自分戦略研究所 | 自分戦略研究室 | キャリア実現研究室 | スキル創造研究室 | コミュニティ活動支援室 | エンジニアライフ | ITトレメ | 転職サーチ | 派遣Plus |

なぜ、彼らは転職を考えたのか

第4回 出張続きの生活に疲れが。故郷で働きたい!

アデコ
大田耕平
2007/8/17

仙台に出張しながら岡山に転職活動なんて

 とはいえ、毎週東京と仙台を往復する忙しい日々。私が初めて会ったとき、宮田さんは「とてもじゃないけど転職活動ができる状況ではない……」と嘆いていました。

大田 今回は、故郷である岡山でのUターン転職をご希望なのですね。

宮田 はい、そうです。ただ現在は忙しいので、面接のたびに休みをもらって岡山へ行くということはなかなかできないんですよね。

大田 そうでしょうね。リーダーという立場ですしメンバーも気になりますよね。

宮田 そうなんです。私が何度も休んだりすると、チームへの影響も大きいと思います。

大田 それですと、少しお仕事が落ち着くのを待ってから、企業へアプローチすることをお考えなのでしょうか。

宮田 ええ、それができればいいのですが、仕事が落ち着く気配がないんですよね。むしろ忙しくなる一方なんです。

大田 そうなんですか。先が見えない状況なのですね。確かに月曜から金曜までずっと仙台に出張というワークスタイルですと、いざ転職活動を始めても、何度も岡山まで足を運ぶというわけにはいかないですよね。

宮田 そうなんですよ。ですから、思い切って退職をして、それから転職活動をしようかと考えているんです。

大田 でもそれはリスクになるのではないでしょうか。戻る先がないまま転職活動をするのは、とても不安なことだと思いますよ。

宮田 では、どうしたらいいのでしょうか。

大田 まずは受けたい企業をピックアップして、集中的に受けてみてはいかがでしょうか。1日に2〜3社面接を受けるなどして、岡山に行く日を極力減らすのです。また東京に支社がある会社でしたら、場合によってはテレビ会議システムを使った面接も可能だと思いますよ。

宮田 なるほど……。でしたら、会社を辞めずに何とか頑張ってみます。

 こんな会話の結果、宮田さんは退職してからの転職活動というリスクを避けて、忙しい合間を縫っての転職活動を進めることを決めました。

仕事を続けながら転職活動開始

 宮田さんの希望はUターン転職ですから、もちろん働く土地が第一条件です。しかしほかにも、今後のキャリア形成を考えたときに重要なポイントがありました。

 それは、宮田さんがこれまで培ってきたJ2EEや.NETでの開発スキルを生かせる職場であること。また規模の大小にかかわらず、要件定義などの上流工程に携われるシステムインテグレータであることでした。

 求人の絶対数が少ない岡山への転職でしたが、Javaや.NETなど市場価値のある技術を身に付けていたことが幸いして、経験に見合いつつ将来のキャリアパスも描ける求人企業が7〜8社見つかりました。企業規模や扱う製品も含めて検討し、その中から4社に応募することになりました。

 書類選考は各社とも順調に通過。最終的には岡山のL社と、東京に本社があり岡山に開発センターを持っているT社から採用内定を獲得することができました。選択権を得た宮田さんは、月に1回ほどの東京への出張があるがエンドユーザーとコミュニケーションを取れる機会の多いL社への入社を決めたのです。

 そもそもの宮田さんの懸念点であった「面接に行きづらい」という点については、企業側の配慮もあり、テレビ会議システムなどを通して選考を進めることができました。その結果、岡山へは内定後の詳細な条件面談も含め、2回足を運ぶのみにとどまったのです。

Uターン転職の難しさ

 今回紹介した例で、宮田さんは多忙な中での面接の日程調整を転職活動の大きな課題としていました。Uターン転職が難しいのには、ほかにもいくつか要因があります。

  • 企業の求人数が少ない
  • 交通費、宿泊費など費用負担が大きい
  • 給与水準が都市部と比べて低い
  • 採用の絶対数が少ないため、即戦力を求められる傾向が強い

上記のような課題についても、あらかじめ理解して転職活動に臨むのとそうでないのとでは、結果に大きく差が出ると思います。

 また、採用内定を獲得できた後は、住居の手配や引っ越しなど、生活面での準備が必要となります。従って、通常の転職よりも活動期間が長くなることを想定しておくことも大事です。

 Uターン転職を考えたとき、あなたのボトルネックは何でしょうか? まずはご相談ください。効率的な解決方法があるかもしれませんよ。皆さんそれぞれに課題はあるかと思いますが、われわれエージェントにサポートできることがあれば幸いです。

 

今回のインデックス
 出張続きの生活に疲れが。故郷で働きたい! (1ページ)
 出張続きの生活に疲れが。故郷で働きたい! (2ページ)

筆者プロフィール
アデコ 人材紹介サービス部 コンサルタント
大田耕平

神奈川県出身。大学卒業後、大手独立系システムインテグレータに入社。システムエンジニアとして大手生命保険会社のシステム開発に携わる。アデコではIT業界のエンジニアの紹介を専門に担当。Webや紙媒体の求人情報では伝わりにくい部分をITエンジニアの視点で求職者に伝えられるように心掛けている。丁寧なコンサルティングが好評を得、友人を紹介したいという登録者が急増しているという。

自分戦略研究所、フォーラム化のお知らせ

@IT自分戦略研究所は2014年2月、@ITのフォーラムになりました。

現在ご覧いただいている記事は、既掲載記事をアーカイブ化したものです。新着記事は、 新しくなったトップページよりご覧ください。

これからも、@IT自分戦略研究所をよろしくお願いいたします。