ORACLE MASTER受験対策「プレミアム・ライブラリ」
ORACLE MASTER Goldに一発合格できる秘密を探る
ORACLE MASTERの資格認定制度が2003年10月に改定された。改定のポイントは、グローバルの資格制度(Oracle Certification Program)に合わせたこと。それよって資格に必要な受験科目が増え、これまでよりも資格取得への敷居は高くなった。しかし、そんな中で新制度のORACLE MASTER Gold Oracle9i Databaseに半年で合格した人がいる。彼はなぜ資格の取得を考え、そしてどんな試験対策を行ったのだろうか。
■半年でSilverからGoldまで一発合格
勉強を開始して半年間でORACLE MASTER Silver(2003年10月以前の改定前Silver)から新Gold(改定前のPlatinum)を取得した人物がいる。メンター・グラフィックス・ジャパンの服部忠幸氏が、その人だ。しかも全試験とも1発で合格を決めた。快挙ではないかと絶賛すると、服部氏は照れながら「いや、それだけ切羽詰まっていたからです」と謙遜する。そんな服部氏に、そもそもの受験動機を尋ねた。
メンター・グラフィックス・ジャパン株式会社コンサルティング部
デザインリュースグループ 服部 忠幸氏 |
「私は半導体設計エンジニアを経て、現在は設計プロセスの評価と設計情報を管理するツール導入のコンサルタントをしています。つまりハードウェアに近い分野の出身ですが、コンサルティング業務で設計データやノウハウの蓄積にオラクルのデータベースを用いるようになりました。そのためデータベースのスキルを高める必要性が生じたのです。当初はマニュアルや書籍を読んでいたのですが、これだけでスキル向上を果たすのはきついと感じました。よりよい『とっかかり』を探した結果、ORACLE MASTERを目標にしようと考えたのです」
服部氏は、試験範囲ごとに習熟度を確かめつつ、自分の業務との関連性に注意しながら技術を把握するように学習していたという。
■合格までの経緯
服部氏の合格までの経緯を振り返ってみよう(表1)。データベースのスキル向上の必要性を感じて勉強を開始したのは2003年5月だ。そのころは書籍中心の学習だったが、翌6月には旧Silverに合格した。
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表1 服部氏の合格までの学習履歴 |
次の目標であるGold対策として、服部氏は日本オラクルの提供するeラーニング「プレミアム・ライブラリ」の前身である「Oracle Learning Network」(OLN)に申し込んだが、それは旧Silverの合格前だった。その理由は「期間限定の優待販売があったからです。旧Silverは書籍のみで合格できましたが、旧Goldには試験科目にDBA Iがあり、書籍だけでは合格できないと感じました。優待販売がなければSilverの合格後に申し込んだと思います。Silver合格前にOLNに申し込んだことは、自分へのよいプレッシャーになりました。早く合格しないとOLNの有効期限が日々迫っていましたから(笑)」と述べる。旧Silver合格後、着々とOLNで旧Goldの学習をし、8月には旧Goldを取得してしまった。
その後、改定後のGoldを取得しようと考え、9月にプレミアム・ライブラリの「オラクルマスターGold9i Database」を申し込んだ。結果、申し込みから1カ月半ほど経過した11月9日にGoldを取得。改定後のGoldは改定前のPlatinumと同等なので、制度改定がなければ半年でSilverから最上位のPlatinumまで駆け上ったことになる(制度改定の参考記事:@IT自分戦略研究所「ORACLE MASTERはこう変わる!」)。
試験とeラーニングの費用(OLNおよびプレミアム・ライブラリ)はすべて自分で支払った。決して安い買い物ではない。eラーニングを購入する際に迷いはなかったのだろうか。服部氏は「安くはありませんでしたが、自分にとってバリューがあると信じていました。実際にGoldに合格しましたし、満足しています。最終的に購入を決めたのは、日本オラクルが提供しているという安心感があり、教材としての信頼性が高いことを評価したからです。特に学習修了者の『合格率80%以上』には強く惹かれ、これなら合格できるかもしれないと感じました」と語る。
■Q&Aと演習環境が役に立った
では、服部氏の快挙を支えたeラーニング教材プレミアム・ライブラリについて解説しよう。服部氏が試験勉強に用いたプレミアム・ライブラリとは、日本オラクルが提供するORACLE MASTER試験対策用eラーニング・サービスで、「オラクルマスター Silver9i Database」(以下、Silverコース)と「オラクルマスター Gold9i Database」(以下、Goldコース)の2コースがある(表2)。
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表2 プレミアム・ライブラリで用意されているコースの概要 |
プレミアム・ライブラリの特徴としては、4つのモードを相互に連携させることで学習効果を高めるようになっている点が挙げられる(図1)。
図1 4つのモードの相関図 |
教材モード
内容は試験範囲に対応するOracle Universityの集合研修で使用されるテキスト教材に完全準拠しており、オラクルの講師によって製作・監修されている。学習画面ではスライド・エリア、テキスト・エリアで構成されていて、これにナレーションが加わる。ナレーションは何度でも繰り返し聞くことができる。
教材モード(画面をクリックすると拡大表示します) |
スライド・エリアに表示されるスライドはPDFとしてダウンロード可能なので、服部氏はこれを印刷して通勤途中に読んだそうだ。テキスト・エリアの解説文には要約やマーキングなどでメリハリが付けられ、どこが重要なのか把握しやすいようになっている。集合研修で講師が強調する点などが強調表現されているのでポイントを押さえやすい。さらにレッスンごとに用意された理解度チェックテストによって、自分の理解度を確認できるようになっている。
トピックごとに関連するQ&Aモードへのリンクがはられているので、疑問点はオラクルの講師に直接質問できるほか、いままでの質問と回答を参照することによって、理解を深めることができる。さらにSilverコースでは、演習環境モードにもリンクしているため、学習した内容を実際に操作して試すことができる。内容を多角的に学習できるのだ。
問題集モード
いわゆる模擬試験である。これもオラクルの講師が製作・監修している。出題される問題は、試験に合格できる理解力を高めるために入念に研究されている。またeラーニングサービスの利点を生かし、問題は最新の試験動向に応じて定期的に更新される。
問題集モード(画面をクリックすると拡大表示します) |
収録されている問題数はSilverコースで603問、Goldコースで608問(2003年12月現在)と豊富である。一度に出題される問題数は本試験と同じだが、収録されている問題全体から毎回シャッフルされて出題されるため、何度試しても出題パターンは異なる。
解答後はもちろん正誤判定され、さらに問題ごとに解説が付いている。解説は関連する教材モードやQ&Aモードにリンクしているため、弱点を効率よく克服できる。
演習環境モード
ほかのeラーニングではなかなか体験できないのが、この演習環境モードだろう。ブラウザから直接Oracle9i Databaseに触れることができる。データベースの環境構築、管理、データの準備にかかる費用や労力をかけずに、各種SQL文、PL/SQLブロックの実行が可能。このモードを使い、一種の“実践経験”を積むことで合格や実力向上に役立ったと評価するユーザーは多い(ただしGoldコースには演習環境モードは用意されていない)。
演習環境モード(画面をクリックすると拡大表示します) |
演習画面からはSQL文やコマンドを発行し、その結果を確かめることができる。スペルミスや文法ミスをすれば当然本番と同じエラーメッセージが表示される。自ら手を動かすことで、着実に理解を高めるのに有効だ。
Q&Aモード
プレミアム・ライブラリの有効期間内なら、ユーザーは何度でも自由に質問を投じることができる。質問にはオラクルの講師が責任を持って迅速に回答する仕組みになっているので、およそ1日以内で回答が得られる。また過去のQ&Aはすべて蓄積され、公開されていて、2003年12月現在、両コース合わせて約1800件のQ&Aを参照できる。
Q&Aモード(画面をクリックすると拡大表示します) |
服部氏にとって最も有効だったのはQ&Aと演習環境だったそうだ。「書籍では決して得られない体験ができました。特にQ&Aでは他人の質問を見て、自分の理解が間違っていたことに気が付いたことが何度かあります。教材モードを修了して自分では『分かったつもり』になっているのですが、実は分かっていなかったのです」と、服部氏は理解の不完全さを何度もQ&Aで発見したという。
日本オラクルでプレミアム・ライブラリを担当している北岡氏は「制度の改定でSilverにDBA Iが含まれることになりました。DBA Iは特に理解力が求められる科目です。ほかの科目では運良く丸暗記で合格できても、DBA Iでは難しいでしょう。丸暗記に頼ってしまってDBA Iで失敗を繰り返し、なぜ落ちるのかと困惑する人は意外といます。丸暗記で合格を得ても本当の実力にはつながりません。試験合格のためだけではなく、理解を深めるように学習してください」とアドバイスする。
■プレミアム・ライブラリの効果的な学習法
プレミアム・ライブラリに限らずeラーニングのメリットは、いつでもどこでも好きなだけ勉強できる点にある。そうはいっても、実際の利用者はどのくらい学習するのだろうか。
プレミアム・ライブラリの前身であるOLN購入者へのアンケートを見ると、学習場所は自宅派と勤務先派に大別され、6:4という割合だ(グラフ1)。
グラフ1 おもな学習場所 |
学習時間帯はグラフ2にあるように、その割合に比例して18時までのおそらく業務時間中が約40%、18時以降が60%となっている(データ提供:オラクル ユニバーシティ、調査時期:2003年10月、有効回答者数:74名)。
グラフ2 学習時間帯 |
服部氏は自宅派で、ほぼ毎日勉強したそうだ。ただし、平日と週末で勉強方針が異なる。週末は集中して長く時間を取れるので腰を据えてじっくり理解するようにして、平日は通勤途中に暗記をやるようにしていたそうだ。「平日は通勤時間の1時間、週末は土日のいずれかに集中して2〜3時間勉強しました。試験が近づくと問題集モードを繰り返し利用し、分からない部分はリンクで教材やQ&Aの該当ページへジャンプして復習しました」
服部氏の発言から分かるのは、毎日勉強を続けることの重要性だろう。eラーニングの優位な点であるどこでもいつでも勉強できるというのは、「時間があったら勉強しよう」ということになりかねない。そうではなく毎日学習を継続することだ。また自分の生活パターンに応じて学習方法を工夫することも必要だろう。
服部氏はGold合格後、実務の現場で自分の技術向上を実感しているという。さらに「学問に王道なしで、勉強はつらいですが乗り越えると必ずいいことがあります。私は仕事が楽しくなりました。データベースがブラックボックスであるうちは、ちょっとした操作をするにも恐々していたのですが、内部の仕組みが分かるようになると、応用的な操作でも自信を持てるようになりました」という。スキルを高めることは「分からない」という不安を解消することにもなるようだ。
さらに、資格を取得したメリットとして、服部氏はオラクルデータベースを体系的に理解できた点を挙げる。「実務で1度でも成功するとその方法をベストプラクティスとみなし、それにこだわってしまいがちです。それはそれで確実ですが、全体を網羅した知識で再考するとベストだと思える方法にも無駄やリスクが潜んでいる可能性があります。より確実に、より効率的な業務を進めるためにもテクノロジーを体系的に理解することはとても重要なのです」
服部氏の業務はコンサルタントで、データベースエンジニアではない。彼にとって資格の取得はゴールではなく、試験勉強を通じて得られた知識とスキルが重要なのだ。「プレミアム・ライブラリは単なる試験対策教材ではなく、実務に生かせる知識とスキルを習得するうえで最適な教材でした」と教えてくれた。
企画:アットマーク・アイティ 人財局
制作:アットマーク・アイティ 編集局
掲載内容有効期限:2004年3月31日
■プレミアム・ライブラリを理解するためのリンク集 |
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■オンライン・ライブラリ |
日本オラクルでは、記事で紹介しているプレミアム・ライブラリのほかに、「オンライン・ライブラリ」というeラーニング・サービスも提供している。 |
■模擬問題配信中! |
@IT自分戦略研究所のサービス「ITトレメ」では、日本オラクルの協力により、ORACLE MASTER Silver Oracle9i Databaseに対応した試験科目の模擬問題を毎日メールとWebで配信しています。 |
ITトレメ・今日の問題ORACLE MASTER Silver Oracle Database 10gすでに上書きされている「UNDO情報」にアクセスする必要のある問い合わせが実行されました。この問い合わせの結果は、どのようになりますか。 |