Tech総研
2008/6/30
晩婚化は進んでいるが、結婚願望は決して低くない。独身のエンジニアにとって、結婚は気になるテーマだ。昨今のエンジニアの結婚事情を、既婚エンジニアへのアンケートを通じて見てみよう。(Tech総研/リクルートの記事を再編集して掲載) |
既婚エンジニア600人アンケート 5つのデータから見えてきた、エンジニアの最新結婚トレンド |
「いつかは結婚したいと思うけど、いまの状況ではなかなか自分の結婚をリアルにイメージできない」
現在独身のエンジニアにとって、「結婚」は気になるテーマ。しかし結婚を現実のものとしてとらえようとしたとき、そもそも結婚相手と出会えるチャンスがなかったり、いざ出会えても結婚するタイミングがつかめなかったりするエンジニアも多いのではないだろうか。
そこでTech総研では、「エンジニアの結婚事情」を探るため、25〜39歳の既婚エンジニア600人(IT・ソフトウェア系300人/ハードウェア・素材系300人)にアンケートを実施した。結婚に関する調査は初めての試みだ。
このアンケートで調査した項目は、以下の5点。
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・結婚相手との出会いのきっかけ
・結婚を決意したきっかけ
・結婚時の年齢(本人と結婚相手)
・結婚時の相手の職業
・結婚時の年収と貯蓄額
それぞれの調査結果を、順を追って紹介していこう。ちなみに今回は86%が男性エンジニアからの回答であったため、主に「20代、30代の男性エンジニアの結婚事情」という前提で話を進めていきたい。
エンジニア結婚データ1:出会いのきっかけ |
図1 出会いのきっかけについて |
「同じ職場」「知人の紹介」の2つで過半数を占める結果に
しかしソフトウェア系とハードウェア系で微妙な差異が
結婚への最初のハードルとなる「相手との出会い」に関しては図1のとおり、「同じ職場」と「知人の紹介」を合わせて55.2%と、半数を超える結果になった。
その結果をさらに詳しく見てみると、IT・ソフトウェア系では「同じ職場」が最も多かったのに対して、ハードウェア・素材系では「知人の紹介」が33.6%と、およそ3人に1人の割合になった。IT・ソフトウェア系に比べ、女性エンジニアが圧倒的に少ないハードウェア・素材系の職場環境の特徴がその一因と思われる。
「コンパ」「お見合い」「出会い系サイト」においても、総じてハードウェア・素材系の割合が高い傾向が見られる。これも、より女性と出会う確率の高い“外の環境”に出会いを求めた結果といえるだろう。
少数派として、以下のような「運命的な出会い」も。
・「保険の勧誘時に」(29歳・システム開発 Webオープン系) ・「入院中の病院で」(37歳・ネットワーク設計構築) ・「飲み屋で絡まれているのを助けた」(31歳・生産技術) |
エンジニア結婚データ2:結婚を決意したきっかけ |
図2 結婚の決意について |
「何となく」が過半数を占める一方、
それぞれの価値基準で結婚に踏み切るケースも多数あり
既婚エンジニア600人がどのタイミングで結婚に踏み切ったのかを調査した結果がこちら。図2のとおり、IT・ハードウェア系ともに「何となく」が過半数を占める結果になった。
「いま、結婚したいから結婚に踏み切った」というよりも、「付き合って何年もたつから、そろそろかな」といった意識が見て取れる。
一般的に結婚に対する意識は、男性よりも女性の方がより高いとされる。男性エンジニアの比率が高かった今回のアンケートにも、それが影響しているかもしれない。
一方で、個人それぞれの「タイミング」で結婚に踏み切ったケースも多く見受けられた。その一例を紹介しておこう。
・「結婚すると家賃補助が出るのを知ったので」(33歳・システム開発 Webオープン系) ・「30歳までには結婚しようと決めていたので」(33歳・システム開発 Webオープン系) ・「付き合いだしたころ、相手の両親が近所に結婚したと触れ回ってしまい、そのままの流れで」(29歳・ネットワーク設計構築) ・「相手が同居するといい出したから」(37歳・機械設計) ・「仕事に疲れて逃げたかった」(27歳・回路システム設計) |
エンジニア結婚データ3:結婚時の年齢 |
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図3 結婚時の年齢について |
既婚エンジニア600人の平均結婚年齢は約28歳
&夫婦の年齢差は約2.3歳
結婚時の平均年齢は28.2歳で、IT・ハードウェア系に大きな差異は見られなかった。相手の年齢は平均27.7歳と若干低いが、これも男性回答者が多いことが大きな要因だと思われる。
リクルートが毎年行っている「ゼクシィ結婚トレンド調査2007」によると、結婚時の平均年齢(女性)は首都圏で27.5歳だった。エンジニアならではの特徴は出なかったといえる。
一方、夫婦の年齢差の平均は2.28歳。同じく「ゼクシィ結婚トレンド調査2007」によると、年齢差は首都圏の平均が1.8歳。今回の方が若干年齢が離れている。ちなみに今回の調査では、最大12歳の年齢差カップルが600人中2人いた。
特徴が出たのが「姉さん女房率」。ハードウェア・素材系の19.3%に比べIT・ソフトウェア系が27.3%と高い傾向を示したが、その理由は定かではない……。
エンジニア結婚データ4:結婚時の相手の職業 |
図4 結婚時の相手の職業について |
「エンジニア同士」の結婚はおよそ4人に1人
最も多かった職業は事務職
続いては結婚時の相手の職業。「同じエンジニア職種」「違うエンジニア職種」を合わせて28%と、4人に1人が「エンジニアカップル」であることが判明した。
細かく見ると、IT・ソフトウェア系は同職種・異職種それぞれ同じくらいの割合であるのに対し、ハードウェア・素材系の同職種はわずか4%。前述したとおり、女性エンジニアが極めて少ない同業界ならではの特徴が出ている。
多数を占めるそのほかの職種に目を向けてみると、ダントツに多かったのはIT・ハードウェアともに事務系(総務、経理など)。続いて看護師などに代表される医療・福祉系などが上位を占めた。
少数派の中には、以下のような職種も。
IT・ソフトウェア系 グランドホステス、音響オペレータ、足袋屋、芸能関係、観光船スタッフ ハードウェア・素材系 パン屋、助産師、ピアノ教師、弁理士、調律師 |
エンジニア結婚データ5:結婚時の年収・貯蓄 |
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図5 結婚時の年収・職種について |
平均年収約456万円に平均貯蓄283万円
「貯蓄ゼロ」はおよそ6人に1人
最後に、結婚時の年収・貯蓄に関して。まず年収の平均は約456万円で、IT・ハードウェア系ともに大きな差異は見られなかった。先に引用した「ゼクシィ結婚トレンド調査2007」によると、夫の年収は「400万〜500万円未満」が28%で、最も高い割合を占めている。平均結婚年齢と同じく、世間一般の平均とさほど変わらない結果となった。
結婚時の貯蓄額に目を向けてみると、既婚エンジニア600人の平均が283万円。うち、IT・ソフトウェア系309.4万円に対し、ハードウェア・素材系が256.5万円と、約50万円の開きが出た。さらに細かく見ると、「貯蓄ゼロ」の割合が600人中15.5%と、およそ6人に1人だった一方で、1000万円以上の割合が6.6%と、一定の格差が表れた結果に。
ちなみに結婚時の年収が1300万円(結婚時年齢31歳・システム開発 汎用機系)、貯蓄額が4億円(結婚時年齢31歳・サービスエンジニア)という驚くべき回答もあった。
エンジニアの「平均的結婚像」、そして新たな出会いのトレンドとは? |
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