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第42回 「あるある」「ねーよ!」、エンジニア都市伝説

Tech総研
2007/4/5

  まだまだある! エンジニアの都市伝説

 ここからは、都市伝説までいかないが、まことしやかにささやかれているエンジニアのうわさ話をご紹介していく。エンジニアの職場にまつわるこれらのうわさは、読者の方も聞いたことのある話が多いのではないだろうか? それではご覧いただきたい。

従業員の数人がアンドロイドらしいが、誰かは不明

「アンドロイドはコンピュータの故障を誘発することがある」と伝えられていて、「あり得ない」とは思いながらも少し信じている自分がいる。実際に、5〜6件立て続けに点検時に故障を発見したり、偶発の故障にあったりする従業員がいる……アンドロイドか?
(38歳 男性 コンピュータのメンテナンス)

家を購入すると転勤や長期出張に行かされる

何人もの人が持ち家を取得直後に勤務地変更となった。20年家に帰れないままの方もいる。でもこの現象は都市伝説ではなく、家を買うタイミングとステップアップのタイミングが近いからだと思っている。
(28歳 男性 新規電子部品の開発)

サーバは休日に限って止まる

担当者が有休や休日のときだけでなく、大掛かりな定期メンテナンス日になる前にも、必ず一度サーバがダウンする。それも人の少ない夜中、朝など。あり得ないと思いたい!
(26歳 男性 パソコンメンテナンスの応対)

有能なソフトウェア開発者は視力が良い

都市伝説ではなく事実だと思う。有能な人間は、頭の中でプログラムの視覚化が十分でき、かつタイピングが高速なので、PC画面を見続ける必要がないから。実際、そういう人は会議などで作業場にいない時間が多いにもかかわらず、ほかの人以上のアウトプットを出しているので、画面を見る時間が短いのは確実。
(34歳 男性 組み込みソフトウェアの制御設計)

自分の代わりに妖精が仕事をしてくれる

納期にもうどうしても間に合わないときに、妖精が現れるらしい。朝画面を見ると、まったく記憶にないのに、プログラムが完成していたという話を聞いたことがある。自分には現れてくれないので、追いつめられていたときに、以前に考えていたロジックを無意識に組むことができただけだと思う。
(30歳 男性 システムの構築・開発・保守)

サーバ管理者が男性だとエラーが多くなる

管理者が男性から女性に代わったときは特に何もないのだが、女性から男性に代わると、しばらくの間異常にエラーが多くなる。また、起動することを「起こす」、シャットダウンすることを「寝かせる」などといったりしてかわいがっているふしがあるので、案外サーバも管理者になついたりするのかな、と思うこともある。
(27歳 女性 Webサイトの構築・運営)


  エンジニアは都市伝説を信じているのか

 これまで紹介してきたエンジニアの都市伝説。そのエピソードは自分で経験したものもあれば、人から聞いたものもある。それではエンジニア自身はそのエピソードをどれくらい信じているのか、率直な意見を聞いてみた。

図1 エンジニアは都市伝説を信じているのか

 結果は、何と半数以上が「信じている」と回答! 仕事では、バグや故障など、起こった現象の原因を日々調査し、解決するために奔走しているエンジニアだけに、科学的根拠のない現象については「信じない」という回答が圧倒的、と編集部は想定していたのだが……。「信じていない」と回答したのは全体の3割にすぎなかった。それでは、各回答に至ったエンジニアの心理はどのようなものなのだろうか。フリーコメントを拾ってみた。

信じる派
・確率論からいって信ぴょう性があると思う。(28歳 男性 制御設計担当)
・ほかの要因もあるとは思うが、実際に目の前で見たので信じるしか……。(26歳 男性 プログラム開発)
・最初は半信半疑だったが、現在は、経験上間違いないと思っている。(28歳 男性 顔料開発)
半信半疑派
・話し伝えられているので「あり得ない」とは思いながらも、少し信じている。(38歳 男性 サービスエンジニア)
・本当かどうかは分からないが、因果関係を調べる価値はあると思う。(32歳 男性 通信設備の設計・施工)
・半信半疑。でも、確かにそうなっていたのは私も知っている。(28歳 女性 自社用基幹システムの開発)
信じていない派
・信じていない。実際に具体的な検証を行ったわけでもないし、確率的にもそこまで特異な偏りではないため、科学的根拠に乏しい。(29歳 男性 無線回路設計)
・たまたま偶然が重なったと思っている。(38歳 男性 医療システムの運用保守)
・エラーバグを恐れては、ソフトは売れない。(26歳 女性 PCソフトのプリセールス)
よく分からない派
・信じる・信じないというよりは、“信じたくない”です。(27歳 男性 在庫管理システムのテクニカルサポート)
・深く考え込まないようにしている。(34歳 男性 アプリケーション開発)

 ――科学的な根拠があってもなくても、信じる人が語れば、都市伝説はさらにリアリティを増して別の人に語り継がれていく。

 ここまでご紹介してきた都市伝説のエピソード、信じるも、信じないも、あなた次第……。



☆相手はマシンでも扱うのは人間だから

 冗談のようだが、筆者もいくつか耳にしたことがある。サーバをセットアップした後にはお札を張るといいとか、担当者が変わるとトラブルが頻発するとかだ。あたかもマシンに心があるかのように語られるが、心があるのは人間だ。だからお札はマシンに効くのではなく、それを張った人間の安心感に作用するのではないだろうか。

 あとエンジニアの子の性別問題。実際には息子を持つ父もよく見聞きするのでにわかには信じがたい。もしそうだとしたら電磁波エプロンをつけるべきなのは女性より男性ということになってしまう。

 ところが筆者が学生時代に属していた化学科では、教授の子はほぼ全員娘だったと聞いたことがある。「日ごろから化学物質を扱うからだ」とまことしやかにささやかれていた。コンピュータの電磁波と違い、環境ホルモンならあながち作り話ではないのかもしれない。

 都市伝説の多くは非科学的なものだが、こうしたものを信じたくなる心理には背景があるのだろう。常に合理性を求められる業務なのでその反動だろうか。原因不明のトラブルなど理不尽な状況に直面すると、うそでもいいから何か理由が欲しくなるのかもしれない。機械に意思などあり得ないが、あったとしたら想像が膨らんで面白いと思う。

(加山恵美)


この記事は、Tech総研/リクルートの記事を再編集して掲載しています


 

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