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連載:ITエンジニア最新求人レポート No.6<2002年5月版
企業の中途採用意欲、いよいよ本格化

小林教至(@ITジョブエージェント担当
2002/5/31

アットマーク・アイティのキャリアアップ支援サービス「@ITジョブエージェント」を担当している筆者は、同サービスに参加していただいている会社をはじめ、複数の人材紹介会社/人材派遣会社を毎月訪問している。そこでヒアリングしたITエンジニアの求人動向を定期的にレポートする。マクロ的な動向ではないし、具体的な数値もないが、現状の市況や今後のトレンドを推測する資料としてほしい。

e-Japan構想がけん引役か?

 先月の求人トレンドレポート(「第5回 明暗が分かれる求人動向」)では、「ゴールデンウイーク明けには活発化すると思いますよ」という某人材紹介会社の話を報告した。実際の転職市場はその予測どおりに推移しているようだ。「企業の中途採用意欲は確実に高まっています。3月までは“いい人材がいたら紹介して”という依頼だったが、いまは“こういう人材を求めているので、紹介してほしい”となっている」(某人材紹介会社)そうだ。

 では、活発なのは具体的にどの業種なのだろうか。「外資系コンサルティングファームは特に採用が活発化しています」。今年4月23日の@ITのニュース記事(「100名を新規採用、SI事業に力を入れるアクセンチュア」)でご記憶の方も多いだろうが、特にアクセンチュアは2003年8月までに100名のSEとプログラマを採用(うち30名は新卒採用)すると発表している。

 アクセンチュアは、新規採用するエンジニアをSI(システムインテグレータ)事業強化に充てるそうだ。別の人材紹介会社では、「採用が活発化しているのは、特にSIで、プロジェクトマネージャと業務系システム開発経験のある30歳弱の若手エンジニアの求人が中心ですね」といっている。このようにSIからの需要が増えた背景として、ある人材紹介会社では「e-Japan構想で予想される、あるいはすでに動き始めた官公庁向けのシステム開発に対応するため」と解説する。

 以上のように、確実に回復してきた中途採用だが、ある人材紹介会社では次のように警告する。「確かに転職はしやすくなったでしょう。だからといって安易に転職をしないことです。転職はゴールではありません。転職先でいかに活躍できるかが問題です。その点をじっくりと考えていただきたいと思います」

Webサービスが動きだす

 先月の求人トレンドレポートで、「XMLスキルを持つ20歳代エンジニアの求人が増えています。XML単体というよりも、XML+Javaというスキルセットです」という話を紹介したが、スキルについては今月も興味深い話があった。「.NETなどWebサービスに関連したスキルを持ち、業務系システム開発の経験者、という求人が出てきました。Webサービスがリアルビジネスに向けて動きだしてきた感があります」と、某人材紹介会社では語る。

 2002年3月に実施した「Engineer Life」フォーラムの読者を対象にした「第3回 @IT読者調査結果発表」でも、「SOAPなどWebサービス技術」はエンジニアが今後身に付けたいスキルの上位に挙がっている。逆に現在すでに身に付けているとの回答は最低レベルだ。このギャップが転職市場における市場価値の高さを表している。

 新しいテクノロジが出てきたときの企業の対応は、次のような順番になっているという。

(1)そのテクノロジを習得させる社員を選定し情報を収集・教育をする
(2)そのテクノロジをすでに習得しているエンジニアを採用する
(3)1と2の両方

 その後、そのテクノロジが普及した段階で彼らを中心メンバーとして、プロジェクトチームを組んだり社内研修をしたり、というようになる。さらにその後では、リソース不足を派遣エンジニアで補おうとするわけだ。人材派遣会社に話を聞いたところ、「派遣案件では、XMLスキルを求められることは多くありません。Webサービスは皆無です」との答えだ。


派遣市場は上半期の景気次第?

 活発となった中途採用に比べ、派遣エンジニア需要は依然として低迷しているようだ。これに追い打ちをかけているのが、季節要因だという。「5月は新人が各部署に配属され始め、毎年派遣需要が減る時期です。さらにオーダー条件が厳しく、オーダーどおりでないと契約に至りません。さらに、派遣エンジニアの単価も下がる時期になります。依頼側から足元を見られてしまう状態ですね」と、ある人材派遣会社はその内情を語る。さらに別の人材派遣会社では、「案件は徐々に増えてきた感はありますが、新規開発案件ではなく、既存システムの機能拡張やメンテナンスといった短期間の案件」という。

 この状況でも、多少明るい話もある。「オーダーではないのですが、既存システムのリプレイスなど大規模開発案件について、相談されることがいくつかありました。予算はついていないが、事前にリソースの確認をしておきたいというものです」と、ある人材派遣会社が話をしてくれた。さらに、「それらの相談ベースの案件は、上半期の業績次第では下半期に予算がつき、動きだす可能性があります。そうなることをただ祈るのみです」とのこと。その“相談ベースの案件”が具体化するかどうか、今後の動向に注目したい。

廃業するエンジニアも――いまをどう乗り切るか

 「業界関係者で話をしていると、ITエンジニアを辞め、別の仕事をする人も出始めたということです。仕事が決まらないという要因以外に、“自分のスキルレベルが上がらないことへのいらだち”や、“過重労働に耐えられなくなった”という理由もあるそうです」(某人材派遣会社)。何ともやり切れない思いがする。この厳しい状況の中、派遣エンジニアはどう乗り切ればいいのだろうか。

 「よく“何でもしますから仕事をください”とおっしゃるエンジニアの方がいますが、人材派遣会社からすると、どんな案件をお願いしてよいか分からないので、マッチングしにくいのです。そうではなく、まず自分の“スキルの棚卸し”をし、何が得意で何が不得意かを明確にすることです。そして不得意をカバーするのではなく、得意な点をさらに伸ばしてください。そうすれば、人材派遣会社側では“この人にはこういう案件をお願いできるな”となるわけです。“スキルの棚卸し”はテクノロジスキルに限ったことではなく、ヒューマンスキルも含めてです。例えば、発注者から要件を聞き出すことがうまい、ということでも重要なセールスポイントになります」

 “スキルの棚卸し”の重要性は、派遣エンジニアに限った話ではない。ビジネスパーソンすべてに必要なこと。特に変化が激しくスキルの陳腐化が激しいIT業界に働くエンジニアにとって、より重要なことだ。筆者の担当している@ITジョブエージェントの「キャリア定期点検ノススメ」を基にした記事「エンジニアの職種別『キャリア点検』のポイント2004年版」に、「ITエンジニアの職種別キャリア点検リスト」を掲載している。これも1つの参考として、定期的に“スキルの棚卸し”をしてはいかがだろう。

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