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第75回 30歳ITエンジニア 同じ経歴でも転職格差が生じるわけ

Tech総研
2010/5/17

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同じ企業に入社し、同じようなキャリアを積み、同じようなスキルを持つ30歳のエンジニア2人が転職を決意して同じ企業に応募したとき、一方は内定を獲得、対してもう1人は不合格……。もしこんな事態が起こったとき、2人の間にいったいどんな“格差”が生じたのか。その要因や対策を、専門家に詳しく聞いてみよう。(Tech総研/リクルートの記事を再編集して掲載)

  想定ケース:同じ経歴&スキルを持つエンジニア2人が転職、
同じ企業に応募したら……

 8年前、大手有名SIer(システムインテグレータ)にエンジニアとして就職したAさんとBさん。

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 それ以来、数々の大規模通信システムの開発プロジェクトにSEとして参加してきた。最近は小さいながらもチームのプロジェクトリーダーとして、スキルを磨き、キャリアを積んできた。

 そして30歳を迎えた今年、より上流工程にキャリアアップするために転職を決意した2人は、くしくも同じ企業に応募した。書類選考を通過し、採用面接を受けた2人。しかしその結果には明暗が。

 晴れて内定を獲得したAさんに対し、不採用通知を受けてしまったBさん。この2人の間にはいったい、どんな違いがあったのか?

★解説:リクルートエージェント ITマーケット キャリアアドバイザー 安井祐子氏

  転職格差が生じる
4つの大きな要因

要因1:自分の強みに対する理解度
要因2:採用企業ニーズの理解度

 昨今の不況になる前は、30歳のプロジェクトリーダークラスでは、マネジメント経験が浅くともチームリーダーとしての“伸びしろ”部分、つまり素質が評価対象になっていました。しかし現在は即戦力になる人材を求める傾向が強く、求職者にとっては採用に至るまでのハードルが高くなったといえるでしょう。

 今回のケースのように、同じようなキャリアやスキルを持っていても、その人自身の仕事や転職に対する意識の違いや面接対応によって、内定を獲得できる、できないという「転職格差」が生じてしまいます。

 大きな要因は4つあります。1つ目は「自分の強みをどれだけ正確に理解しているか」。 どんなに優秀な人でも、自分の強みを客観的に分析して、それを簡潔に伝えることができなければ“宝の持ち腐れ”となり、大きな損失となります。

 そのうえで「わたしはこれができる」とはっきり伝えることが大切です。多くの転職者は「自分はこれがやりたい!」という思いばかりが前面に出てしまう傾向にありますが、いまのようにシビアな採用環境下では、採用側はまず「この人は何ができるのか」を重視しているのです。その点を踏まえ、自分自身をアピールする必要があります。

 2つ目に大事なことは、「企業側がどういう意図で求人を出しているのか」という点。いくら自分の強みを理解してアピールできたとしても、企業側がその強み(スキルや経験)を今回の採用において特に必要としていない、もしくは高く評価しない場合、無駄骨に終わってしまうわけです。

 自分の強みと企業側の採用意図、双方を理解したうえで両者の“合致点”を見つけること。これが転職成功に近づく大きな要因となってきます。

転職格差解消のためにいま、できることとは  

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