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エンジニアライフ時事争論(9)
生産性向上に必要なのは、技術への誇りと愛である


@IT自分戦略研究所
2010/2/5


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効率化で失う「新しい人が育つ可能性」

 これまで、生産性を向上させるための考え方を紹介してきた。次は、「効率化がもたらす弊害」を紹介しよう。『恋愛感情で仕事はできるか?』の森姫氏は、「効率化で消えていく人、失うもの」について言及している。

 多くの企業と同じように、森姫氏の勤務する会社では「効率化」と称してコスト削減が行われた。コスト削減とは、つまり人件費のカットだ。戦力として使えない若手エンジニアが、人員整理で切られていく。一方で、ベテランエンジニアはずっと同じ現場に留まり続けなければならない。しかし、こんな状況で人材はどうやって育てばいいのだろうか?

 「効率化」によって失われるもの、それは「新しい人が育つ可能性」だ。「エンジニアが仕事を覚えるときには、『時間的な非効率』が必要なのではないだろうか。効率化は必ずしも正義ではない」と、森姫氏は指摘した。現在、同コラムでは活発な議論交換が行われている。「効率化」「人員削減」「人材育成」について思うところがある人は、ぜひ議論に参加してみてほしい。

「実装部分は個人に分担」、開発現場で使える生産性向上術

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 さて、今度は生産性を上げる具体的な方法を紹介しよう。『Webエンジニアのコーヒータイム』のns-writer氏は、実装段階での生産性向上方法について考察している。

 実装担当のエンジニアが生産性を向上させるには「コーディング部分を共有せずに分担し、各自の裁量で進める」のがポイントだ。各自の裁量に任せるメリットは2つある。「実装者が、『やらされている』ではなく『やっている』という意識を持つこと」「各自が責任を持って作業を遂行すること」だ。

 設計段階では、「疎結合設計」にすることがポイントだ。かつ、できるだけコンフリクトが起こりにくいシンプルな設計にする必要がある、とns-writer氏は解説している。

開発工程より、ドキュメント作成に注力せよ

 『わが身は自分で守れ!』の憲正良和氏は、生産性向上をしたいなら「ドキュメント作成に力を入れるべき」と主張する。

 開発環境は、昔に比べて飛躍的に向上した。エンジニアは、開発段階よりもむしろ「社内用資料の作成」段階で時間を浪費している、と憲正氏は指摘する。各工程でドキュメントが必要だ。だからこそ、効率的なドキュメント作成方法を確立させることが必要なのではないだろうか。

iPhone/iPod touchを使った効率的な学習方法

 最後に、ツール使用による「学習効果」に関する意見を紹介しよう。『It’s Party Time!』のあずK氏は、iPhoneとiPod touchを使った効率的な学習方法を解説している。

 iPhoneとiPod touchは、学習ツールとして便利なのか。この問いに対して、あずK氏は「非常に使いやすい。しかし、iPhoneやiPod touchのみで勉強することは難しいだろう」と答える。

 iPhoneとiPod touchのメリットは「携帯性」だ。いつでもどこでも触れるため、仕事の合間や通勤時間などの空き時間を効率よく使うことができる。しかし、画面が小さいために、「一度に読める情報量」という点では、やはり書籍には遠く及ばない。メリットとデメリットを理解したうえで、工夫して使えば学習効果が上がるだろう、とあずK氏はまとめている。

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 以上、現場のITエンジニアが考える「生産性向上の考え方と方法」をまとめた。生産性を上げるためには「なぜ生産性の向上が必要なのか」を自分なりに考え、納得する必要がありそうだ。寄せられたさまざまな議論を参考に、自分なりの答えを見つけてほしい。

 

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