内容】 企業の経営革新のための戦略・業務改革を実現するシステムの要件定義、基本設計、 詳細設計、実装、テスト、保守 【応募要件】 ・北海道で、革新的なITソリューションを必要とする大規模案件を担当してみたい、企業革新の実現にエンジニアとして携わりたいという熱意のある方 Web・オープン系、パッケージソリューション、ネットワークインフラ・ミドルウェアのいずれかの開発経験をお持ちの方 ・システム開発プロジェクトでのチームリーダー、プロジェクトリーダーとしてキャリアアップをお考えの方 |
■待遇・諸制度 【給与】 経験・スキルを考慮のうえ、当社規定により優遇 【給与改定】 年1回(9月)、業績賞与年2回 諸手当 通勤費実費支給、住宅手当、出張手当、超過勤務手当 【勤務地】 北海道札幌市中央区北1条西3丁目2 井門札幌ビル ※転勤はありません。 【勤務時間】 9:00〜18:00(フレックスタイム制度あり) 【休日・休暇】 完全週休2日制、祝日、年末年始、年次有給休暇(初年度12日)、傷病休暇、結婚休暇、配偶者の出産休暇、忌引休暇など 【福利厚生】 制度:各種社会保険、財形貯蓄、退職金制度 【その他】 制度:各種法人会員及び契約施設・ホテル、各種クラブ活動 【教育・研修】 アプリケーションデリバリー、テクニカルスペシャリティ、プロフェッショナルデベロップメントといったカテゴリでさまざまな研修があります。また資格補助制度も設けています。詳しくはATSのWebサイトをご覧ください。 |
応募方法、選考プロセスは、ATSのWebサイトをご覧ください。 |
経験者採用キャリアセミナー(東京) |
■5月24日(土) Iターン・Uターンセミナー (札幌・福岡対象、東京開催) ■日時 2008年5月24日(土曜日) 13:00 - 15:15(12:45開場) ■会場 御茶ノ水周辺 (エントリーされた方に追って詳細をお知らせします) ■参加方法 参加をご希望される方は、eメールにて、以下の項目をお知らせ下さい。 タイトル:「5/24 Iターン・Uターンセミナー参加希望」 1. お名前(ふりがな) 2. 年齢 3. 現在のご職業 4. 連絡先電話番号(当日緊急時にご連絡が可能な番号) 5. 何を見て申込みされましたか 6. 当日の個別面接希望の有無 (面接希望の方は履歴書を添付してお申込み下さい。書類審査通過者は 当日面接をお受け頂けます。) ■宛先 ATS.JapanEH@accenture.com ■申込期限 5月22日(木) 18:00 |
■ATSリンク集 |
ビジョン(社長メッセージ) 代表取締役社長である安間裕が、アクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズの設立経緯や今後のビジョン、求める人材像を熱く語ります。 |
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