これからの時代を考える。CCNA認定を取得する
クラウド時代、エンジニアに求められるマインドとスキル・資格
ネットワークシステムとアプリケーションが融合するクラウド時代。ネットワークエンジニアは、ネットワークをベースにサーバやストレージ、セキュリティにも対応できる「ICTエンジニア」としてのマインドとスキルが不可欠になりました。日々、企業や教育機関、官公庁向けにネットワークインテグレーションとネットワークシステムの安定稼働をサポートしているネットマークス 技術部門の責任者お2人に、今後求められるネットワークエンジニアのマインドやスキル、ネットワーク資格などについて伺いました。
山田匡広氏 ネットマークス 第一アカウント統括部 統括部長 2000年にネットマークスへ入社。音声系のシステムエンジニアとして従事。現職ではネットマークスで取り扱う製品・サービス全般を提案し設計するアカウント部門として顧客の課題解決に取り組んでいる。 |
大島耕二氏 ネットマークス 第一技術統括部 統括部長 1997年にネットマークス設立と共に入社。ネットワークセキュリティのシステムエンジニアとして従事。現職では、ネットワーク、サーバ、ストレージ、セキュリティ商品の技術主管部門として、前線の営業・技術の支援と、新しい商品の立ち上げに取り組んでいる。 |
――クラウド時代の今、ITやネットワーク業界ではどのような変化が起こっているのでしょうか。
山田 これまではシステムに業務を合わせる形態でしたが、現在は課題解決のためにシステムを利用するというパラダイム変換が起こりました。クラウドはその現れであり、われわれネットワークエンジニアがネットワークだけをカバーしていれば良かった時代は終わりました。
また、お客さまである企業のIT部門と経営層ではニーズが異なるため、双方を満足させるソリューションを提供しなければなりません。ユニファイドコミュニケーションを例に考えると、IT部門のニーズはコスト低減や運用負荷軽減、自動化。経営層のニーズはコミュニケーションの迅速化、情報共有や業務効率の向上などと異なります。われわれは、双方のニーズに応える必要があります。
大島 パラダイム変換が起こると同時に、スマートフォンや無線LANの普及、LTE(Long Term Evolution:携帯電話の高速通信仕様。下り100Mbps以上、上り50Mbps以上を確保)の開始など、ネットワーク環境は大きく変わりました。その結果、サーバやストレージとネットワークの仮想化・統合化が進展し、ネットワークのI/O統合も進んでいます。ネットワークの果たす役割がますます大きくなっているのです。
これからのネットワークエンジニアは、ネットワークだけでなく、それにつながるサーバやストレージ、セキュリティに関するスキルを身に付ける必要があります。ファイバチャネルなどのSAN(Storage Area Network)の知識や、システム運用の知識など、幅広い知識が今後は求められるでしょう。
また、急速に浸透しているクラウドについても、コストとセキュリティの面からの「安価なパブリッククラウド」と「セキュアなプライベートクラウド」の使い分け、オンプロミスとの連携も重要な課題です。ネットワークエンジニアには、こうした新たな課題にも対応しなければなりません。
――ネットワークエンジニアのフィールドがかなり広がるようですが、顧客企業の課題を解決するにはどのようなスキルや資格が必要なのでしょうか?
山田 お客さまのニーズに応えて課題を解決するためには、幅広い知識と高度なスキルが求められます。ベンダー資格は専門的かつ高度で技術中心です。しかし、多様なニーズや課題に応えるには、幅広い視野を形成する基となる「基礎知識」の習得も非常に大切です。そこで、当社ではベンダー資格の取得に加えて、基礎知識習得のサポートを行っています。
大島 基本的に、ITSS(IT Skill Standard)を指標とするように奨励しています。ITの基礎知識を体系的に習得することによって、専門分野のエンジニアとして視野を広げられるからです。もちろん、CCNAなどのネットワーク資格はネットワークエンジニアの基本ですから、積極的に取得するようサポートしています。
また、最近はサーバやストレージに関するスキルも身に付けなければなりません。ベンダー資格で対応するほか、社内では研修コースを立ち上げて、エンジニアのマルチスキル習得をサポートしています。
――パラダイム変換が起こったいま、これからのネットワークエンジニアに求められるマインドは何でしょうか?
大島 CCNAは新人がチャレンジする基本的な資格です。ただ、これからネットワークエンジニアを目指す人は、そうした資格に加えてITSSに定義された幅広い知識を身に付けてもらいたいと思います。基礎知識を身に付ければ応用が効き、お客さまの多用なニーズに対して応えることができるからです。
サーバやストレージのスキルも必要ですが、変化のスピードが速い現代にあっては、努力を怠ると置いていかれてしまいます。ですから、常に新しいスキルにチャレンジしてほしいと思います。現在のように、仮想化したシステムは切り分けは難しく、それらを一体として捉えなければなりません。全体を見通し、サーバやストレージ、ネットワークを理解した上で、一体化したシステムとして取り扱うというマインドが必要です。
山田 いまやサーバやストレージ、ネットワークが一体化して切り分けが難しくなっています。しかし、お客さまは依然としてインフラチーム、サーバチーム、アプリケーションチームなどに分かれています。したがって、わたしたちは課題を解決するために、これらのチームが連携できるようサポートしなければなりません。そのためは、自分の得意な分野だけでなく、いろいろな技術に目を向ける必要があります。
これからのネットワークエンジニアには各種資格の取得はもちろんですが、お客さまをサポートするためのプロジェクトマネジメント力やコミュニケーション力が求められます。そして、何よりも大切なのが好奇心です。自分の狭い領域で満足するのではなく、広くアンテナを立て、ビジネスに役立つヒントを拾い上げるというマインドが必要です。
提供:シスコシステムズ合同会社
企画:アイティメディア営業企画
制作:@IT自分戦略研究所 編集部
掲載内容有効期限:2011年2月14日
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