特集：転職市場予測

第3回　エンジニアライフ時事総論：それでも我々は転職をする

金武明日香（＠IT自分戦略研究所）
2009/9/28

■転職エージェントは恋のキューピッド

　『Are You Sure?』の佐藤正明氏は、転職活動を「恋愛」にたとえて、「転職エージェントとの付き合い方」のコツをまとめている。

　恋愛を成功させたいのなら、恋のキューピッド＝転職エージェントに助力を頼もう。転職エージェントを使うメリットについて佐藤氏は、

1．自分がどれだけ業界内で価値があるのかなど、自分では気付くことができない部分のアドバイスをしてくれる

2．エージェント経由の転職応募は、面接についてのフィードバックをもらうことができる

の2点を挙げている。しかし、常に「最終的な判断をするのは自分である」ということを心に留めておかなくてはならない。転職エージェントは、あくまでビジネスとしてあなたを助けている。「エージェントに振り回されず、上手に使うぐらいの気持ちでつきあうほうがうまくいくのでは」と佐藤氏はアドバイスする。

　さらに、転職のプロフェッショナルからの意見を紹介しよう。『身近な事象に置き換えて転職（キャリア構築）を考えるコラム』の山内宗和氏は、キャリアコンサルタントの立場から「自分に合う会社の見つけ方」について語る。

　「バーテンダーとキャリアコンサルタントの仕事は、さまざまな面で似ている」と主張する山内氏。「どんなカクテルをお望みですか」とバーテンダーから質問されても、自分の好みをよく把握していない場合、すぐには答えることができない。そんなとき、バーテンダーはいくつかの質問をする。

　転職活動も同じだ。「自分に合っている会社が分からない」と悩む人が、「どんな会社が好きですか？」という抽象的な質問に答えることは難しい。より具体的な質問をすることで、「自分に合う転職先はどういうものか」を見つけることができる、と山内氏は説明する。

　転職活動が成功するか否かは、面接で決まる。『ソフトウェア開発に幸せな未来はあるのか』のにゃん太郎氏は、面接の極意についてノウハウを紹介している。にゃん太郎氏は、「面接を受ける側」と「面接をする側」両方の立場を経験している。さらに、面接で落とされたことが一回もないという強者だ。

　転職活動の面接で必要なのは、テレビ番組などではおなじみの「演出」である。「演出」とは、世界観を壊さずに全体の調和を保つこと。演出を行うためには、世界観のいいところも悪いところもひっくるめて知る必要がある。

　「演出方法」を転職活動に応用する場合、まずは自分の長所と短所を探す。もし「自分にはあまり長所がない」「人と話すのが苦手だ」などのコンプレックスがあるのなら、「自分はこつこつと仕事をこなせる」「控えめな性格」など、前向きにとらえて長所を見つける。そうして、自分を「演出」するのである。

　「自己演出」は、自分を偽って良く見せようとすることではない。自分を引き立たせて、短所を目立たなくすることである。自分の良いところをアピールすることは、面接時に必要不可欠なスキルである。

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　いかがだったろうか。転職活動をする理由は人それぞれだが、転職を成功させるためにはいくつかの共通点があるようだ。「なぜ転職をしたいかをはっきり説明できるようになること」「後悔しないように全力で取り組むこと」。転職を考えている人、転職について悩んでいる人は、ぜひ参考にして欲しい。

　特集：「転職市場予測」は、9月24～30日までの5営業日、毎日更新でお届けします。ラインアップは次のとおり。

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自分戦略研究所、フォーラム化のお知らせ

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