エンジニアライフ コラムニストに聞く(3)
はがねのつるぎ
――「フリーなスキル」が見る夢
岑康貴(@IT自分戦略研究所)
2009/3/27
■フリーランス=「自分に転職」
現在、はがね氏は「フリーなスキル」というコラムタイトルからも分かるように、フリーランスのエンジニアとして働いている。
「それまでは、いわゆる派遣常駐という形で働いていたので、会社への帰属意識が少なかったんです。所属している会社に帰る『帰社日』には給料が出なかったくらいなので……」
そのため、フリーランスという立場に違和感はなかった。「自分に転職する、というイメージ」とはがね氏は語る。仕事の獲得はエージェントに任せているため、その点で新しいリソースを費やすということもない。
「最も変わった点は、自分で働き方をコントロールできること。1カ月、休むなんてことも、自分で調整すれば可能です。ORACLE MASTERのBronze、Silver、Goldを一気に取ったときは、2カ月休んで勉強しました」
■勉強好きのスキルマニア
さまざまなスキルについて、はがね氏はコラムで言及している。あいさつのスキル、資格取得のためのスキル、効率よく勉強するためのスキル、不況を生き抜くためのスキル、ダイエットするためのスキル、危機管理スキル、文章執筆スキル、異文化コミュニケーションスキル……。
スキルを習得するのが好き、というよりも、勉強そのものが昔から好きだったのだという。小学生のころに買ってもらった子ども向け百科事典を読むのが楽しかった。技術的なものに心引かれ、中学生ですでに「技術者になろう」と決意していた。
「本当は高等専門学校に行きたかったんです。でも、経済的な理由で行けなかった。技術者への道が閉ざされたと感じました。結局、音楽をやりながらアルバイトを続けるような生活をしていました。『何をしていいか分からない』ということさえ分からなかったんです」
20代も中盤に差し掛かろうかというころ、阪神大震災を経験した。自分の無力さを痛感し、2年以上も「自分は何ができるのか」を思い悩んだ。技術者になりたかったんだ、と思い出したのはこのときだという。
「20代後半から少しずつ、キーパンチャーから始まって、Webデザインを勉強して、ネットワークを勉強して……。サーバを立てるなどのインフラ系の仕事をしながらJavaの勉強をしていました。30歳手前で、ようやく『エンジニア』になれたんです」
勉強を始めるのに、遅すぎるということはない。彼を見ていると、そう思わされる。
■技術をコントロールする技術を学ぶ
いまは、次の一歩を探して悩んでいる、とはがね氏は語る。
「技術を極めるべきなのか、マネージャの方向に進むべきなのか……。もともと、漠然とした夢は『ガンダムを作りたい』だったんですよね。そこに到達するために、どうしたらいいのか、迷っているところです」
春から社会人大学院でプロジェクトマネジメントなどを学ぶんです、とはがね氏は笑う。これまでは情報技術を学んできた。これからは「情報技術をコントロールする技術」を学びたいのだという。
人は――特に技術者は――常に学び続ける生き物である。何を学び、どんなキャリアビジョンを描くのか。その足跡を、彼はこれからも文章という形で残していってくれることだろう。
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