第4回 IT業界は、母体5つと業態6つで分類できる
イノウ業界研究会
2008/9/8
次に、コンサル系にはどのような企業がありますか?
ざっと、このような感じです(図6)。
図6 IT業界地図(未分類)→IT業界地図(コンサル系) |
頭の良さそうな名前が並んでいますね。あれ? 何で“日立”とか“富士通”といった名前の企業がコンサル系に含まれているのですか?
良い指摘ですね。実は、ここ数年で、コンサルティングファームの買収や資本参加によって、外資系会計ファームの多くが大手IT企業の傘下に入りました。具体的には、米IBMが米PricewaterhouseCoopers (PwC)を買収してIBMビジネスコンサルティング サービス(IBCS)、日立製作所がエクサージュを買収して日立コンサルティング、富士通が米Rapidigmを買収して富士通コンサルティング、NECがアビームコンサルティングに資本参加してアビームコンサルティング(名称変更なし)、NTTが日本キャップジェミニに資本参加してザカティーコンサルティングになったという具合です。
先を争って買収している感じですね。
大手IT企業は、それだけ上流の提案力強化に必死だったんですよ。
でも、アクセンチュアやベリングポイントは買収されずに残っています。
図7の「ここをクリック」を押すと分かりますが、大手IT企業との提携を選ばなかったコンサル系は逆に、現在、システム開発・運用&アウトソーシングへと自社のサービス範囲を広げています。
図7 IT業界地図(コンサル系)→IT業界地図(コンサル系+システム開発全般) |
なるほど! だからアクセンチュアやベリングポイントはシステム開発全般に分類されるんですね。
そう。彼らは自社内もしくはグループ企業にシステム開発や運用&アウトソーシングを行う企業を抱えているのです。
野村総合研究所や日本総合研究所といった企業はどうなのでしょう?
総研系とも呼ばれる彼らは、ユーザー系とシンクタンクとの合弁で生まれた企業です。だから、もともと、システム開発の部隊も抱えています。
なるほど。一口にIT系企業といっても、その存在の仕方はさまざまですね。では、独立系とメーカー系にはどんな特徴があるのですか?
今日は長くなったので、それは次回にしましょう。
ひどい。お預けなんて……。記事インデックス |
1P IT業界の分類:概要 |
2P IT業界の分類:ユーザー系、外資系 |
3P IT業界の分類:コンサル系 |
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本連載は、ITmedia エンタープライズと共同企画でお届けしています。 ビジュアルなグラフで理解:外資系会計ファームの買収は上流提案力の強化が目的? (ITmedia エンタープライズ) |
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