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 多様化するITエンジニアのキャリアパス。ITエンジニアのキャリアパスの1つとして、「講師」を考えている人は多くはないが、それは講師という職業についてよく知られていないためではないだろうか。

 そこで、講師とはどのような仕事で、どういった部分にやりがいがあるのか、5年間のエンジニア経験の後、富士通ラーニングメディアに転職して、プロジェクトマネジメント研修を中心に、ヒューマンスキル研修や新入社員研修の講師を担当する大木宏昭氏(33歳)に、講師の仕事を選んだ具体的な理由や現在の仕事内容などを伺った。

順調なエンジニア生活。しかし……

 学生時代、社会学部に在籍し、就職先はマスコミなどを考えていた大木氏。しかし、就職活動を行ううち、「SEは意外と文系が向いている」との話を聞いて、エンジニア職に興味を抱き、金融機関の情報システム子会社に就職。勘定系システムのプロジェクトの一員として、設計・製造、テストといったシステム開発の工程を一通り経験し、3年ほどすると、10人月未満の小さいプロジェクトのリーダーを任されてマネジメント業務に当たるなど、SEとして順調にキャリアを重ねていた。

 しかし、大木氏が転職を考え始めたのは、それからすぐのこと。SEの仕事も決して嫌いではないし、職場の雰囲気や人間関係にも何ら不満はなかった。だが、SEとして経験を深めていくほど、大木氏には自分の仕事が「誰かのためになっている、人の役に立っている」という実感が乏しいことに疑問が生じてきたという。「金融機関のシステムは巨大で、例えばATMでの預金の引き出しが24時間可能になったとしても、自分が担当していたのはその一部分。もっと直接的に、人のために役立っていると実感できる仕事がしたいという思いが生まれてきたんです」(大木氏)。

仕事をする中で気が付いたヒューマンスキルの重要性

 そう語る大木氏は、自身がSEとして経験を積む中で、「成果を上げるために必要なのは技術だけではないのではないか」と考えるようになったという。技術力を上げた必ずしもパフォーマンスが上がるわけではない。いまでこそ、ヒューマンスキル、人間力といった考え方はビジネスにおいて当たり前のものとして受け入れられているが、当時はまだそんな言葉もなかった。しかし、大木氏は「それ(人間の本質な能力を上げること)こそが大事で、部下にもいい仕事をしてもらうためには、そこを気付かせる必要がある」と確信したという。SEとして技術志向が悪いとはいわないが、それだけでだめなのではないか。「ヒューマンスキルを高めることが技術を身に付けることにも効果的だということに、気付いてほしいという思いがわいてきたんです」。

エンジニアに気付きを与えたい、彼らの成長を支援したい……。そう思い転職を考え始めた大木氏は人材紹介会社に登録。人材教育に関心があり、そういった業界への転職を希望していることをコンサルタントに話したところ、いくつか紹介を受けた中の1社が富士通ラーニングメディアだった。SE時代に研修会社の講習を受講した経験も手伝って転職後のイメージもしやすかったのだろう、最終的に大木氏は富士通ラーニングメディアへと転職を果たす。2002年3月のことだ。

講師という仕事のやりがい

 
  富士通ラーニングメディア
研修事業部 大木宏昭氏

 転職して6年、富士通ラーニングメディアでもすでに中堅となっている大木氏。大木氏が考える講師という仕事のやりがいは何だろうか。

 「エンジニアの成長に役立っている、貢献していることを直接、肌で感じることができる点でしょう。研修の際に『業務に役立つ』とか『参考になる』と言葉を掛けてもらうことがあるとうれしいですね。また、受講者が自身の強みや弱みを認識し、新たな視点に気付くことができたときです。目の色が変わったり、発言や行動が変わったりする受講者を見ていると、強くやりがいを感じます」と大木氏は話す。

 「人のために役立つ仕事をしたい」「エンジニアに気付きを与えたい」。そう考える大木氏にとって、やはり自らの手でエンジニアの成長を支援できる、そのことこそが講師という仕事のやりがいにつながっている。

講師の業務にはクリエイティブな側面も多い

 大木氏にインストラクション以外の業務を聞いてみた

  インストラクション以外の仕事にはどんなものがあるかというと、新規コースや教材の検討・開発、既存コースのブラッシュアップ、そのほかには会議を含む社内業務や、自分自身のスキルアップのための勉強など。


 大木氏のようにリーダークラスになると、チームのスケジュール管理を含むマネジメントや営業に同行して、クライアントにコースの内容を説明したり、要望を聞いたりといった業務もこなす。また、富士通グループやユーザー企業との間の研究活動に参加することもあるため、インストラクション以外の仕事もいろいろとある。。

研修コース誕生の裏側

 実際の新コースの企画・開発などは以下のような工程で行われる。

図1 新コースの企画・開発フロー図

 富士通ラーニングメディアの場合、新しい研修コースの立案は、受講者からの声やクライアント企業の声、また富士通からの意見や提供される素材といったものを基に、市場のニーズも考慮し、新コースの企画を立てていく。「会社」として企画を進めるかどうかをまず「会社の意思決定会議」で検討され、立案された企画は、検討しあう場として、月に1回行われる研修事業部内の「コースレビュー会議」や随時行われる全社的な「知のサービス開発会議」が活用される。

 こうした企画会議でGOサインが出ると、続いて教材開発にとりかかる。基本は担当講師が1人または複数人で執筆するが、協力機関に依頼することもある。教材開発に費やす期間は1カ月〜3カ月程、それに合わせてインストラクションのシナリオや演習のシナリオなども作成する。

 トライアルは義務付けられていないが、特にゼミナール形式のコース(グループワーク等の演習形式)の場合は、その時間内で目標とするアウトプットができるかどうか、すべての内容を試すこともあるという。

 実際にコースを開催した後も受講生の意見を聞くなどして、日々の改善、ブラッシュアップは欠かせないそうだ。

 講師と聞くととにかく「教える」というイメージが強いが、大木氏の仕事ぶりを聞くと、実際にはコースの企画開発や情報収集といったクリエイティブな面もかなり多いことが分かる。

スキルアップやキャリアパス……、会社のバックアップ体制も充実

富士通ラーニングメディア
研修事業部長 越野洋一氏

 講師という仕事柄、常に自分自身のスキルアップは欠かせない。富士通ラーニングメディアでは半年に一回面談をし、本人のやる気や会社からの要望などを合わせて、スキルアップやキャリアアップのためのさまざまな支援体制を備えている。例えば、業務に必要な資格取得のための研修受講料や受験料などは全額バックアップ。また、富士通ラーニングメディアの研修事業部は技術領域からヒューマンスキル領域などのテーマ別に現在8つほどのグループに分かれているが、ほかのグループの研修を受けたり、ローテーションでグループ間を異動したりするなど、講師としての幅を広げられるような場を与えられる。

 大木氏のようにSEとしてのキャリアはあってもインストラクション経験がない人に対するサポート体制も手厚い。富士通ラーニングメディア 研修事業部長 越野洋一氏によれば、「インストラクション経験のない人は、ハイレベルのプレゼンテーション研修をみっちり受講して、まずはインストラクションの基礎を学んでもらいます。短い人でも最初に受講者の前で講習を実施するまでに最低でも3カ月くらいは準備をしますね」もちろん、講師経験者で過去に担当していたコースと同様のコースが富士通ラーニングメディアにもあって使用教材も同じというようなケースの場合は、品質レベルのチェックをした後、すぐにコースを担当することもあるそうだが、こうした例は少ないとのこと。

講師誕生までの道のりも手厚くサポート

 実際に講師として仕事をするためには、まずは自分が担当する講習を実際に受ける。次に先輩が行う講習にサポートとして入る。最後に教材や演習の内部リハーサルを経て講師デビューというわけだ。特にゼミナール形式のコースなどはファシリテーション能力が要求されることもあり、実際にやってみないと不安が残る。当人が自信を持って教壇に立てるまで先輩とリハーサルを繰り返す。個人のレベルに応じて、準備期間は変動する。

 また、講師として仕事をするには、開発現場の生の情報をリサーチすることは欠かせない。大木氏も「SEとして現場にいたときの経験が大きな武器となっています」と話す。IT系の研修コースでは、受講者のほとんどがSE。講師自身がSEのときに得た知識や経験を織り交ぜながら、講習を進めることでリアリティを持って受講してもらえたり、講義の理解度が深まったりするという。

 富士通ラーニングメディアでは富士通グループの開発現場との人材交流も行っている。教材開発の際にも富士通の現役プロジェクトマネージャと、一緒に仕事をすることもある。富士通ラーニングメディアからキャリアアップ研修ということで、SEの現場に2年間という期限付きで出向する制度もある。

 講師のキャリアパスも非常に柔軟だ。越野氏によれば富士通ラーニングメディアではキャリアパスは本人との面談の中で見つけていくという。「講師としてある分野を極め、セキュリティならこの人というようなスペシャリストになるというのも1つの道だと思いますし、お客様の経営戦略、人材戦略の中で人材育成や教育の体系を作るといったコンサルタント的な道もあります」(越野氏)。

 越野氏自身、いまも現役で幹部クラス向けのコースを担当する。受講者が受講者だけに越野氏のように相応のキャリアを積んだ講師が必要な場合がある。大木氏のSE経験もそうだが、講師にとって知識ばかりでなく日々積み重ねられる経験は、キャリアを形成していく上で大きな武器の1つといえるだろう。

 将来は「目の前の受講者を教えるだけでなく、人材育成の体系、サービスといったもっと大きな枠組みにも携わっていきたい」という大木氏。取材の最後を「SE時代に社外の教育を受け、他社SEと交流することで世の中での自分のレベルを認識したことを覚えています。すごく刺激になるんですよね。だからいまでも常に自分自身の視野の広さは保っておきたいし、そういう意味では今後どういう道に進もうと、その経験がすべて自分の価値になると思っています」と力強い言葉で結んでくれた。

 現在、富士通ラーニングメディアでは講師を募集している。今回話を聞いた大木氏のケースのように、ITエンジニアとして培った知識や経験は、講師という場でも十分に生かせる。ITエンジニアのキャリアパスの1つとして、「講師」という道を選択肢に加えてみてはどうだろうか。なお、富士通ラーニングメディアの関係会社である富士通ラーニングメディア・スタッフでは、フリーランスとして仕事をする講師を募集している。興味のある人はぜひこちらも参照いただきたい。

人材育成のプロとして活躍する場が待っています
情報化社会を支える人材を育成する場で、あなたのキャリア・経験・スキルを生かしませんか?
富士通ラーニングメディアグループは、「お客様起点」「品質」「人材」を指針として、「最高水準の知のサービス」を提供し、真に豊かで生きがいのある社会の発展に貢献したいと考えています。
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キャリア採用をご希望の方

富士通ラーニングメディア(正社員)

記事に登場した大木氏のように、富士通ラーニングメディアではITプロフェッショナル人材の育成に関心のあるエンジニアの方を募集しています。
記事右枠の募集要項をご確認のうえ、富士通ラーニングメディアの採用ページをご覧ください。
富士通ラーニングメディア「採用ページ」
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生活スタイルに合わせて柔軟に働きたい方

富士通ラーニングメディア・スタッフ(派遣社員/フリーランス)

富士通ラーニングメディア100%出資の富士通ラーニングメディア・スタッフでは、IT系のインストラクターや、技術翻訳、マニュアル制作などの業務で派遣または、フリーランスとして活躍いただける方を募集しています。
記事右枠の富士通ラーニングメディア・スタッフの募集要項をご確認のうえ、ご応募ください。
富士通ラーニングメディア・スタッフ Webサイト
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注目企業インタビューIndex


株式会社富士通ラーニングメディア
株式会社富士通ラーニングメディア・スタッフ

企画:アイティメディア営業本部
制作:@IT自分戦略研究所編集部

掲載内容有効期限:2008年3月26日

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株式会社富士通ラーニングメディア

設立
1977年6月30日
資本金
3億円(2008年2月時点、以下同じ)
代表
代表取締役社長 岡田恭彦
従業員
440名(うち講師170名)
本社所在地
東京都大田区西蒲田7-37-10
ラウンドクロス蒲田
事務所・講習会場
芝公園オフィス(東京都港区芝公園)
品川ラーニングセンター(東京都港区港南)
大崎ラーニングセンター(東京都品川区大崎)
蒲田ラーニングセンター(東京都大田区西蒲田)
関西事務所・関西ラーニングセンター
(大阪府大阪市城見)
名古屋事務所・名古屋ラーニングセンター
(愛知県名古屋市中区)

富士通ラーニングメディア 採用情報

募集職種
富士通講習会講師(IT研修/ビジネス研修)
記事に登場した大木氏のような仕事を担当いただきます。具体的には、IT/ビジネスの最新動向を調査し、教育研修の企画や教材作成、講習会の実施を担当していただきます。
業務内容と求める能力/経験
ネットワーク研修
Cisco認定講師資格
Cisco製品の取り扱い経験
組込み教育研修
C言語またはC++を用いた
組込みソフト開発経験(5年以上)
自動車、情報家電系の組込みソフト開発経験
システム基盤研修
システム基盤構築の実務経験
営業研修
コンサルタント経験
営業研修担当の経験
ITサーマネ研修
ITILファウンデーション資格
運用企画、故障対応、運用維持管理の経験
ソフトウェアエンジニアリング研修
ソフトウェアエンジニアリング(SWEBOK)の知識
要件定義、設計・製造、テスト工程でのリーダー経験
リーダー・幹部層研修(PM研修)
プロマネ経験(システム開発現場経験)
社内人材育成の教育企画、OJT支援等の経験
講師経験、ファシリテーションスキル
若年層研修
コンサルタントやSEの経験
ヒューマンスキルに興味を有し、顧客対応ができること
UISS対応研修
情報システム部門での戦略策定
システム企画経験(2年以上)
BS人材向けIT研修
ITを活用した業務改善策発案
普及の経験(2年以上)
勤務地
東京(蒲田・芝公園)、大阪
勤務時間
8:40〜17:30(標準労働時間7時間50分)
フレックスタイム制あり
給与
30歳平均年収 440万円(※別途各種手当て)
経験などをふまえて決定します
待遇・福利厚生
退職金・企業年金・財形貯蓄・育児休暇・介護休職の各制度、社会保険完備、富士通(株)の保養施設利用可
休日・休暇
完全週休2日制(土・日)、祝日、メーデー、慶弔・夏季・特別休暇、有給休暇(初年度20日)、積立休暇(年5日)、リフレッシュ休暇(年5日)、年末年始休日ほか
選考プロセス
書類選考ののち、研修事業部長面接、役員面接を実施します
応募方法
富士通ラーニングメディアの採用ページにアクセスし、お問い合わせフォームからご応募ください

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株式会社富士通ラーニングメディア・スタッフ

設立
1998年1月22日
資本金
4000万円(富士通ラーニングメディア100%出資)
代表
代表取締役社長 松崎健
本社所在地
東京都大田区西蒲田7-37-10
ラウンドクロス蒲田5F
一般労働者派遣事業許可番号
般13-06-0045
有料職業紹介事業許可番号
13-ユ-060042

富士通ラーニングメディア・スタッフ採用情報

募集職種
富士通講習会講師(IT研修/ビジネス研修)
IT系のインストラクター、技術翻訳、マニュアル制作など
仕事内容、応募要件、給与(報酬)、勤務地、勤務時間、待遇・制度、休日など
案件により異なります。ご登録時にご希望の条件やご要望をうかがいます。案件の情報は、その際にご説明いたします
選考プロセス
書類選考、および事前スキルチェックテストにより選考いたします
応募方法
株式会社富士通ラーニングメディア・スタッフ採用担当までご応募ください
電話での応募
0120-719-450/03-5713-3851
Webサイトでの応募
登録フォームに必要事項を記入のうえ、ご応募ください

※派遣スタッフを対象とした登録フォームとなっております。 フリーランスでのお仕事をご希望の方は、その旨を「希望する勤務地1」にご記入ください。

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