Tech総研
2009/9/10
仕事が減った。残業代もカット。ボーナスも不安。エンジニアの働き方や生活にどんな変化が起こっているのか。Tech総研の調査から「エンジニアの給与事情」の実態に迫る。(Tech総研/リクルートの記事を再編集して掲載) |
エンジニアの64%が 給与に景気悪化の影響あり |
昨年秋、リーマンショックでより鮮明になった米国金融経済のバブル崩壊は、日本にもすぐに波及してきた。米国経済の減速は急速な円高ともあいまって、海外輸出に頼る日本の製造業に深刻なダメージを与え、それが消費マーケットにも影響を与えている。
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企業全体の決算状況をみても、2008年3月期まで6期連続で経常増益、5期連続で最高益を更新していた日本の上場企業だが、09年3月期は世界的な景気後退の影響で、7期ぶりの経常減益が確実視されている。輸出製品を手がける製造業を中心に業績が悪化。内需企業の多くも業績は落ち込んでいる。
こうした景況の変化は、エンジニアの収入や働き方にどんな影響を与えているのだろうか。まず基本給の変化を尋ねた(調査時期2009年4月、調査対象24〜39歳のエンジニア500人)。「景気悪化の影響で、基本給に変化はありますか」という設問に、「基本給が一律ダウンした」と答えたのは16%。「基本給は上がっていない」が26%だった。「今は変わらないが、今後はダウンしそう」という回答も22%を占めた。
図1 景気悪化で、給与に影響あった? |
これらを「景気悪化によるマイナスの影響あり」とひとくくりにすると、その割合は実に64%に達する。以下のコメントを見ても分かるように、その影響はIT・ソフトウェア職種にも及んでいることがわかる。もちろん逆に「不況にもかかわらず基本給がアップした」という回答もないことはなく(10%)、「特に影響なし」とする回答も約25%あった。
ナマゴエ! Q. 景気悪化で、給与に影響あった? ■ 基本給が35万円から25万円に減らされた ■31歳/コンサルタント ■ 経営悪化により、10%前後減額となった ■29歳/システム開発 ■ 毎年3000円から1万円アップするが、今年は一切なし ■30歳/運用、監視 ■ システム開発部が大赤字を出したので、その補填のために定期昇給がなくなった ■35歳/ネットワーク設計 ■ 2〜3カ月先の仕事が見えない。その先から減額されるか、リストラされるかも ■31歳/パッケージソフト ■ 基本給じゃないけど、手当がカット。30万円が27万5000円になった。しかも、出張抑制で、出張費もでない ■35歳/セールスエンジニア |
ボーナスが なくなるという悪夢 |
基本給への影響は軽微としても、2009年夏・冬のボーナスの減少を危ぶむ声は多い。ボーナスで収入のバランスを図っていた人も多く、具体的な数字を挙げて苦況を伝える声も見られた。
ナマゴエ! Q. 今年のボーナスへの影響は? ■ 基本給は数年間まったく上がらないひどい状況だったが、それでもボーナスがそれなりにあり、安い給料で我慢していた。しかし、これからはボーナスもかなり減り、年収も落ち、生活するのがやっとという状況になる ■37歳/サービスエンジニア ■ 基本給は37万円のまま。冬のボーナスは全額カットされる予定 ■35歳/生産技術 ■ ボーナス支給時期まで、会社がもつかどうか…… ■29歳/パッケージ開発 |
2009年夏のボーナスについての予想を集計すると、「支給なしの見込み」が7%、「支給額が減額の見込み」が58%、「特に影響なし」が24%となっている。残りは「まだ分からない」(10%)というものだ。「まだ分からない」と回答している人たちも、支給額や支給の有無について、ネガティブな予測をしている人が多かった。
図2 景気悪化で、今年のボーナスへの影響は? |
月の残業代は35%のマイナス |
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